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持ち込みワニ口バックル用のベルト 505N
ベルトバックルには
バックルパーツに帯を挟み込む
「ワニ口タイプ」があります。
市販の安価なものにはこれが多く、
使う方が、ベルト帯本体を
ご自分のサイズに合わせてカットし、
使い始める必要があります。
今回お持ち込みいただいたのは
このワニ口タイプですが、
きちんと作ってあって
安価なものではありません。
作り方も凝っています。
この方から、ずいぶん探したけど
ベルトを作ってくれる所がなくて、
と、メールをいただきました。
前にも書きましたが、
ベルト製作をする所がないことには
理由があります。
ベルト用の革には
長く、良質な革パーツが必要なので、
楕円形をしている1枚の革の
ど真ん中をカットすることになります。
結果、パーツの取り都合が悪く、
このパーツを取ってしまうことで
他のパーツが取れなくなってしまう
という不都合が起きます。
要するに、
歩留まりがかなり悪いのです。
このたび持ち込まれたバックルが
安価でないことが一目でわかるのは
ベルトの作り方。
もちろんバックルのサル革も
芯材が入り凹凸がしっかりあります。
長年お使いになったからかどうかは
わかりませんでしたが、
通常のベルトに比べると
縫い代が極端に少なく、
幅の真ん中と縫い代部分の厚みに
極端な差があります。
なかなかデリケートな作りのうえ、
糸の色も薄いブルー。
こういうデリケートな作り方を
読み解けなければ、
現物を再現したい方のための
オーダーメイドを
お受けすることはできません。
また、背中の内側に
ネームもお入れしました。
これも、ベルトの左右を間違えたら
逆さまになってしまいますが、
デザイナーはその正逆については
ご依頼者にお尋ねしておりません。
なぜそれがわかったかは、
観察力のおかげ、と言えましょう。
遠方の方からのご依頼でしたから
お届けでのお渡しでしたが、
ご感想を頂戴しました。
ご紹介します。
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ベルトを無事に受け取りました。
細部まで丁寧に仕上げていただき、
あらためて
お願いして良かったと思います。
こうした細かい依頼を
引き受けてくださるところが
見つからず困っていましたので、
本当に助かりました。
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今回は普通の製作方法では
ありませんでしたから、
ご満足いただけたことに安心しました。
2本お作りしましたが、
1本がかなり長くお使いいただけると
思います。
長きに渡るご愛用を願っています。
ありがとうございました。