革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2025.01.17

ゴート(山羊)革のビジネスバッグ 51110

シックでおしゃれな方がおいでになりました。

ご自分で描いた絵をお持ちです。

ご希望内容も箇条書きで書いてあり、

それだけでほとんどのことがわかりましたから

短時間のご相談となりました。

ありがとうございました。

 

ここまでわかりやすい絵を頂戴することは

めったにりませんから、

デザイナーも製作者も驚いていました。

 

 

 

 

 

 

ついついご職業をお尋ねしましたら、

プロの漫画家さんでした。

しかも、説明漫画を描いていらっしゃる

ということで、なるほどのすばらしさでした。

 

世の中にはたくさんの職種がありますが、

当店店頭は、珍しい職種の方が度々いらっしゃる

楽しい職場だと、あらためて思います。

 

 

 

 

 

 

さてでは本編の

こちらのバッグについてお書きしましょう。

 

ご依頼者はある程度の年齢の女性なので、

「軽いと嬉しいです。」とのリクエスト。

そこで形と使い方を伺ったデザイナーが

お薦めしたのは、ゴート(山羊)革です。

 

当店で使っているゴート革は

シュリンクタイプと言いまして、

薬剤を使って革をシュリンク(縮こまらせる)

させたものですから、

革肌のキメがしっかりしています。

そのため、薄いですが丈夫、というわけ。

薄いこともあり、かなり柔らかですが。

 

 

 

 

 

 

それではなぜそういう良さげな革が

市販の量産品には少ないのでしょう?

 

昔、たまに見かけるゴート革のバッグは

たいていがグダグダに柔らかい、

形があってないような袋タイプでした。

その他ですと、巾着タイプだったでしょうか。

 

ない理由を結論から述べますと、

ゴート革はとにかく、製作しづらいのです。

とても柔らかく、

そのうえ伸びやすい革ですから、

製作にはたくさんの注意点があります。

 

今回の鞄のように

きれいに形を取ろうと思ったら、

牛革の何倍もお手間がかかります。

 

 

 

 

 

 

また革の大きさですが、

牛革の半裁(通常の1枚革)1枚の

1/3くらい、と小さめの革です。

 

革の大きさと言えば、

同じような小ささだと、ラム革もあります。

ちょっと横路に逸れましたね…

 

小さい、ということは

パーツの取り都合に限界がある、

ということになります。

特に長いパーツ。

そんなわけで、

革の伸び具合と取り都合との

両方を考え併せる必要があります。

 

なるべく捨てるところなく

1枚の革を使うことは、

革になってくれた動物に対する礼儀です。

また、捨てるところを少なくすることは、

エコ活動の基本でもあります。

 

 

 

 

 

 

上のお写真にあるスマホポケットは

現在使ってらっしゃるバッグに付いていて、

使い慣れている、とのことで

同じ形にしました。

 

でも現在のポケットの大きさには

不満がありましたから、

そこは気持ちよく使えるサイズに

変更しています。

サイズはご指定いただかず

こちらでお決めしましたが、

ばっちり気持ち良いサイズで上げられました。

 

ご注文いただく時に大事なことは、

使ったことのない仕様を入れ込むと、

それが

自分にとって使いやすいかどうかが

想像つかないことがあることです。

 

ですから、

「使って良いから」という感じを

お持ちになった仕様を元にしていただくと、

間違いないです。

 

 

 

 

 

 

お受け取り時に

「うわあ、いいですね、とても軽いですし。」

と笑顔を見せてくださいました。

 

「今日から使っていこうと思って」と

紙袋でお荷物をお持ちくださって、

すぐに入れ替えてくださいました。

シックないでたちにもお似合いのバッグです。

これが嬉しいですね!

 

このたびはありがとうございます。

軽いですし、丈夫で長保ちしますから、

長きに渡るパートナーになってくれると

思います。

お仕事、頑張ってください。

この鞄がご注文者のお身体をいたわって

働いてくれるよう、願っております。

 

 

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