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革を育てたい方からのご注文、ヌメベージュの聖書カバー 40502

革を育てたい方からのご注文、ヌメベージュの聖書カバー 40502

2024/07/28

聖書カバーのご注文もしばしば頂戴します。

今回はお着物姿もこなれた

大和撫子からのご注文品です。

 

ご注文時もピックアップ時も

お着物でおいでになったので、

聖書カバーとの

ミスマッチイメージが印象的。

 

 

 

 

 

 

「親戚の中で私だけが着物を着るので、

みんなが着物をくれて…

それで着てるだけです。

命あるものを使いたいですから。」

 

嬉しいです、私どもの考えと同じです。

今はモノがあふれていますから、

みなさまに必要なお品をお作りしたい、

また、長くお使いいただきたい、

と思っております。

 

ですからオーダー品のご相談でも、慎重に

さまざまな方面からのご質問をして、

最終形をお決めいただいております。

 

 

 

 

 

 

お選びになったのはヌメのベージュ。

最近革の製法を変えて、昔のような

白っぽいベージュに変えたばかり。

とてもきれいなお色です。

 

ただし…革を育てていただくには

少しだけ覚悟がいる革の色かもしれません。

 

なぜかと申しますと、よく触る部分は

指の後が色濃くなりやすいので、

気づいた時にはいつも

全体を撫でてあげて欲しいからです。

 

すりすり、すりすり、と

お持ちになっている時

全体を撫でて可愛がってあげますと、

それはそれは美しく育ちます。

「愛」が革を育ててくれます。

 

 

 

 

 

 

 

このお手入れのお話をしますと

「あ、止めます。」

という人も少なくありませんが、

この麗人は「育ててみたいです。」と

にっこり微笑んでくださいました。

 

お着物を大事になさって

どんどんお召しになるのと同じように、

きっと優雅な動作で、このカバーも

どんどん撫でてくださることでしょう。

 

 

 

 

 

 

この聖書カバーには

どこにも革の接ぎ目がありません。

現在の原皮の状況で、

このようなベージュの革を作り、

継ぎ目のない大きめの製品を作ることは

とても困難です。

 

それだけに、

「革を育てたい」という方に

お分けできたのは、

なんとも嬉しいことです。

 

何かわからないことが起きましたら、

いつでもご相談ください。

永くお愉しみいただけるよう、願っております。

この度はありがとうございました。

 

 

入れるものが同じ、目的も同じなのに、サイズの違う長財布2種 407N

入れるものが同じ、目的も同じなのに、サイズの違う長財布2種 407N

2024/07/26

「いつもどおり”おまかせ”で

お願いします。」

長いお付き合いのクライアントから

長財布をご依頼いただきました。

 

前回お作りした財布

そろそろくたびれてきたようです。

この男性は見かけによらず

扱いがかなり荒い方なので、

よく保ったと思います。

 

当店で「おまかせ」とおっしゃる方は、

ポイントを押さえて説明くださり、

その他はおまかせ、となります。

 

 

 

  

 

 

 

前回は、なるべく小さく作ってください、

というご要望がありましたから、

もっともコンパクトサイズでお作りしました。

 

今回は「もう少し大きくしてください。」

というご要望を頂戴しました。

年齢が上がることで

手の動きは変わってきますから、

そろそろもう少し大きい方が良いようです。

 

さてここで、

このブログをご覧になっている

みなさまは、なぜ2枚のお写真が

並んで紹介されているのか?

不思議に思ってらっしゃることでしょう。

 

それこそが今日のテーマです。

これこそが、今回の「おまかせ」の

もっとも難しいところでした。

 

 

 

  

 

 

 

この2点は

同じご希望品にもかかわらず

大きさが違うため、具体的に

比べやすい例ですから、

解説付きでご紹介します。

 

同じ素材で作ったふたつの長財布を

比較しやすいよう並べましたので、

拡大してご覧ください。

 

どのように作れば

なるべく小さくて、しかも

札の入れやすい長財布にできるか、

考えた結論がこの2種となりました。

 

出来上がりは甲乙つけがたかったため、

ここから先は

クライアントにお選びいただくことに

しています。

 

左の長財布、カード入れは左右各5枚、

左側の札入れ部分には

40枚の新札が入ります(この方は現金派)。

畳んだ時のサイズは

ヨコ幅が約10センチくらい、タテ幅は

札を入れやすい長さにしています。

 

右はお写真でご覧いただけるように

左側と仕様は同じですが、

ヨコ幅、タテ幅の長さ、ともに

左の財布よりも小さくなっています。

それがなぜかは、

お写真から想像してくださいね。

 

 

 

  

 

 

 

今回は「おまかせ」部分が、

製作上の一番の肝となっています。

 

一体どちらの大きさを

より気に入ってくださるでしょう?

手で扱う製品に対して、

人の感覚はさらに微妙になります。

 

こんな時、私どもは、

考え得るタイプをすべて、俎上に載せます。

そして、ご依頼者の年齢や

さまざまな雰囲気から、

どれがベストな案か、検討を重ね

決定・製作していきます。

 

顧みますと、この作業は

すべてのご希望内容に対して

行っています。

 

これが、「見えない作業」で、

「もっとも大事な工程」となります。

 

理想のオーダー品を美しく作るには、

この「見えない作業」あってのこと。

とにかくいやというほどたくさん考えます。

夢に見たりすることさえあります。

 

解説、と思い書き始めましたが、

みなさまがお受け取りになるオーダー品は、

目に見える以上の「思考技術」を持って

作られているとご理解いただけば、

 

お手にされたときの喜びだけでなく

驚きも感じていただけるのでは、

と考えた次第です。

 

 

ストライプポイントバッグの肩掛けタイプ 40504

ストライプポイントバッグの肩掛けタイプ 40504

2024/07/23

ストライプポイントバッグも

人気の高い定番のひとつです。

今回ご注文いただいたサイズは

ヨコ幅45センチタイプ。

 

このバッグには2種類の大きさがあり、

小さい方は気軽に持ちたい方用、

あるいは小柄な女性に向いています。

今回は立派な体格の男性ですから、

大きい方の45センチ。

 

 

 

 

 

 

「ここに来るたび、

小さいサイズのこのバッグがあるのを

気になって見ていましたが、

いよいよ、持とうか、となりました。

 

こちらの製品はたくさん使っていますが、

今回は前回作ったトートバッグよりも

少したくさん入る鞄を、

という場面があり、検討することにしました。」

 

私どもの製品をたくさんお持ちの方は、

たいていの方が、入れる荷物量や

出掛ける場所を想定して

ご検討してくださいます。

 

そのような方々は、

どんなシチュエーションでも

快適にモノを持ち運ぶことができます。

すばらしいことです。

 

 

 

 

 

 

今回の、ストライプポイントを

肩から下げるようにしたい、

というご希望は初めていただきましたが、

とても美しく収まりました。

 

ほんの少し持ち手の付け位置を変え、

それが功を奏したようです。

出来上がった時、

アトリエの中で歓声が起きました。

「想像をずっと上回りました!」

 

 

 

 

 

 

お渡しの時、

「うわ、これもとても軽いですね。

それに、思ったより荷物が入ります。」

と、その場で

その日紙袋に入れてきたお荷物を

新しいバッグに入れ替えて、

さっそくお持ち帰りくださいました。

 

「晴れてる日に

持ち帰ろうと思ったので、

今日は紙袋に荷物入れてきたんですよ。」

 

こういうお気遣いをくださる方は

当店では少なくありません。

「紙袋ももったいないですからね…」

私どもに対してだけでなく、

環境へのお気遣いにもなり、ありがたいことです。

お持ち帰りになって

ゴミを出さずに済みますから。

 

 

 

 

 

 

さっそく

使い始めのご感想をくださいました。

 

************

ストライプポイント初日の感想を一言。

私には十分な容量が収納できる大きさ

にもかかわらず、とても軽いこと。

肩掛けベルトのフィット感は抜群。

良質な革の心地よい香り。

と言う事で、末永く使わせて頂きます。

ありがとうございます。

***********

 

いつもご愛用ありがとうございます。

こちらも末長くお愉しみいただけることを

願っております。

 

 

30周年を迎えた「革製品の製作スクール」での教え方

30周年を迎えた「革製品の製作スクール」での教え方

2024/07/22

当店が革の製作スクールを始めたのは

1994年。早いもので、丸30年経ちました。

 

途中、玉川高島屋のスクールなどでも

お教えしていることがありましたが、

下北沢、銀座と場所を変えて

スクールは脈々と続いています。

ありがたいことです。

 

 

 

  

*15年ほど前の生徒さんの作品

 

 

 

当店の製品製作方法は非常に複雑です

(だからこそ質の高い製品ができます)。

以前お書きしたように、当店の技術は、

一貫製作ができる人であっても、

一般的な技術の製品を長年作り続けた人では

なかなか習得することのできない技術です

(物理的な技術というより、

応用の利く考え方の技術、と呼ぶ方が

正しいかもしれません)。

 

そのベースとなる実技は、

当スクールですべてお教えしています。

 

プロになって販売できるようになれば…

と思って参加する方も少なくありませんが、

少し習った頃にはたいていの生徒さんが

「ムリだから、ゆっくりやろう」

とギアチェンジするくらい、難しいようです。

 

 

 

  

*生徒さんには男性も女性も来ています。

 

 

 

それもそのはず、当店のカリキュラムでは、

小物からバッグに至るまで

あらゆるアイテム製作をお教えしますから。

 

そして、製作品の中には毎回、

新しい技術が入れ込まれています。

 

アイテムによって

それぞれコツも違いますから、

ただただ「覚えよう」と思うだけでは

覚えきれるものではありません。

 

一つひとつの加工技術はすべて

意味のある行為ですから、

「なぜそうするか?」という理屈を基に

覚えていかないとキビシイ、と思います。

 

でもほんとに、

どんなアイテムでも、自分が望む作品を

作れるようになりたいと思ったら、

これ以上のカリキュラムはありません。

 

 

 

  

 

 

 

スクールからは、何人かプロになって

仕事をしています。

また教室からではありませんが、

お店で基本から教え込んだ職人たちは

何人も活躍しています。教え方はみんな同じ。

 

当スクールでは、

プロになりたければなれてしまう技術を

お教えしています。

 

また趣味としても、

自分の作りたい形を作れるようになります。

他のスクールではありえないことです。

 

 

 

  

*掲載作品は、どれも違う生徒さんの作品。

 

 

 

デザイナーは先月まで

イタリア語を習いに行っていましたが、

「いやあ、5期目で、もうついてけません。

覚えることが多すぎて…」

と、しばらく自分で文法を整理し、

覚えることに集中することにしたようです。

 

おそらく

当店の教室もそういうことでしょう、と

デザイナーは、身に染みてわかった、

と言っています。

 

「イタリア語はね、4期習ったから

何となくの全体像が見え始めました。

習ったところまでだったら、

客観的にとらえて自習できそうなの。

で、ここをある程度覚えたら

あとは楽に進みそうな気配があるのよ。

 

この習い事の経験をしたことで、

どうして他社のスクールで教えるのが

特定種類のバッグに限られていたり、

材料を用意して、それを合わせるだけの

短時間教室が多いのか、よくわかった。」

 

 

 

  

 

 

 

「混沌と見える中を手探りで進んでいくより

(でもある時ぱっと開けるのだけど)、

比較的簡単に

最初から作品を完成できる方が、

習っている人にとっては達成感があるからです。

 

それと、まず元々の話だけど、教える側が

単発テクニックしか持ってなければ、

広い意味での全体像は教えられないのよ。

 

そういえば、まず最初に、

そういう複雑なカリキュラムを

簡潔に適正化するのは、大変だったわ。

 

根本的に、自分の作りたいものを作る

ということであれば、

うちのスクールの教え方は

ベストのひとつの方法だと思います。。

 

うちは講師が細かくサポートして

ひとつのカリキュラム内で

好きなデザインで作品ができるから

生徒さんが続いて、

それぞれが大作を仕上げられるんだと思う。

見ていて、すごいわ、と思う作品が

けっこうあります。」

 

 

 

  

 

 

 

「イタリア語教室も、あの教え方だと

全体像が見えてくる手助けになります。

でも最初の何回かの混沌をアウトと思って

止める人も少なくありません。

それと、進捗が速いのでとても覚えきれない、

1回でも休むとわけわからなくなるし…

 

でもうちは生徒さんが休んだら、

次の回にその生徒さんを続きからお教えします。

そう言う意味では、イタリア語講座って

うちの革スクールよりハードル高かったかも。

 

でも要は、習う側がある程度の段階までは

適当にしのぎつつ、全体像が見えてきたところで

どこまで行きたいか、自分は何を目標とするか、

をきちんと考えるといいのかも。」

 

はてさて、果たしてデザイナーは

イタリア語を続けることができるか?

と店内で話題になっています(笑)

 

 

プレゼント品、7枚入るライセンスケース 40603

プレゼント品、7枚入るライセンスケース 40603

2024/07/21

7枚のライセンスを入れるための

ケースをご依頼いただきました。

 

プロパイロットとして

オールマイティになるための、

7つのライセンスの最後のひとつを

お取りになった方へのプレゼント

だそうです。

取得困難なライセンスなだけに

すばらしいプレゼントです。

 

 

 

 

 

 

ライセンスカードの大きさは

すべて違っていて、

ひとつだけ大きいものがありましたが、

 

ご依頼者とお話ししながら

合理的に考えて行くことで、

この形に収まりました。

 

 

 

 

 

 

四つ折りにしましたから、

収納ライセンスの数が多いにしては

コンパクトに収まっています。

 

そして、ひと目で

どのライセンスも見せることができる

ケースになっていて、

 

それぞれの面がしっかりしていますから、

持ち運び時もヨレませんし、ぱっと

目的のライセンスにアクセスできます。

 

 

 

 

 

 

折り畳み面を一回開くと(上のお写真)、

ライセンスはまだ見えません。

 

もう一度、まず左側を開きますと、

下のお写真のようになります。

一番上のお写真は、全開時のものです。

 

すべてのライセンス取得を完了するのは

大仕事だと存じますが、

こんなライセンスカバーで

お祝いしていただけるとは

なんとお幸せな方でしょう。

 

また、このようにリアルに

すべてのライセンスをご覧になることで

きっと、「よくやったなあ…」と

しみじみ実感できるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

このように大事な機会のプレゼント品を

頼んでいただけることは、

私どもにとっても嬉しいことです。

 

みなさまのますますのご発展を

心よりお祈り申し上げます。

 

 

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