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市販スマホケースの分解実験
お写真で技術者の作業を
興味深く見てくださっているのは、
今回のクライアントです。
「鶴の恩返し」のごとく、
普段は作業そのものは
お見せしないのですが、今回は特別。
なぜなら、このオーダー品について
ご協力くださっている
ご依頼者だからです。
いままでにもご協力者は
10人ほどいらっしゃいましたが、
最近では、こうした場面も
お見せすると愉しんでいただけるかと
クライアントにオッケーを取って
お載せすることにしました。
さて、話を戻します。
「研究」とは
大げさに聞こえるかもしれません。
でもまさに今回は研究で、
今までお断りしていた案件に
取り組むことにしたからです。
当店でお受けできないご注文の中に、
「材料が入手できない」という
理由のものがあります。
それがこの、円形スマホマグネット。
円形のマグネット自体は、安価に
誰でも入手できるものはありますが、
その「強さ」はまったく足りません。
スマホケースに埋め込んだのち
薄い革を貼って
スマホを固定するのですから、
スマホが落ちない強さが必要です。
スマホが貼られる側、ですから。
それについていままで
研究することはありませんでしたが、
この、本気でケースを欲しい、
と思ってらっしゃる方には
きっちりお応えすべきと思いました。
好奇心の強い方で、
ものを作ることにご理解がありまして、
初回のご相談では、
埋め込むことのできる素材として
使えるのではないかと
マグネット単体と、
サイズ見本のスマホシェルとを
お持ちくださいました。
なかなかこんなことはありません。
それをお預かりしての「研究」です。
まずは、お持ち込みいただいた
マグネットの強さを調べます。
それがとても弱かったものですから、
私たちの方でも
もっと強い、という触れ込みの
マグネットを買い求め、実験しました。
その結果、二度目のご来店で、
市販品のマグネットは
問題にならないくらい弱いとわかり、
他のマグネットを探さないと…
と、実験の仕方、経過と結論を
ご報告しました。
そうしたところ、
ご依頼者から自発的に
「現在使っている
このケースなら大丈夫ですから、
バラせるように
同じで新しいものをお持ちします。」
というアプローチがありました。
ありがたいことです。
*市販ケース本体のマグネットの
種類がわかり、驚きました。
やっぱりね、という素材でしたが、
個人では加工できない磁石でした。
そこで、お持ち込み品をバラそう、
と、1枚目のお写真の光景
つまりは三度目のご来店、
という運びになったわけです。
当店顧客には好奇心旺盛な方が多い
と感じますが、
すばらしい情熱です。この方は
「私も知りたいですから。」
とおっしゃいます。
物事を進める時には
この「知りたい」欲求が
どれほど強いか、がポイントだと
デザイナーはいつも言っています。
「謎が解決したし
材料も手に入ったから、
きちんとしたオーダー品ができる!」
どうぞ吉報をお待ちください。