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さくらピンクの折り財布 50208
「今までずっとこの財布を使っていて、
これが2代目です。
でもこれも使い始めてずいぶん経って
そろそろダメになってきたので、
買い替えの時期が来ました。
ですがこの財布は
もう作られなくなってしまったので、
オーダーで作ってもらって
長く使いたいと思います。」
ありがとうございます。
*ハイブランドのさくらピンクの革を外側に、
内側に少しだけダークグリーンを使いました。
お母様とご一緒に、当店製品をたくさん
ご愛用くださっているクライアントです。
いつも言ってくださることは、
「ブランド品は誰でも持ってますし、
ほとんどがブランドの宣伝バッグですから、
私としては、ほんとに使いやすくて、
自分が好きでステキだと思うバッグを
使いたいです。」ということ。
嬉しいお考えです。
*ダークグリーンのアクセントが効いています。
お二人はそれぞれ、
「これを使って良かったから」と
ご自分に合いそうな見本バッグを
雑誌の付録などでうまく見つけ、
それを使ってみてから、
改良版をご注文をくださいます。
その見つけ方の上手なことには、
いつも驚かされます。
ご自分が欲しいと思っているポイント、
大きさやポケットの付き方などを、
きちんと把握して選んでらっしゃいます。
この二つ折り財布については
昨年末からご相談いただいておりましたが、
「これは…実際に作るとなると…
もっとも大変な作りであるうえに、
ここまでたくさんのポケットが付いていますと、
オール革でお作りするのは
難しいかもしれません。」と
デザイナーはお答えしていました。
*後ろ面の外ポケットあり。
それが実際にご注文いただくことになり、
「わかりました、やりましょう!」と
お受けすることになりました。
「でも、当店の作り方ですと
裏地までオール革なので、厚くなりますよ。」
とお話ししてはありました。
さてこのお財布、予想通り
製作は想像以上に難儀しました。
というのは、
全体をなるべく薄く仕上げるために
あらかじめ素材の革を漉いておくのですが、
ハイブランドの革の漉きは難しく、
それ以上漉くと耐久性が著しく落ちる、
というギリギリの数字で進めたからです。
まあそれはごく一部の話で、
もっとも大きな課題は、
この財布をどのような順番で作るか、
なのでした。
量産品は流れ作業で、
なるべく作りやすい工程になるよう
手順など熟考の上で工場に提供されます。
そういう製品を単品として、しかも
まったく違う素材を使って
これだけ複雑な仕様で作ること自体が、
アクロバティックです。
どうやってそういう製品を作るかというと、
「作りながら寸法を決め、
考えながら組み立てていく」という
力業以外に、方法はありません。
それほどの技術を持つ人だけが
作ることのできるオーダー品です。
出来上がりを見てご依頼者は
「見本の革よりきれいな色で良かったです。
この色、私は大好き。
きれいに仕上がりましたし、緑もきれいです。」
ありがとうございます。
私たちスタッフも、このさくらピンクと
ダークグリーンの色合わせと分量には、
顔をほころばせました。
マストの色替えパーツを決めていただき、
その他の分量と配置は
デザイナーがお薦めした部分です。
ところが、お家に帰ってモノを入れた後、
ご注文者からお電話をいただいたのです。
「今まで入れていたものが
半分しか入りません…」
えっ、半分?!ということで
急遽、あらためてご予約いただき
お見せいただいたのは、
お引き取りから2週間近く経った頃です。
「本体のパーツが厚くなった分、
入る分量が減ったにちがいない…
どこを直さないといけないかしら?
丸ごと??そこまで入らないとなるとおそらく、
サイズを少し大きくしなくちゃいけないかも。」
とデザイナーは考えつつ、お会いしたそうです。
すると、「このまま使っていこうと思います。」
とのご注文者からの第一声を頂戴して、
デザイナーは驚きました。
「でも、無理して使っていただくのは
まずいですし、私も気になりますから、
まず拝見させてください。」…
結果から申しますと、
2週間近くお使いいただいていたら、
最初よりも革が柔らかくなって馴染んできた
→前よりも入るようになり、
フタが閉まるようになった、とのこと。
*最初はフタのホックが外れたそうです…
入れる量が問題にならなくなった理由には、
ご依頼者が
カードを整理してくださったこともあります。
ありがとうございます。
また、入れたいカードは入るのですが、
数枚の分けたいカードがあるご様子で、
札入れと同じさくらピンクで
簡単なカード入れを作ろうか、と
おっしゃってくださいました。
そこで、簡易なカード入れを
お持ちいただくことになりました。
お揃いで持てば、何倍も楽しいですし。
紆余曲折ありましたが、
新しいオーダー品は
サイズも含めて気に入ってくださったので、
きっとうまくお使いいただけると思います。
何かあったら、またご相談ください。
それにしても、
ハイブランドの革が馴染んで柔らかくなるのは
想像以上に速いことが、わかりました。
使っていくうちに、
もっともっと馴染み、小さくなることでしょう。
こんなことの一つひとつが、
これからのお客様となるみなさまのお役に立つ
経験から来る知識となって行きます。
いつもお引き立ていただき、
いろいろなご教示をありがとうございます。