実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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当店というお店への一般的な解釈のお話
2025/12/01
先日おいでくださった
あるクライアントとのお話には
興味深い内容がありました。
それも、私たちにとって
嬉しいお話でしたから
ちょっと書かせてください。
この方とお話ししてましたら、
当店をよく知らない方々が、
オーソドキシーって
どんなお店と思っているか、
という話題になりました。
個人店である当店に対して
一般的に使われがちな言葉は、
「手作りのお店」
「レザークラフト店」です。
しかし私たち自身は
それとはまったく違う認識で、
みなさまからの
ご注文をお受けしています。
量産品からオートクチュール、
さらにその上の
フルオーダーメイドを
網羅しているハイブランド店を
例にとりますと、
顧客それぞれに対して
デザイン提供する
フルオーダーメイドは、
最上顧客に対するサービスです。
ですから当店は、
量産品部門を持っていない
ハイブランドのようなお店。
私たちは、
フルオーダーメイド品と
個々のオートクチュール品は、
ハイブランド製品と同様に
顧客に合わせて
一点一点デザイン提案をし、
ひとりの技術者が作っています。
今回のクライアントは
それをご理解くださり、
実感あるご自分の言葉で
表現してくださいました。
ありがとうございます!
以下は、
その方がお話くださったことです。
************
私は、この店はね、
私たちがほんとに欲しいものを
ステキにまとめてくれたうえで、
ブランド品の品質で
作ってくれるお店なんだ、
と思っています。
だからよくある
「手作りのお店」という表現は、
この店とはぜんぜん違うものだ、
と思います。
きれいでカッコいい革製品を、
自分の思うような使い勝手で
持ちたい、という人は
きっとたくさんいると思います。
この本カバーなんかは
もう12年ほど使ってますけど、
こんなに使ってるのに
まだまだ使えますから、
お値段的にも決して高くないです。
自分でこの仕様を考えるのに
3年ほどかかりましたけど(笑)。
*読みかけページが
すぐに開けるギミックが、
左の見返しに!
あともうひとつ、
私、ここに来て、
アッと思うことがありました。
それは、相談に来て、成り行きで
ここで作った持ち物を
お見せすると、
「色ケアしましょうか。」などと
必要なケアをしてくれること。
*端処理の色を、待ち時間で
補色してみがきました。
高校生の頃、お友達の中に
ハイブランド店に
行きつけの友人がいて、
ある時一緒に
そのお店に入りました。
すると、店員さんが
「お手入れしましょう。」と
目の前で鞄を磨いたんですよ。
他所のお店でそんなところを
見たことがなかったので、
「ブランド店って
特別なんだな。」
と鮮明に覚えていました。
でもここへ来ると、同じことを
してくれるじゃないですか。
しかも、店員じゃなくて
製作者であるプロが。
気が付くと、
自分もそういうお店の
常連なんだな、と思って
嬉しくなります。
************
このように感じていただけて
とても嬉しいです。
またこのように、お気持ちを
ご自分の言葉にしてくださった
ことに、感謝申し上げます。
ありがとうございます。
大切なひとり一人のみなさまに、
それぞれの理想を載せた
お品物をお作りするのですから、
毎回できる限りのことをしたい
と思っています。
アトリエですぐにできる
必要なケアがあれば
技術者が行いますから、
お待ちいただく間にできます。
店頭においでになったらぜひ、
お作りした製品を
お見せくださいね。
大きなガーメントバッグの出来上がり 508N
2025/11/29
よくおいでくださるご依頼者から
ガーメントケースを
ご注文いただきました。
以前ご紹介した記事の
出来上がり品です。
現在お使いのバッグが小さく、
中に入れたお召し物が
シワになってしまうことで
ご依頼いただきました。
お客様は以前から、当店特製の
ルバルを気に入ってらっしゃり
今回もルバルでお作りします。
ヨコ幅が57センチ
という大きさですから、
普通の革製の作り方にすると
かなり重くなってしまいます。
ですから、軽くするために
ここで何g、あそこで何g…
というような様々な工夫をして
仕上げました。
これなら、何歳になっても、
持ち歩く時の「重いなあ…」
という感覚を軽減できます。
また、ガーメントバッグには
ハンガーを吊るす部分に
いろいろなタイプがあります。
大きさ見本をお持ちくださり、
それを使い慣れているご様子
でしたから、今回は
見本と同じ作りにしました。
当店ロゴの入ったナイロン生地は
通常なら、1枚そのままで
トートバッグとして製作され
販売されるほど丈夫な生地です。
ですから、
この部分だけをとっても
しっかりしていて長保ちです。
市販の製品ですと、
外の革が長く保っても
中から崩壊してくるものが
ほとんどです。
内側のふたつの大きなポケットは
靴を入れるためでしょうか。
大きめで厚みがあります。
スーツからシャツ、併せて
靴まで持って行ければ、
現地で着替えるには
とても便利です。
デザイナーは
「その人その人の必要が
ひとり一人に適した製品を
産み出していきます。
ご依頼者には、使う場と
どのように使いたいかを
考えていただき、
それを伺ってご提案するのが
うちのデザイナーの仕事です。
これぞ真の
”コラボレーション”ですよね。」
毎回
興味深いテーマをくださる
みなさまに、感謝!
20年前のA7手帳のデザイン 510N
2025/11/27
ご紹介するのは、20年以上前に
”超整理手帳、A7メモ帳”用に
デザイン提案した、メモカバー。
何年も作り続けた
超整理手帳カバーでしたから、
仕様はほとんど変えずに
革やデザインを変えることで
新鮮さを保っていました。
そんなわけで珍しく、
デザインのためのデザインを
してみました。
こういうことは滅多にないので、
少し気恥ずかしさもあります。
ネイビーの本体なので、色的に
映える、白と赤を合わせています。
柄は何となく、
1、2、1、2、…というイメージ。
この時頭にあったのは、
紙の手帳という
”存在”そのものでした。
というのは、このころ既に
仕事で
長くお付き合いしてきた
IBM社のPC部隊はほぼ解散状態で
レノボに移る直前でしたから。
PC自体安価になってきましたし
ソフトもだんだんと
進化し始めてましたから、
スケジュールを紙に書くのは?
という気持ちもありました。
新しいものに直ちに移行する方も
少なくありませんが、
その中でこの”超整理手帳”の
大きなブームがありましたから、
両雄相立つ、という時代でした。
そんなわけで、
コンピューター的なイメージを
この手帳に出したいと思って
起こしたデザインです。
デザイナーは、
「ノートPCが
どんな歴史を刻んでいき、
手帳がどんな風に変わっていくか
とても興味深い
ふたつの例を目の当たりに
見ることができました。
物事の始まりから収束までを
こんな近くで見られることは、
貴重で
すばらしい経験でした。」
その中で、このように
脈々と生き残るものがあります。
このたびも
ありがとうございました。
外ポケットの使いやすいノーブルなハンドバッグ 50903
2025/11/25
街では近ごろ
小さめのハンドバッグを
ショルダーバッグにして
お持ちになる方を、
見かけることが増えました。
たしかに可愛くて
きちんとした印象もありますから
持ちたくなる気持ちはわかります。
デザイナーは
スマホも入らない大きさの
ハンドバッグを見た時、
「あれだけ小さいと
もはやアクセサリーですね!
そのつもりで持つならいいけど、
バッグなら
やっぱり持ち物が入って欲しい。」
と言っていました。
そこへこのご依頼です。
ご依頼者はお嬢様なムードの
上品な方。
こんなイメージで…という
イメージをお話しくださって、
それに基づいて
こちらでデザインしました。
金具もすべて
お選びいただいています。
ご要望の中には、”使いやすく”
というのもありましたから、
デザイナーは張り切っています。
「小さいサイズだからって
口が開きにくいのは
出し入れしにくくてイヤだし、
ショルダー紐が
フタのラインを崩すのもイヤだし、
後ろポケットに
スマホ入れにくいのもヤだし…」
などなど、
硬いハンドバッグにあるあるの
使いにくさをクリアしたいと、
いろいろな工夫をしています。
おそらく、お使いいただいて
いちばん驚かれるだろうことは、
後ろの外ポケットと
前ポケットにモノを入れた時、
バッグの形が崩れないこと。
当店製品を
初めて使う方にとっては
これが当たり前ですから、
とくに他のハンドバッグと
比べることはないでしょうが、
使いやすさにもっとも影響する
このふたつのポケットが
使いやすく、かつ見た目が
キレイなハンドバッグは、
かなり少ないと思います。
全体のラインもフタのラインも
少し丸っとして可愛げある
バッグは、
ノーブルなお色と金具使いで
カワイイとキレイとが
バランスよくなります。
バッグの自重も軽いですから、
長くお持ちいただけます。
デザインのためのデザインの
バッグがたくさん出ていますが、
必要な要素をきちんと持った
シンプルなデザインは、
永遠にお持ちいただける
エバーグリーンなバッグに
なってくれます。
この方が年を経てなお、
まだお持ちくださることを
心より願っております。
このたびは
ありがとうございました。
A5システム手帳、リング径30ミリ 509N
2025/11/23
ご来店できない遠方の方から
お電話を頂戴しました。
「A5のシステム手帳を
作ってもらいたいですが、
好きな形で作れますか?
来店はできないです。」
ここでお知らせですが、
6月のブランドサイト改変から、
お問い合わせメールに
写真添付が
できるようになりました。
説明のための簡単な図や
実物写真など
添付が簡単にできますから、
ぜひお使いください。
*画像がなければ、
欲しいものに近い製品URLを
お知らせいただくのでもOK。
初めてのお電話では
仕様がわかりませんでしたから、
A5システム手帳の
最低金額をお知らせしました。
「どんなものが欲しいか、
考えてから連絡しますね。」
ということで、その後
この方から欲しい形の図を
お送りいただきました。
分かりやすい図でしたから、
まずご希望に沿った内容で
お見積もりをお出しし、
そこからさらに詳細の
聞き取りを進めていきます。
電話でお話しできましたから、
お声や、話の内容から
”こんな方ね”という
全容も見えてきました。
このようなコンサル状況ですと、
最終的にご依頼者から出てきた
「色で迷っていますが、
これとこれ、どちらが私には
お薦めですか?」
というご相談にも
即座に答えることができました。
今回は
不惑の年齢になるご依頼者が、
節目の記念として、またその後
10年の目標をお持ちなことが、
ご注文に繋がっています。
この仕事をしていますと、
それぞれのご注文者が
どんなお気持ちで、
フルオーダーメイドという
特別なシステムをお選びになるか、
を知り、身の引き締まる思いを
することが多々あります。
もちろん当店には、
革製品が大好きで、
当店製品のデザインの方向性を
気に入ってくださる方もいる、
そのことは最大の心の支えです。
そうした方々が、誇りを持って
お持ちいただけるものを
お作りしたいと、
つねに努力しております。
フルオーダーメイド製品は、
周りの人にとっては
個々のご注文者を
表現している持ち物であり、
ご依頼者にとっては
うきうきしたり、
初心を思い出したり、
撫でて気持ち良いと感じたり、
時に慰めとなりながら
一緒に時を過ごすバディです。
みなさまが
私たちの製品と良い時を
お過ごしになることを、
心から願っています。




























