実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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2代目のストライプポイント ビジネスバッグ 21206
2023/03/1020年近く前にストライプポイントを
ご注文くださったクライアントが、
「途中で使わない時期がありまして、
全部で10年ほど使ったでしょうか…
そろそろ取り替える時期が来ましたので、
同じバッグを作ってください。」と
ご来店くださいました。
「良いバッグを持っていると
自分の見た目がアップしますね。
人から、お、と見られます。
だけどおもしろいことに
私の業界では、どんなに良いと思っても
あの人が持ってるから、と
同じものを持つ人はいないですよ笑」
ご職種を伺いますと、
なるほど、さもありなん、です。
個性も大きくモノを言いそうです。
ストライプポイントは
すでに25年ほど定番としてありますが、
こちらのクライアントからは
「いまでも古いと感じないデザインで、
やっぱりこれが好きですね。
着物にも似合いますし。」
というご感想をいただきました。
着物にお持ちいただいているなんて…
すばらしい発想です。
私どもは、まさに
古びないデザインの革製品を
みなさまにお出ししたいと
常日頃から思っておりますので、
一流の仕事をする方から頂戴したこのご感想は
とても嬉しいです。ありがとうございます。
お店においでになる方とは、
その方の職種やお立場
場合によっては
どんな風なお仕事の仕方をしてこられたのか、
たまたまお話しに上ることもあります。
この方は若い頃、
ご自分が会社員のままでいると
特別なスキルが育たない、と思い、
では自分は何が好きか?
ということから始めて、
少し興味があった講座に参加した時
「自分はこれが好きだ。」と、
すぐにその道に入って行ったそうです。
勇気があります。
職業的には個人技の一種なので
どのように会得したかをお尋ねしますと、
ある時 師となる方に出会い、
しばらくの間カバン持ちをしていたとのこと。
当店の他のクライアントの中にも
そういう体験をした方々もいらっしゃって、
デザイナーはそういうみなさまを間近に見て、
「これはすごい勉強になるわ、うらやましい。」
と言うことが、何度かありました。
力量のある方のカバン持ちができれば、
仕事でその方が取る態度を
すべて見ることができますから、
普通の人からは見えない部分を含めて
学ぶことができます。
ただし、ハードです。
そのハードさに長年耐え、
自分の身に付けていければ
自分だけの技術が花開きます。
なんて…今どきこんなことを言いましたら、
ナンセンス、と
一笑に付されるかもしれません。
デザイナーがこのクライアントに感じた
「本物の仕事」は、
その仕事を極めたいという気持ちを持って
言葉の意味を考え、行動の意味を探り、
たゆまぬ努力をし続けたことから、
生まれ出ることができました。
こんな方にお持ちいただけるのは
ありがたいことです。
当店のすばらしいお客様のみなさまに、
あらためて感謝申し上げます。

ブルーのボディバッグ 21203
2023/03/08ダンディな男性クライアントからの
ご注文品です。
ボディバッグが欲しい、というご要望で
おいでくださいました。
素材の良いお召し物で
色合わせもステキで、
こういう方がお持ちになるボディバッグは…
と耳をそばだててお話を伺いました。
デザイナーはいつも
クライアントのみなさまの
服装や持ち物をさりげなく観察し、
「この方の好みはこうね!」と
イメージを膨らませるそうです。
洋服やメガネ、靴なども大好きな
デザイナーは、
店頭でクライアントのみなさまから
特別なものを見せていただく機会も多く、
自分自身が持っていなくても
たくさんのことを知っています。
美意識の高いクライアントが多い当店では、
製作現場で侃侃諤諤の検討が
いつでも行われています。
それはたいてい
どこにも無いものを作ることから起こり、
その場になって
「あれ?これはこの方がいいのでは?」
ということや、
「ここはご指定通りだと
製作することができない!」という
エマージェンシーまで
毎回毎回恐ろしいほどの数の
検討事項が出てきます。
みなさまのオーダー品は
傍からそのように見えなくとも、
そうした血と汗の結晶です。
40年以上の間、初めて作る
オーダー品を作り続けてきましたが、
その経験を持ってしても
世の中に出ている製品すべてを
網羅することはまだ出来ていません。
フルオーダーメイドを始めた当初は
そこまでの広さとは気づきませんでしたが、
いまでは、
自分たちは何と長い旅に出てしまったのかと
いうことが、よくわかります。
こちらのオーダー品も、
かなりの紆余曲折がありました。
ご希望いただいた形はなぜ存在しないのか?
それがよくわかりました。
製作途中でクライアントにご説明し、
ご理解を得たことで
使いやすい形にすることができましたが、
クライアントの方が
私どもと同じ方向を向いてくださり、
製作に対してご協力くださったことで
作ることができた例です。
このたびはありがとうございました。
ピックアップ時に気に入っていただけて、
とても嬉しかったです。
長くお使いいただけることを
心より願っております。

札入れ部分の深い二つ折り財布 21111
2023/03/07プレゼントとしてご注文いただいた
二つ折り財布をご紹介します。
たまにご注文いただく財布の中に、
札入れ部分の深いタイプのものがあります。
上のお写真をご覧いただきますと、
札入れ部分がどれくらい深いのか
お分かりいただけると思います。
持っているのは女性で、
大き目の手の持ち主です。
これだけの深さがありますと、
タテ入れのカードは4枚入ります。
4枚くらいでしたら
カードの重なり部分が少ないですから、
出し入れもスムーズに行うことができます。
札入れ部分が深いということは、
人から中身を覗かれる心配がない、
ということ。
思った以上にお札の枚数を入れても、
これくらいの深さがあれば、
財布の厚みも、薄く見せられます。
もう一つ、このタイプの財布の良いところは、
小銭入れをこの方向で付けることによって
入り口が広くなり、
小銭の出し入れがしやすくなること。
このお財布が、使いやすくて離し難い、
と思っていらっしゃる持ち主の
お気持ちがよくわかります。
ステキなプレゼントですね、
ありがとうございました!
相手の方に長くお使いいただけることを
願っております。

バーガンディカラーのコードバン製社員証入れ 301N
2023/03/04メールでご相談いただきました
社員証入れをご紹介します。
今回のリクエストは、最初
この定番カード入れから始まりました。
これをコードバンで作りたい、
というご依頼内容です。
メールでご相談いただく場合、
革素材の違いからくる
作り方の違いについて
ご説明することがありますが、
今回ご指定いただいた形は、
コードバンで作ることはできません。
理由は、牛革とコードバンとの
革の特徴の違いによるものです。
外に見える形としては、見る人によっては
「どこが違うの?」程度のことに
思われる方もいらっしゃいます。
しかし製作する側からしますと、
製作方法が違うことになりますから、
それは「定番」ではなく
「フルオーダーメイド」となります。
このような、作る人と
使う人との理解の仕方の違いは、
こんなにシンプルに見えるアイテムにも
間違いなく存在しています。
私どもでは、みなさまからの
さまざまなご要望に対して、
出きる限り最上の内容でお応えすることが
一番の仕事と思っています。
そのため、どんな種類の革でも、
その時存在する色であれば
最高品質の革を入荷します。
金具などが必要であれば、
丈夫で
ご希望に沿えるデザインを選ぶことが
もっとも大切なことととらえています。
すなわち、フルオーダーメイドとは、
どれだけパーソナライズできるか、に
特化する仕事だと理解しています。
そのような仕事では
小物で、シンプルなデザインであればあるほど
ごまかしが利きませんし、
同様に、細工の複雑な小物ほど
実際の製作は難しくなっていきます。
今回のように
一見難しくも何でもなく見える製品でも、
コードバンという素材の扱いにくさによって
さまざまな紆余曲折が出てきます。
取りにいらしたクライアントは、
「こんなに美しく作ってくれたんですね!」
と最高の言葉を送ってくださいました。
面に漉きの段差もありませんし、
ご希望通りのぴったりサイズであることを
きちんと理解してくださいました。
ありがたいことです。
長くお使いいただけることを願っております。
このたびはありがとうございました。

とびきりきれいな懐中時計ケース 30201
2023/03/02これはもう、説明なしに
ただただご覧いただきたい、
きれいな懐中時計とそのケースです。
最初に少しだけ説明させてください。
このタイプのケースは
ぴったりサイズでお作りすることが
必須のアイテムです。
そこでご紹介するのが
本番を作る前のダミー製作。
スズランのようなきれいな形を出せるよう、
いくつか作ったダミーを元に
型紙を仕上げていきます。
こういうぴったりサイズ製作においては、
中身をお借りすることができることが
一番ありがたいです。
どうしてもお貸しいただけない場合、
こちらで中身に準ずるものを作って
撮った写真と照らし合わせつつ仕上げたり、
その場で1時間ほどお時間を頂戴して
型紙だけを取ってしまうこともあります。
簡単そうに感じるかもしれませんが、
熟練した技術者にしか
この作業をすることは出来ません。
とにかくきれいな懐中時計です。
職業柄腕時計をすることができない
クライアントのため、
懐中時計をお使いになるそうですが、
このたび
お気に入りの懐中時計を見つけたとのこと。
こんなにキラキラしていますと、
ケースをつけたくなるお気持ちもわかります。
持っているだけで気分が上昇します。
お渡しの時
「こんなにぴったりにできて、嬉しい!」と
お言葉を聞けましたから、ほんとに良かったです。
「じつは今年の干支の
ウサギの根付けを見つけて…
着物の時にはこの根付けに付け替えて
持とうと思っているんです。」
かわいらしいウサギに見えますが、
(たしか)サイの角で作られていて、
もしかすると勇猛なウサギかもしれません。
最初は少しきつめに感じますが、
使っているうちに
ちょうど良い大きさ感が出てきます。
スパッと入ってスパッと出せる、
手に響く持ち心地があります。
革のケース類は
そんな大きさでお作りすることが
最上の気持ち良いケースとなります。
今頃は毎日懐中時計とともに愛でてくれて
いらっしゃると思います。
どうぞ末永くよろしくお願いいたします。