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世界で一点!リネアペッレ革のショルダーバッグ 502N
「リネアペッレ」という
ミラノで行われる国際革の見本市は
世界最大級の革の展示会です。
年に2回行われますから、
輸入革を扱う会社は出かけて行って
自分たちの選んだ革を持ち帰ります。
その後それぞれの革会社が集まって
東京などで展示会が行われ、
そこで革製品の製作会社の人たちが
革の予約をしたりします。
オーソドキシーは
どんな製品も1点しか作りませんから、
その革見本を見て
予約をすることはできませんが、
デザイナーは気に入った革があると、
すべての展示会が終わった後で
その輸入会社へ出向き、日本に
たった1枚しか入荷しない見本の
お目当ての革を入手します。
今回お作りしたバッグは
そういう革でのご注文品です。
以前、当店でご提案した一点ものの
このバッグデザインをご覧になって
「このバッグを
クロコダイルの型押しで作りたい。」
とおっしゃったクライアントに、
長年かけてお探ししたこの革を
お見せしました。
リネアペッレで出される革は
ミラノに結集した、各分野の
イタリアのデザイナーたちによって
テーマに沿って作られる革です。
その見本市の革は
表面加工の仕方が毎年変わり、
見たこともない革が出てきます。
現在の革市場の趨勢として、
イタリアを代表するヌメ革も
原皮の悪さからずいぶん減っています。
原皮の悪さを補うため、
ファッショナブルな表面加工が
毎年新しい形で出てくることは、
イタリアの革づくりの
圧倒的なチャレンジングさを
見せつけてくれます。
リネアペッレに出された革は、
洋服など他のファッション品と同じく
予約に応じて作られる方式なので、
定められたワンロット以上の量を
注文する必要があります。
洋服などと違うのは、
一個の完成した製品を選ぶわけでは
ないところ。
あくまでも材料としての革ですし、
高価ですから、「これを世に出すぞ!」
という革への気概と、
デザイン的なインスピレーションが
なければ、注文できません。
リネアペッレ革を
現実の製品として見る時は
ハイブランド製品だったりするので、
なるほど、と思うことがあります。
しかもそれが洋服だったりしますと、
確かに洋服の方が作りやすい革だから
このように仕上がるんだ、となります。
見本市に出される革で魅力的なものは
たいていが、製作の難しい革です。
だから量産品を作るメーカーには
あまり手出しできないでしょう。
そんなこともあり、日本国内の
予約数はかなり少ないと思います。
リネアペッレ革には、
どうやって作っているのかわからない
ものが多数あります。
おもしろいのは、その革見本を
日本で革素材を作っている人たちが
持っていくことです。
それを元に研究し、彼ら自身の
革づくりに役立てようというのです。
何年かして、「これはアレの後発品?」
と思えるものが出てきた時
ルーツがわかるのは、
リネアペッレの革を見た人だけです。
当店では、デザイナーが気に入ると
革を入荷してしまいますから、
「これ、どうやって仕立てるの?」
と言いながら、仕立てていきます。
そんなこともあって、自前で出す
リネアペッレ革の製品は
どれも1点限りになります。
製作が難しい、って… 彼らは
驚くような革素材を作りますよね。
高価な革で大きさもありますが、
1枚1枚の多くの部分が
革製造会社の人に
見本として持っていかれますから、
当店が入手する時には、すでに
それほど大きさがない状態です。
ですからどれも
ご注文としてお受けできるのは、
世界で一点だけのバッグです、
というくらいの量です。
たとえば、深い型押しが
網目のように入っている革は、
最近の彼らのお得意です。
また毎回、異なる方法で
幾重にも染料を塗って仕上げた革や
フィルムをかけて仕上げた革、
その新しい角度のヴァリエーション
など、確実に
新しい作り方が出てきます。
製作方からしますと、
革層に深く入り込んだ型押しは
一体どうしたらうまく加工できるか、
毎回悩みながら
落としどころを見つけながら
作っていくしかありません。
新しい試みの革ばかりですから、
使っていったらどうなるか
正確にはわかりません。
でも今までの例からしますと、
渋い経年変化をしています。
ずっと使っていって味が出る、
それがイタリア人のモノづくりの姿勢
だとデザイナーは言います。
今回のオーダー品は、
そういうリネアペッレの革を見て
「これなら作って欲しい。」と
言われたパープルの型押しです。
お届けしましたら、
「どんな洋服に合わせるか、
持ち歩くのが楽しみです。」と
ご感想を頂戴しました。
世界で一点だけのうつくしいバッグ!
これをあの方がお持ちになると
想像するだけで、楽しみです。
このたびはありがとうございました。