実際のオーダー例
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形をご指定いただいたプレゼントのショルダーバッグ 507N
「この鞄は作れますか?」
メールでお写真を頂戴しました。
プレゼントで差し上げるバッグで、
相手の方がいつも使っているものと
同じカバンをオーダーしたい、という
ご要望で、ご希望の出来上がり日まで
あまり時間がありません。
こういうご希望を頂戴しますと、
すぐにお写真を詳しくお調べして
全体構造を把握し、
必要な金具がありそうかどうかなど、
問題点を洗い出します。
これも、デザイナーと製作者たちが
同じ場にいる、アトリエ兼店舗だから
可能なこと。
こちらはあるブランドの
すでに廃版になった製品で、
もう入手できないものだそうです。
一部布が使われていますが、
私たちはエルメス社の革オンリーで
お作りしました。
差し上げる相手の方は、この鞄を
現在も使ってらっしゃると
お聞きしましたから、
デザインも使い勝手もすべて、
写真から見たこの製品に寄せています。
しかしおそらく、
現品よりかなり軽いと思います。
それでもヘタらないように
いろいろな工夫をしています。
かなり凝った造りのバッグですから、
オリジナルには
ブランド独自の金具が使われていて
同じ加工のできない部分はありますが、
出来上がってみると
すばらしい存在感があります。
相手の方のお名前と
出来上がり日をお入れしましたから、
何年かたった時に
興味深くご覧いただけることでしょう。
出来上がり日の入った製品を
お持ちくださるクライアントが
たまにいらっしゃいますが、どれも
記憶以上にお時間が経っていますから、
それを楽しむことができます。
今回のこのバッグは
正面金具がポイントでした。
オリジナルと同じような金具で
無垢の真鍮製を選んできましたが、
なかなかの存在感です。
一目見た時の直感で、
「大成功」の仕上がりになりました。
質の良い金具の力は、
想像以上に大きいと感じます。
こちらのご依頼者から、製作途中に
「製作の進み具合を
写真で送っていただけませんか?」と
リクエストいただきましたが、
それはなかなか難しいことです。
なぜなら、型紙を作って
たくさんあるパーツを切り出した後は、
ひたすらそのパーツを
完成させていく作業が続くからです。
そして組み立ては、
すべてのパーツが揃ったら、
それまでの地味な作業に比べますと
「あっという間に」形になってしまう
からです。
もし途中のお写真をお送りしたら、
これでほんとに期日までにできるの?
とご心配をおかけしてしまうでしょう。
すべてのパーツを完成させるには、
製作者すら歯がゆいと感じるほど
お時間がかかります。
また、
製作途中で作業を中断することほど
「ものづくり」にとって
忌まわしいこともありません。
作り始めからだんだんと上げて行く
集中の度合いは、一旦切ってしまうと、
その一番の集中に戻すに
気持ちの切り替えと時間が必要です。
そんなわけで鶴の恩返しのごとく
途中経過をお見せする機会は
ありませんが、
だからこそ、良いものができることを
ご理解くださいね。
よろしくお願いいたします。