革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2024.03.25

iPad miniを入れるショルダーバッグ/ボディバッグ 402N

シンプルなショルダーバッグの

オーダー品ですが、

それにもかかわらず、ご希望どおり

きっちりお作りすることが大変だった

お品をご紹介します。

 

このバッグには合皮製の見本があって、

ご依頼者は

「とても使いやすくて便利なんだけど

この素材でこの感じでは

ちょっと持ち歩くのもはばかられて…」

とご説明くださいました。

 

聞き取りをして行きますと、

ご依頼者にとっては、全体の

できあがり寸法が一番気になる点で、

かつ、背中側の内ポケットに入れるiPadが

鞄の大きさの基準になるものでしたから、

デザイナーは寸法を測りながら

「う~~~ん」と密かに考えていたようです。

 

と言いますのは、見本バッグには

iPadがぱっつんぱっつんで

入っていたからです。

 

使ってしばらくたった合皮製品の

寸法の測り方の微妙さもありますし、

新しくお作りする

当店革製品の革材料と作り方の違いから、

内寸ギリギリに入っているiPadが

当店素材で作った鞄の内ポケットに

うまく収まるかどうかが

ポイントだったからです。

 

 

 

 

 

 

見本は某リーズナブル店の

オリジナル商品だけあって、作り方は

いとも簡単、一筆書きのような作りです。

 

縫い方も、勢いで縫っているところがあり、

きちんと作るモノづくりの人では

このようにしない、というところもあり。

 

量産品で、パッと作りきって

何となく形にしてしまう製品は、

きっちりお作りするお店にとって

セオリー外の製品だと思うことがあります。

 

私どもではその辺りは私たちのセオリーで

きれいに仕上げてしまいます。

 

とにかくほぼ同じ大きさで、

きちんと中身の入るモノにしなくてはなりません。

こんな当たり前のことを

一つひとつのオーダーで実現していくことは、

なんと難しいことでしょう。

 

 

 

 

 

 

内寸が関係するバッグなので、

内容物についても

ダミーバッグを作って確認しています。

その解釈について

侃侃諤諤の検討がありました。

 

~~~~~

そんなこんなの紆余曲折ののち

出来上がったお品はきれいな磨き仕上げで、

ストラップ裏には

起毛革の滑り止めもお付けしています。

このすべり止めには

とても喜んでいただけました。

それは置くとして、苦労の後は見えないはず…

 

お渡ししましたら、

「あ、やっぱりいいですね!

iPadもちょうど良い感じで入りますし。

ショルダーの長さもこれがいいです。

見本とは全然違いますね、良いなあ。」

とおっしゃってくださいました。

 

このたびはありがとうございました。

革の経年変化のご説明をしましたら

「では、雨の日は見本鞄を使って、

これはエイジングさせていきたいです。」

とのご決意!

 

何年か経って、偶然にでも

この辺りを歩いている時がありましたら

ぜひお見せくださいね。

楽しみにお待ちしております。

 

 

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