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ご希望内容どおりのフルオーダーメイド、ファスナー二つ折り財布 504N

ご希望内容どおりのフルオーダーメイド、ファスナー二つ折り財布 504N

2025/07/09

 

以前お財布をご注文くださった方から

再度ご依頼いただきました。

前回のお財布にも

特別なこだわりがありましたが、

気に入ってくださり

長く使っていらっしゃいました。

 

 

 

 

 

まず今回は型押し革で、

というご希望があったので

最初に革の候補をお見せしてから

中身をお決めいただきました。

 

近年、三方ファスナーの折り財布は

珍しい形になりましたが、

30年ほど前なら

必ず市場にあった定番品でした。

 

 

 

*開いたところは普通のカード入れ。

 

 

今回大変な製作になったのは

全体サイズに縛りがあったことです。

 

とくに難儀したのは、厚み。

 

以下のお写真をご覧ください。

この財布の仕様は、

1.札入れ部分には仕切りがあり

2.右側のカード入れの下には

箱型の小銭入れがあります。

 

2.ですが、これは

カード入れが

箱型小銭入れのフタになっている、

という意味です。

お分かりいただけますでしょうか?

 

 

 

*右側のカード入れが

小銭入れのフタになっている。

 

 

この財布の内側には、

仕切りのある札入れの他、

左側にカード4枚+数枚

右側に、カード3枚+数枚+小銭入れ

とみっちり厚みがあります。

にもかかわらず、

財布のファスナーの厚みを

ご指定いただきましたから、

パーツすべての革を

ぎりぎりまで漉くことが必要です。

そして当然ながら

全体サイズにも厳しい縛りがあるため

当店でなければ絶対に作れなかった、

と断言できるほどの

ギミックを施しています。

見た目はごくごく普通ですが…

 

 

 

*右側のカード入れを開いて

小銭入れを起ち上げたところ。

 

 

この件はちょうど良い例なので、

フルオーダーメイドにおける

見積もりの大変さを

ひとつだけ披露しましょう。

 

このようにみっちりと中身の入る

財布は通常、中身のサイズに合わせて

厚みを決めながら作っていきます。

要するに作りながら考える、

厚みは成り行きから決まって行きます。

これだけでも、実際

作れる職人は少ないはずですが、

さらに今回は、

外側のサイズがあらかじめ

すべて決められていました。

 

さて、そのサイズを厳守しつつ、

無理のない製作が可能かどうか、を

どうやって判断するのでしょう?

この問題ひとつとっても、

ただ漫然とモノを作るだけの人には

到底できないことです。

 

 

 

*中身をすべて詰めたうえでの

ファスナーの厚みは、ぴったり。

 

 

しかも当店では、

ご相談をお受けしているその場で

その可否の判断をお知らせします。

 

みなさまのご希望を叶えることは、

自然にまとまって見える形からは

到底想像できないほどの技術を

駆使することが必要です。

 

ご依頼者おひとりのために、

たったひとつのオーダー品のために、

当店は持てる技術をすべて使います。

 

 

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