実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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新店舗の床張り
2025/01/22さて新店舗は、内装の進捗です。
こちらは先週末のお写真。
下のお写真は
店舗部分の床が全部張れて、
最後の面のカバーをかけるところです。
アンティーク加工をしている木板は
ところどころキズついたり、と
まるで以前どこかで使われていたような
感じに仕上がっています。
リアルにこうした材料を作るのは
大変なことと思いますが、
一気に雰囲気が出るのが、すごいところ。
大変な作業を行う意義を感じます。
下のお写真は、これから張るところの
アトリエの床部分。
左のお写真のように広い面積なのに
板の幅は3.5センチ程度…
見本で見た時には10センチ近くの板だったので
店舗と同じくらいの時間で張れる
と思っていたのですが、
実物はこんなに細い、これは大変です。
これから4人がかりで張っていくとのこと。
ありがとうございます。
建築業界でも職人は少なくなっていますが、
こんな話を聞きました。
10年ほど前のことです、
新しい人に辞めてもらっては困るので、
ある年配の親方は
働いている人にとてもやさしく接して、
重い荷物は自分で持っていた、という話。
職人の世界は
10年やってプロのスタートラインですから、
今はなかなか育ちきる人が少ないそうです。
でも、でも、競争の少ない業界なら
仕事が来るか来ないかなんて、
心配する必要がありません。
考えながら覚えていくのは楽しいですし、
悪くない仕事と思います。
モノづくりを仕事にして見ませんか?

始まりは2002年の長財布、長くお使いいただいた革小物たち
2025/01/21「ずっと忙しくて来られなかったですが、
昨日からそろそろキーホルダーを作りたいな、
という気持ちが沸き上がってきて…
ここのオーダー品はすべて、ずっと使ってます。
良いお品を長く使いたくて
初めてこちらへ来てから、
もう20年以上になりますね。」
ありがたいことです。
*2002年に初めてお作りした長財布
「この長財布が最初だったんですよ。
とにかく手触りが良いし、使いやすくなって。
まだまだ大丈夫です。」
という流れから、
ご来店日にお持ちになっていた
バッグの中の小物たちを全部
お見せいただきました。
*2010年までの間にお作りした
小銭入れ(左)と箱タイプのペンケース(右)
*左は2010年のスィーベルポーチ
右は2013年にお作りしたミニ6穴システム手帳。
「これがないと生活できません、文字通りの
意味で言っていますよ。」
どれを見てもツヤツヤで
ツルツルの手触りが気持ち良い
革の仕上がりです。
よくぞここまで大事になでてくださいました、
ありがとうございます。
柔らかくふっくらした革ですが、
使う時に手で撫でていただくと、それだけで
表現する言葉を見つけられないほどの
経年変化を見せててくれます。
また変化は、
見せてくれるだけでなく、
これに比類する触り心地も
未だに思い浮かべることが出来ません。
*スィーベルのオイル入れ後。
どの小物にも様子を見ながら
オイル入れをしましたが、
ここまで手触りが良いと、
却って人工的にオイルを入れる必要も
なさそうでしたから、
ほんの少しだけ、という感じです。
当店では、
それぞれの革の様子を見ながら
一つひとつに合わせた手当をします。
これが大事なこと。
人の皮膚と同じで、
どれも同じ手入れをすることはできません。
ポーチの中までお見せいただいたのですが、
毎回驚くのが、
当店オリジナルナイロン地の強さ!
おまけにまだまだきれいです。
使う方の使い方もあると思いますが、
丈夫さはかなりのものです。
「良いモノを長く使いたいので、
こちらでお願いするんですよ。」
嬉しいです。
このように、お持ちくださっている方の
ご来店で知ることのできる
オーダー品のその後は、
とても励みになります。
これからもよろしくお願いいたします。

ハイブランド革のファスナー二つ折り財布 40905
2025/01/19たまたま遠方からおいでくださる
お二人のクライアント。
このお二人の組み合わせなら、東京を
存分に愉しまれることでしょう。
お写真からご紹介させていただきます。
*お渡しした瞬間から使ってくださいました。
海外ではジャケットの中に入れて使うそうです。
海外においでになる時に使いたいから、と
オーダー例をたくさんご覧くださって
この二つ折り財布の使い勝手が合っています、
とリクエストをいただきました。
ありがとうございます。
日本は安全で、スリなど
神経質に気にする必要はないですが、
海外ではまずそれを考えてから
出かける必要がありますので、
首から下げるストラップを付けたい、
というご要望もいただきました。
ストラップは、壊れにくいように
財布の根元に取り付けたDカンから
吊るすようにしています。
ストラップの長さは、
現物に近い大きさの製品を首にかけて
ご確認いただき、
どのくらいの長さが良いかを
決めていただいています。
小銭は見やすいよう、
ハコ型の小銭入れです。
札入れ部分は
二か所に分かれていますから、
円と、出かけた国の通貨を
入れることができます。
財布全体を
ファスナーで閉じたタイプですから、
お金がこぼれることもありません。
またこのストラップは、
首から下げるだけでなく
ベルトに付けて
前ポケットにしまうこともできます。
前回ファスナー長財布をお作りした方ですが、
それを気に入ってくださってのご注文です。
このようなご注文は特にありがたいです。
*実際にこのようにお使いになります。
海外においでになる理由は
お仕事なのですが、それも
日頃の優秀なお仕事の結実として
おいでになっているご様子。
すばらしいことです。
お二人のますますのご活躍をお祈りします。
このたびもありがとうございました。

ゴート(山羊)革のビジネスバッグ 51110
2025/01/17シックでおしゃれな方がおいでになりました。
ご自分で描いた絵をお持ちです。
ご希望内容も箇条書きで書いてあり、
それだけでほとんどのことがわかりましたから
短時間のご相談となりました。
ありがとうございました。
ここまでわかりやすい絵を頂戴することは
めったにりませんから、
デザイナーも製作者も驚いていました。
ついついご職業をお尋ねしましたら、
プロの漫画家さんでした。
しかも、説明漫画を描いていらっしゃる
ということで、なるほどのすばらしさでした。
世の中にはたくさんの職種がありますが、
当店店頭は、珍しい職種の方が度々いらっしゃる
楽しい職場だと、あらためて思います。
さてでは本編の
こちらのバッグについてお書きしましょう。
ご依頼者はある程度の年齢の女性なので、
「軽いと嬉しいです。」とのリクエスト。
そこで形と使い方を伺ったデザイナーが
お薦めしたのは、ゴート(山羊)革です。
当店で使っているゴート革は
シュリンクタイプと言いまして、
薬剤を使って革をシュリンク(縮こまらせる)
させたものですから、
革肌のキメがしっかりしています。
そのため、薄いですが丈夫、というわけ。
薄いこともあり、かなり柔らかですが。
それではなぜそういう良さげな革が
市販の量産品には少ないのでしょう?
昔、たまに見かけるゴート革のバッグは
たいていがグダグダに柔らかい、
形があってないような袋タイプでした。
その他ですと、巾着タイプだったでしょうか。
ない理由を結論から述べますと、
ゴート革はとにかく、製作しづらいのです。
とても柔らかく、
そのうえ伸びやすい革ですから、
製作にはたくさんの注意点があります。
今回の鞄のように
きれいに形を取ろうと思ったら、
牛革の何倍もお手間がかかります。
また革の大きさですが、
牛革の半裁(通常の1枚革)1枚の
1/3くらい、と小さめの革です。
革の大きさと言えば、
同じような小ささだと、ラム革もあります。
ちょっと横路に逸れましたね…
小さい、ということは
パーツの取り都合に限界がある、
ということになります。
特に長いパーツ。
そんなわけで、
革の伸び具合と取り都合との
両方を考え併せる必要があります。
なるべく捨てるところなく
1枚の革を使うことは、
革になってくれた動物に対する礼儀です。
また、捨てるところを少なくすることは、
エコ活動の基本でもあります。
上のお写真にあるスマホポケットは
現在使ってらっしゃるバッグに付いていて、
使い慣れている、とのことで
同じ形にしました。
でも現在のポケットの大きさには
不満がありましたから、
そこは気持ちよく使えるサイズに
変更しています。
サイズはご指定いただかず
こちらでお決めしましたが、
ばっちり気持ち良いサイズで上げられました。
ご注文いただく時に大事なことは、
使ったことのない仕様を入れ込むと、
それが
自分にとって使いやすいかどうかが
想像つかないことがあることです。
ですから、
「使って良いから」という感じを
お持ちになった仕様を元にしていただくと、
間違いないです。
お受け取り時に
「うわあ、いいですね、とても軽いですし。」
と笑顔を見せてくださいました。
「今日から使っていこうと思って」と
紙袋でお荷物をお持ちくださって、
すぐに入れ替えてくださいました。
シックないでたちにもお似合いのバッグです。
これが嬉しいですね!
このたびはありがとうございます。
軽いですし、丈夫で長保ちしますから、
長きに渡るパートナーになってくれると
思います。
お仕事、頑張ってください。
この鞄がご注文者のお身体をいたわって
働いてくれるよう、願っております。

6年もの、黒のゾウ革ファスナー長財布
2025/01/14黒のゾウ革を使うとどうなるか?
ご来店くださったご依頼者から
お話を伺ってお写真を撮らせていただきました。
ああ、それなのに…
いろいろ慌てていたため
お写真は最悪かもしれません、
お許しください。
表面・裏面と拝見しますと
とても良いテリが出ています。
「黒」という単純とも思えるお色なのに、
透明感のある深みが出ていることが
興味深い経年変化。
タンニン鞣し+水染めで仕上げた革だけの
すばらしい特長です。
そこをカメラで捉えたかったのですが、
なかなか難しかったです。
「このゾウ革の手触りというのが
独特で、とても気持いいのです。
それで使うたび触っているんですが、
この触り心地があると、落ち着きます。
慣れてきたんですかね。」
うつくしく経年変化したお品にも拘わらず、
ちょっとひどいお写真だったので
お出しするのをためらっていましたが、
こんな写真の中からでも
すばらしさの片りんを見つけて欲しいと、
恥を忍んで掲載することにしました。
ご笑覧ください。