革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2023.07.26

25年ほどの時を経て新規ご注文いただいた正統派ブリーフケース 30312

「いまこれを使っているのですが、

そろそろ新しく作ろうかと思います。

ここのところ

持ち手部分の緩みが気になってきました。」

 

 

 

*一代目の鞄

 

 

お見せいただいたブリーフケースは、

おおおお、当店が代官山にあった時に

ご注文いただいたオーダー品です!

 

まだまだ健在で、

お調べしたら、25年ほど前にお作りしました。

「この革は、その時1枚だけお入れした革です!」

デザイナーはそのカバンを撫でています。

「大切に使ってくださいましたね、

ありがとうございます。」

 

 

*持ち手の付け根が伸びてきた

 

 

さすがにそろそろ

伸び縮みできるようにした持ち手の付け根が

伸びてきています。

これを直すのには大手術が必要なので、

金具部分に少しだけついたキズが気になるなら

新しくお作りするのには賛成です。

 

この古いカバンを

雨の日用にしていただければ、

新しいカバンの保ちも違いますし。

 

 

*内側もまだまだきれい

 

 

以前と同じお勤め先ということですが、

とても洗練されて

ご自分のスタイルが出来上がった

クライアントです。

 

正直以前どんな雰囲気の方であったか

デザイナーは覚えていませんでしたが、

お作りしたカバンを見て

どんな方かを理解した、と言っていました。

 

 

 

*右が一代目、左が二代目の鞄

 

 

美意識がはっきりしていらっしゃるし、

このシンプルなデザインを見て、

「これは大変!」と

デザイナーは思ったそうです。

 

シンメトリーで

何の工夫も無さそうなデザインに

見えると思いますが、

フタのかぶさり具合や

角の丸み、マチの見え方に付いてまで

イメージをお持ちで、

それに沿ってお作りしたものです。

 

 

 

*ここからの写真は今回お作りした鞄

 

 

こうしたシンプルなデザインこそ

誤魔化しようがなく、

パッと見たひと目の印象で

誰もがものの良し悪しがわかってしまう

恐ろしいタイプです。

 

 

現在使っているカバンの

持ち手の緩みが気になって、というのも

なるほど頷けます。

 

 

 

 

 

 

25年前と違うのはおそらくこの方のお立場で、

お召のスーツなども

お好みは出していますが、

作法に則っておしゃれを愉しんでいます。

 

そのため、

カバンの金具を変えました。

同じ金具がなかったからなのですが、

デザイナーは、この方にお持ちいただくには

もっとアッパーの雰囲気を

お出しする必要があると思ったようです。

 

 

 

 

 

 

出来上がったふたつのカバンを比べますと、

最初のものは金具がまだ普通な感じですが、

新しくお作りしたものは

エグゼクティブの雰囲気を出しています。

 

ひとりのクライアントに対して、

その方のお立場が

随分変わったと思われる時に、

それに沿った進化を表現することができるのは、

仕事として嬉しい仕事です。

 

 

 

 

 

 

「これから一生使いますから。」

大事なお仕事をしてらっしゃる

こちらのクライアントを支える鞄を

二代に渡ってお作りできたことは

まことに嬉しいことです。

ご活躍を期待しています。

 

このたびのご注文も

ありがとうございました。

 

 

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