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リネアペッレレザーのポーチのような長財布 50906

リネアペッレレザーのポーチのような長財布 50906

2025/10/22

 

「こんな使い方をしてらっしゃる!」

デザイナーは

「目から鱗が落ちました。」と

言っていました。

 

「単純にポーチかと思ったら、

ポーチなんだけど、長財布でした。」

 

フルオーダーメイドをしていると、

案外こうしたシンプルな使い方が

すっぽりと抜けることもあります。
いやはや。

 

 

 

*表裏で革の型押しを替えています。
こちらはワニ中央柄のシンメトリー。

 

 

華やかなクライアントが

気に入った革は、

レッドxブラックのきらきらした

リネアペッレレザーでした。

 

デザイナーは

この方にはこれでしょう、と、

数ある革の中から
一番最初にお見せした革です。

 

お見せする順番はさておき、

ほとんどのご依頼者が

デザイナーの予想した革になります。
お似合いになりますから。

 

 

 

*こちらはワニ脇腹柄のシンメトリー。
赤x黒の色の出方も計算しています。

 

 

出来上がり時、「まあ、すてき!

思った以上の出来です!」と。

良かったです。

思った以上、をいただけました。

 

1枚の革の状態で見ただけで

出来上がりの想像がつく人は

ほとんどいらっしゃらないでしょうが

デザイナーの頭の中には

みなさまに革をお見せした段階で

「ほぼ形は完成してるのよ。」

だそうです。

 

 

 

*お札が20枚ほど入るヨコ幅。

 

 

「その完成形に近づけていくのが
製作作業なのね。ところが、
作るうえで、あらっ、という

技術的な齟齬が出ることもあれば、

金具が見つからなかったり、という

アクシデントもあったりします。

 

そんな数々の苦難を乗り越えて

やっぱり目指した完成形に持ってく

「力技」が、

フルオーダー製作には一番重要よ。

とにかくあきらめない!

一番すてきなものを作る!って。」

 

 

 

*シンプルな形ですが、この革は…

 

 

「だからね、

登頂を妨げる艱難辛苦に
どう対応していくか、だけが

勝負と言っても過言でありません。

 

作る人にとって、

すべての材料が揃って、

作り方に何の謎の部分もなく、

考えなくても作れるのが、量産品。
すでに決まったデザインの

セミオーダー品も同様です。

 

でも、フルオーダー品は

そんなわけにいきません。

すべてのお品が

実際に存在しないものですし、

注文の作り方に向いてない革での

製作もあれば、

リネアペッレレザーなんて、

糊がつかなかったり、

薄く漉けなかったり、なんてザラで

もうどうすればいいのよ、

なんてのばっかりです。

 

でもうつくしい革だから作りたいし、

うつくしい形を

その革に見せてあげたいし、

それを差し上げることで、

ご注文者に喜んでいただきたいの。

だからたくさん考え、

無駄なく試すんです。」

 

 

 

*きゃしゃで長めのタッセルが
大胆な柄とミスマッチしています。

 

 

そんなこんなで、

この長財布として使われるポーチも

すばらしい出来でした。

 

深い型押し、表面加工ばっちり、

型押しが複雑、と何十苦でしたが、

出来上がってみると

製作苦労の見えないものとなりました。

 

クライアントは、

「プレゼントの手帳カバーは

はっきり言ってお安いな、

と思いました。

でもこのポーチはシンプルだから、

少しお高いな、と思ったんですよ。

でもそうですか、こっちの革の方が

作るのが大変なんだ…なるほど。

ありがとうございました。」

 

いえいえ、
こちらこそありがとうございました。

 

 

 

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