革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2023.06.1

エレガントでコンパクトなスマホケース 303N

1枚目のお写真をご覧いただくと、

この革製品が何なのか

いろいろなご意見が出ることと思います。

 

一番多いご意見はきっと

手帳カバーではないでしょうか。

 

このエレガントな製品は、

クライアントが愛用していらっしゃる

スマホケースと同じデザインで

お作りしています。

仕様はかなり厳しく難しい仕様でした。

 

 

 

 

 

 

こちらはスマホが真ん中に入るタイプで

(しかも貼付けタイプ)

カードも入り、名刺も入りますから、

スマホの隣に配したスタイラスペンが

まるで手帳用のペンのように見えます。

 

「このスタイラスペンの1辺には

マグネットが入っていますから、

そのマグネットを使って

スマホ本体横に収まるようにして欲しい。」

 

ペンの太さは10ミリ前後。

六角形のペンの1面に仕込まれている

細いマグネットを使って

なるべく無駄なスペースがないように

収めるわけです。

そのサイズ出しの大変さにクラクラしましたが、

何とかできるでしょう、という

製作責任者の言葉を信じてお受けしました。

 

 

 

 

 

 

さて、お渡しの段になりましたが

なんとなんと、スタイラスペンが

逃げてしまいます!

N極とS極が間違ってたんですね…

サイズ感がかなり厳しかったため、

そこまで注意が回りませんでした。

 

ということで、マグネットのプレートを

つけ直す、というアクシデントがありました。

今まではたまたま

この二分の一の確率に勝利してきましたが、

ここで負けてしまったようです。

 

ここから、フルオーダー品の製作では

徹頭徹尾論理的であること、

をあらためて肝に命じた一例となりました。

 

 

 

 

 

 

当店には、

さまざまなアイテムを作るに当たって

いろいろな知識が蓄積されています。

 

使ったことのないものであっても、

意図を理解し、製作できるのは

そうした知識があるからです。

 

クライアントのみなさまに

細かく聞き取りをして得た情報と、

それを調べて裏打ちした情報とを

併せて使いますから、

それらは生きた情報となり、その情報を

他のアイテムにも派生させていくことで

新しい局面での技術の使い方が

できるようになります。

 

ところが、今回は基本的なことで

落とし穴に落ちました。

 

作る仕事というのは、真に気を抜けません。

これは大変だ、と直感する注意事項があると

そちらにばかり頭が行ってしまうことがあります。

今回は、それに気をつけましょう、

となった事案でした。

 

修正までお待ちいただき、

ありがとうございました。

みなさまにも褒められる、とお聞きして

安心しました。

あらためて、ありがとうございました。

 

 

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