革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2023.06.3

外ポケットが多く、荷物がたくさん入るキンチャクバッグ 302

「以前作っていただいたこのバッグ、

普段持ちと思ってお願いしたのに

きちんとした場所まで持って行けるので

もう少し大事に持ちたくなりました。

ですので、これに代わる

普段持ちのバッグを作っていただきたい。」

 

 

 

*正面から見るとバケツ型で
外ポケットの多いバッグ

 

 

お嬢様がご一緒で

「見本がありまして、

このバッグなら母に合いそうなので

買ってきました。」

笑顔でお見せくださったのは

某雑誌付録のナイロンバッグ。

 

「母が使いやすそうだな、と

雑誌の説明書きを読んでピンと来て、

買ってみたら、当たり!でした。」

 

たくさんある中から写真で選び出し、

説明書きを読んでピンとくる、って

なかなかすばらしい観察眼をお持ちです。

 

 

 

*バッグの口がきちんと閉まるキンチャク型、
ショルダーベルトを着脱できるDカン付き

 

 

デザイナーが躊躇したのは、

そのバッグは

ナイロンに向いているデザインなので、

革にとってはかなり作りづらい箇所が

いくつもあることです。

 

最初にお作りしたバッグは

フォーマル的にお使いになり、

こちらは普段使い、とおっしゃいましたが、

こちらの方がテクニカルな作りなので

高価になってしまいます。

デザイナーは「普段持ちのバッグとして

それはありなのかしら??」

と思ったようで、

それを素直にぶつけてみますと

 

この方のお考えとしては

「普段持ちは普段持ち」というだけで、

使いやすくて

普段持ちとして相応しいものが良い、と

思ってくださっていることがわかりました。

シンプルな考え方のクライアントです。

このシンプルさは見習いたいです。

 

この時の価値判断の基準は

「思う通りに使いやすく、

普段持ちの場に適した

それなりにステキなバッグが

できるかどうか?」です。

 

 

 

*キンチャク部分にゆとりがあって
荷物がたくさん入る

 

 

 

普段持ちにするために、

取っ手に布ベルトを使って

カジュアルダウンさせるご依頼です。

 

キンチャクの紐を留める金具も

アウトドア系にして、

ポチっと金具を押すことで、簡単に

紐の伸縮をできるようにしています。

 

お写真でお分かりのとおり、

本体はルバルのダークブラウンに

雨避けのワックスをかけて、

キンチャク部分のナイロン地は

目立たないよう、黒色を使っています。

 

 

 

*細かいもの用の内ポケットがふたつ、
適度なマチが付いて使いやすい

 

 

当店でいくつもご注文くださっている

クライアントですから、

ご自分の希望がどうしたら現実になるか、

熟知して、お話しくださいます。

 

その結果、内側のお色はベージュにして

中のモノを見えやすくし、

外ポケットは

ガラケー携帯が入るように細工しました。

 

 

 

*お札をタテに入れられる内ポケット

 

 

たまたま先日お電話を頂戴しました。

「あのバッグ、とても良いんですよ!

毎日使ってます。

旅行にもこれひとつで

ずっと出かけてました。気に入ってます。

見た目よりモノも入るので

旅行でもほんとに役立ちましたよ。」

 

ありがたいお電話です。

クライアントのみなさまから、

少しお時間が経って

ご感想を頂戴する時がありますが、

うまくお役に立っていることを

知ることができますと、小躍りします。

 

この方のように、ご自分から

「これこれしたいので、

こういう風にできるかしら?」と

お話しくださるのはすばらしいことです。

 

リピートしてくださる

みなさまの中には、

デザイナーの製作物についての

マニアックなご説明を吸収してくださり、

参考にしてくださる方も増えています。

 

このたびのご注文も

ありがとうございました。

あんなに嬉しそうなお声を聴けますと、

私どももさらに頑張ろうと思います。

 

 

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