
2025.05.2
「目録」のオーダーメイド品、きれいなトートバッグ 50201
このすっきりときれいなトートバッグは、
奥様からご主人様へのプレゼントです。
オーダーメイド品のプレゼントは
製作に時間がかかりますから、
時に、記念日当日には
「目録」をプレゼントすることになります。
このトートバッグも
そんな「目録」オーダーです。
こんなサプライズをご提供できることが、
当店にオーダーメイド品を注文する
楽しみのひとつ、と思います。
「目録って、昔の人は
持ってこられないものを差し上げる時に
使ってたけども、
なんか楽しいし、便利なやり方だよね。
この頃はほとんど聞かないけど、
この形式がまだ残されていることが
とてもおもしろいと思います。
さてプレゼント、と思った時、
相手の方にすぐ贈れるのがいいですし、
相手の方は思わぬ攻撃に(笑)きっと
かなりびっくりすると思いますよ。」
笑いながら、随分前にこの案を出して
隠し玉にしているデザイナーは、
「だって相手が驚いてくれるし、楽しいもの。
こんなこと、他の人はめったに考えないよ。
オーダーメイドだからこそ、
可能なアプローチだと思います。
私もこんなことして欲しい~。」
などと言っています。
そういえば
おもしろ好きな人からも
「楽しい案ですね。」とご注文をいただきます。
デザイナーは
「この仕事は、しっかりした技術を基盤に
クライアントの希望を実現可能な形にして、
最終的には喜んでいただくことだから、
サービス業でもあるんですよ。
喜んでいただくことが一番大事です。」
といつも言っています。
それで、政府か何かの調査があって
そこで職業種類を選ばなくてはいけない時に
「うちはサービス業なんだけど…
コンサルもしてるし、製造もしてるし…」
といつも、
正しい選択肢がないわ、と独り言ちています。
今回、ご相談時には、
目録をお持ちになったご主人様が
奥様とご一緒にご来店くださいました。
このご相談来店の前に
奥様はあらかじめ
当店を下見にいらっしゃいました。
ですから、
私たちがどんな製品を作っているか、
店頭の製品をご覧になっていますし、
どんなことができるかも知ったうえでの
ご相談です。
ご主人様へのお気持ちを推し量れる
エピソードです。素敵なカップルです。
実際にご来店できる方でしたら、
まず下見に来る、こんな方法もありです。
このトートバッグの元になったのは
一点ものでお出ししていたこの製品です。
荷物量と「軽さ」が決めてになった気がします。
不思議なことに、お二人が
この製品をご覧になるというご予約日の前に、
「これは使い勝手良さそうなバッグ。
しかもずいぶんお買い得なお値段ですね。」と
売れてしまいました。
そこで私たちは
直ちにダミーバッグをお作りして
お二人をお迎えしました。
こんな偶然にはひやひやしますが、
技術の高いクラフツマンを要する当店なら、
乗り越えることができます。
そんなことも、信用していただいたことで、
このオーダー品製作が可能になりました。
ありがとうございます。
ダミーバッグというのは
本製品にできない部分の革でお作りしますから、
お色がツギハギだったりして
ご覧になる方によっては驚かれますが、
大きさや全体のイメージは
きっちりご理解いただけます。
そんな折、ご相談者には中身をお持ちいただき、
お入れいただくことがほとんどです。
A4書類やA4サイズPCなど定型の大きなものは
店頭にご用意ありますから、
個人でお持ちの特別な持ちものは
忘れずにお持ちくださいね。
人によってはポーチだったり、
薬ケースだったりします。
大きなバッグをお作りする時、
多くリクエストを頂くのは、個別のポケット。
その個別のポケットに入れるモノを
どれにして、どう入れるかは重要なので、
デザイナーがとくに慎重に聞き取りします。
たいていの場合、サイズを決めすぎない、
汎用性のある内ポケットに落ち着きます。
中には、絶対にコレ!という
「何か」に対するピタピタのポケットを
ご希望いただく場合もあります。
そのご指定はご注文者次第。
あくまでもご相談者にイニシアチブを
お取りいただきます。
ボトルホルダーなどはたいてい、
使わない時折り畳めるようにしています。
このトートバッグの仕切りには
クッション材が入っていて、
PCをホールドすることができます。
これがとても大変でした。
毎回毎回、新しい形や新しい仕様の製品を
お作りするのは、みなさまの想像以上に
頭を使いますし、試作も必要です。
製作責任者などは「これは夢に見る案件」
などとしょっちゅう言っています。
それほど四六時中、
どう作ったらいいかを考えられる人でないと
フルオーダーメイドを可能にすることは
出来ません。
コピーライターなどクリエイティブ職の人が
一行何百万円、というのは
長い職業経験を伴った
考える技術の結果なのだと思います。
そういう意味では、
フルオーダーメイドで革製品を作ることも、
間違いなく同じクリエイティブ職です。
そのような意味合いで、
当店には競合がないのかもしれません。
先日、「御社のことを思い浮かべて
検索を掛けたら、こんな会社に目が行きました。」
と、ある高額商品の会社を
お教えくださった方がいらっしゃいますが、
そこの製品の出来のつたなさに
デザイナーは驚いていました。
「ここの製品とウチの製品との
レベルの違いが判らない…
ここが高額なのは
エキゾチックレザーだからなんだけど。
でも仕立てやデザインは
ウチだとお金貰えないレベルかな。
どこで作ってるのかしら…それは置いといて、
人がモノを見る目を育てられる”何か”を
しなくっちゃいけないね。」
絵を描く人、高品質のものを作る人の目は、
同じものを見ても
目で映すことがらが違います。
そこまでの精密さは要りませんが、
パッと見て、
それはどの程度のもので、何が良いのか、
わかる目を持てると楽しいと思います。
たまには
アトリエ→ギャラリーにしましょうか。
そんなことも妄想しているデザイナーです。
話が逸れてしまいましたが、
このたびの大切なプレゼントを
当店にお任せいただきまして、
ほんとにありがとうございました。
ご主人様には
軽さときれいさに喜んでいただけて、
安心しました。
ステキなカップルのご来店に感謝します。