革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.08.31

きちんと感あるカジュアル品、コンパクトなオレンジ財布

小さな財布が一般的に人気ですが、

どんな財布が良いのでしょう?

 

今日は、大人がモノを選ぶにあたっての

ひとつの視点をご紹介しようと思います。

 

今回の一点もの二つ折り財布

小さくても品格あるものにして、

カジュアルというより

少しきちんとした感じにしています。

 

大人の方が愉しみながら、

胸を張って人前で使えるお品です。

 

そしてその傾向は

当店のすべての定番に共通のものです。

 

なぜなら

当店の定番品のデザイン目的は、

持つ人を「カジュアル≦きちんと」

と見せるための演出ツールだからです。

 

 

その路線は、1981年の

お店の始まりの頃から変わっていません。

 

バブルの頃から出現してきた

「高級カジュアル」と呼ばれるジャンルが

一番近いかもしれません。

 

このジャンルは、単なる

高級なカジュアル品という意味ではなく、

 

パッと見カジュアルに見えても、

良い素材とデザインで

高級な場所でもお持ちいただける、

ということです。

 

服装がカジュアル化しているからこそ、

お持ちになるバッグや財布・小物などから

経験を積んだ大人にふさわしい

クラスアップの感じを出していこう、

という目的を持たせています。

 

 

この路線は当初から、

当店デザイナーの好みだったのですが

それを言語化し、自分たちの路線として

はっきりさせる契機となった

おもしろい経験が、その昔ありました。

 

初めてイタリアに行った時

現地で靴を何足か買ったのですが、

その中に

布製のかわいらしいものがありました。

 

今よりずっと若かったこともあり、

モノを知りませんから、

さっそく一番かわいいその靴を履いて

街を歩きますと、

人々の目が、靴にばかり刺さります…

 

あらかわいい、という目線ではありません。

接する態度も奇妙です。

 

現地では

高級カジュアルの服装をしていましたから、

その靴がいかに場違いであるか

痛いほどその目線から読み取れ、

いたたまれなくなったので、

ほどなくしてホテルに戻って履き替えました。

 

そうしてあらためて出かけますと、

どこへ入っても「マダム」と

丁寧に呼びかけられるようになります…

 

彼らの世界には

誰もが口に出さない基本ルールがある、

と身をもって知ったのはその時です。

おそらくそれは、日本でも同じことでしょう。

 

たとえば「ひと目で恋に落ちる」時、

私たちの目は、その人の全身を包む

雰囲気までキャッチしています。

 

自分がどんな人間かは

自分でも良く知っているとは思いますが、

たとえどんなに優れた人であっても、

服装や持ち物で

一瞬にして誤解されることがある、と

彼らの目線は教えてくれました。

 

 

昨今は、年齢に関係なく皆

同じ洋服や小物を持つようになっていますが

年齢や経験を経た人が着たり持ったりする時、

正直少し違和感を感じるものもあります。

他人はあえて口には出しませんが…

 

革と同じで、

経験を経て、歳を経た人だけが持てる

ステキな顔や雰囲気があります。

 

そんな人だけが持つ優れた特長は、

それに見合った同等の質のモノが

周りに置かれることで、

さらに輝きます。

 

今回作った一点ものの革は

キズが付かない型押しで、最初はやや硬め。

 

水にあたってもシミになりませんから、

気軽に楽しめます。

使って行くほど柔らかく馴染んで

かさばらなくなっていくので、

時間が経つのも待ち遠しいでしょう。

 

この財布は、

小さなバッグやお尻のポケットに入れても

じゃまにならぬよう、

極力小さくしています。

 

でもこの二つ折り財布の一番の特長は、

「コンパクト財布なのに

高級カジュアル品である」ことです。

 

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