革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.07.31

カード&札入れのコンパクト財布 912

「プレゼントなんですが、

外国人の男性で、すごく小さいお財布を

使ってらして…

それがボロボロなんで

同じようなものを差しあげたいです。」

ご相談にご来店くださったクライアント。

 

お話を伺ってみますと、

どうやら名刺入れをお財布として

使っているご様子。

 

形はあまりはっきりとわからない、

ということでしたから、

後からお写真を送っていただくことに

しました。

 

 

というのは、

男性の場合、現在使っているものを

気に入っているのであれば、

ほとんどの場合

「同じものが欲しい」

と思ってらっしゃるからです。

 

そういう場合 当店では、

なるべく同じ使い勝手のものを

作って差しあげたい、と思っています。

 

デザイナーはいつも、

男性へのプレゼントに対しては

それを強調してお話しします。

 

もちろん、あまりこだわりのない方も

いらっしゃいますから、

その点を確認してからご説明しますが。

 

 

さて、お写真が送られてきましたら、

小物だからこそ

どうしても確認する必要のある部分が

出てきました。

 

それで結局

現品を見せていただける機会をいただき、

拝見することが出来てほっとしました。

 

小物のフルオーダーは、ほんとに難しいです。

 

しかも今回の現品は、

驚くほど小さい名刺入れでした。

そして、中には

ミチミチにカードが入っています。

 

時間をかけて

少しずつカードの枚数を増やしていけば、

現在の量が入るくらい

革は伸びていきますが、

 

最初からこれだけの量を入れるとなると、

オリジナルの寸法に

ちょっと手を加える必要が出てきます。

 

ここが難しいところです。

こんなことを考える作り手は、

当店以外ほとんどないと思います。

 

 

今回の解決策は、

前ポケットに緩やかな厚みを付けること。

その厚みの量がまた問題ですが。

 

上のお写真を見ていただくと

前ポケットが膨らんでいることが

お判りいただけますか?

 

ペタンと平らに作るより、

この方がずっと中身が入ります。

 

当店にはこうした解決策の引き出しが、

数え切れないほどあります。

だから、みなさまの様々なリクエストに

お応えすることが出来ます。

 

 

最初からこうしておけば、

時間が経たずとも、たくさん入ります。

 

現在お使いのお財布やバッグに対して

容量以上にお入れになる方は

とても多いですが、

それは時間が経って柔らかくなることで

可能になっていることです。

 

いくら寸法を測って

オリジナルと同じ寸法で作っても、

違う、と感じられることがあるのは、

使用前使用後の質感と革の伸び

から来る違いです。

 

こうした違いは必ず出ますから、

もし、もっと中身を入れたい、

と思うのでしたら

多少大きくすることも考えてください。

 

でも

このお財布は大きくしてないですが…

 

久々に悩ましいご注文を

ありがとうございました。

考えることが、とても楽しかったです。

 

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