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広がり幅を変えたファスナー長財布 40428

広がり幅を変えたファスナー長財布 40428

2024/06/25

続く時は続くもので、ブラックの

シャインタイプ、クロコダイルで

ファスナー長財布をお作りしました。

 

こちらのクライアントとも

クロコダイルの斑柄のお話をし、

やはり小さめの斑柄をご希望でしたから

革を見に行き、最終的には

「ナイル」クロコダイルになりました。

 

 

 

 

 

 

お札が折れないように入って欲しい、

というご希望でしたから

マチの広さは今ひとつ広がらないのですが、

そのご説明を現物でできなかったため

実際に上がったところを扱っていただきますと、

「もう少し広く広がる方が良さそうです…」

という流れになりました。

 

 

 

 

 

 

デザイナーは、「では広くしましょうか。

ただ、これでマチを広くすると、

マチの折れ込んだところに

お札を入れるとぶつかることになります。

当初のご希望と相容れないこともあり、

少しお使いになってからの

ご決定になさいませんか?」

 

そのような経緯で

少しお使いいただいた後、

クライアントがお出しになった結論を

ご紹介します。

よくぞ考えてくださいました!

 

 

 

  

 

 

 

上のお写真が、マチ幅の狭い

当初に話し合った2部屋のお写真です。

 

下のお写真は改変後ですが、

3部屋にすることで

財布全体の広がりは広くなりました。

 

そうです、この方の解決策は、

「もうひと部屋作る」ことでした。

ふたつの目的を達する見事な改変です。

 

 

 

  

 

 

 

それぞれのお部屋の

マチの厚みは変えていませんから、

この3部屋のどこにお札を入れても

絶対にお札の端はぶつかりません。

これは、ご本人にしか決めることのできない

最上の解決策でした。

 

お渡し時に

「最高の出来でした!完璧です。

一生大事に使い、

自分なりに育てていきます(^^)」

と言っていただきました。

 

ご満足いただけるように収まって

ほんとに良かったです。

すばらしい最終決定を

ありがとうございました。

 

お使いいただいて何か起こりましたら、

いつでもご相談ください。

 

 

バイク用のアウトドアキーホルダー 40405

バイク用のアウトドアキーホルダー 40405

2024/06/23

当店製品を

たくさん使ってくださっている方からの

珍しいご注文品です。

 

雨にぬれても大丈夫な

革製ジーンズの端革と

既成のアウトドア製品とを

お持ち込みくださり、

頂戴したご注文です。

 

 

 

 

 

 

バイクに乗る方なので

こういう二又のキーホルダーが使いやすい、

というお話です。

 

既製品はアウトドア会社の製品で

よくできています。

ただ、カラフルな紐で編み上げた

カジュアルタイプなので、

それが好きでないとのこと。

趣味のいいクライアントですから、

おっしゃることにはうなづけます。

 

 

 

*実際にキーを付けたところの
お写真をいただきました。

 

 

 

そして、お持ち込みいただいた

革製ジーンズの切れ端ですが、

雨にぬれても大丈夫、という素材。

 

見た目にシックなで丈夫そうなのに、

さらに雨に耐性がありますから、

すばらしい素材です。

 

オリジナルキーホルダーには、

下のお写真のように

ときに取り外す必要もあるとのことで、

小さな取り外し用の金具がついています。

 

 

 

 

 

 

 

長いお付き合いをいただいていることで

さすがなのは、

「この金具を探すのが大変であれば、」

と新品のキーホルダーを

お持ち込みくださったことです。

 

このタイプの金具は

もっと幅広いものなら

ウエストポーチのベルト金具として

売られていますが、

これだけ細いものになってきますと、

もしあったとしても

心もとない丈夫さの金具だったり

しますから、お持ち込みいただけるのは

とても助かります。

 

 

 

 

 

 

作り始めましたら、

見本品があるにもかかわらず、

同じ作り方でお作りすると

素材加工に合わないところがありましたから、

細かい変更をしています。

 

たとえ完成品の見本があっても

同じ作り方で作れない、

というアクシデントも

よくあることですが、

こういう時、

素材をお持ち込みいただいたことで

製作だけに集中できるのは

とてもありがたいことです。

いつもお気遣いありがとうございます。

 

 

「革のゆらぎ」当店革製品のようなタイプが他にない理由 

「革のゆらぎ」当店革製品のようなタイプが他にない理由 

2024/06/21

さまざまな当店製品について

「どうして市販の製品には

御社のような製品がないんですか?

見た目に比べてずっと軽いですし、

使いやすいポケットも

良い位置にありますし。」

 

率直で素朴な質問として訊かれるのは、

とても嬉しいことです。

 

 

そこで、あらためて

量産品と当店オーダー品の

作り方の違いについて、

わかりやすくご説明しようと試みます。

これまでも

幾度となくその努力をしたのですが、

あまたの相違点に意気阻喪していました。

 

 

 

  

 

 

じつは今回は

基本的な型紙の作り方の違いについて

説明しようと書き始めたのです。

ところが、

その前段階から知っていただかないと

おそらくほとんどの方が

訳が分からないことになってしまうのに

気づき、さてどうしましょうか…と。

 

そこで、抽象的な内容になりますが、

量産品と当店製品との間に

画然としてある「ゆらぎの存在」について

書いてみようと思いました。

 

 

あえて「ゆらぎ」という言葉にしたのは、

製作方法の違いを具体的に辿って行きますと

数々ある根本的なことがすべて

その言葉に繋がったからです。

 

今回の「ゆらぎ」は「革のゆらぎ」です。

 

これを考えることによって、

なぜ当店で作っているような

ヌメ革のデリケートな製品が他にないか、

謎が解けるような気もしています。

 

 

 

  

 

 

さてでは、量産品の目的ですが、

これは、決まった形を、一定品質で

できるだけたくさん、短時間で作る、

ということ。

安価に提供するためです。

 

ところが当店のオーダー品は

(ここでは

再製作可能な定番オーダー品とします)、

該当製品を、なるべく美しく、軽く、

かつ丈夫に作ること、を目的としています。

 

*あくまでも「違い」であって
どちらが良いとか悪いとかの話では
ありません。

 

 

当店の製作方法そのままで

量産しようと思ったら、

「不確定部分=ゆらぎ」があり過ぎて

生産管理はおそろしく大変なものに

なってしまい、頓挫するのは確実です。

製作の基礎となる型紙製作法も、

その後の工程も、それほど違うからです。

そういう理由から、当初

型紙の製作方法について

お書きしようと思っていたのですが、

それにはその前段階のご説明が必要でした。

 

 

 

 

  

 

 

ではさきほど書きました「ゆらぎ」とは、

革製品の製作上で何を指すのでしょう?

 

それはずばり、第一に、

材料である「革素材にあるゆらぎ」です。

 

私どもでは

製品を組み立てる前の一つひとつのパーツを

手断ちで裁断しています。

同じ形をいくつか作る時であっても

そのような愚直な方法を採るしかありません。

それはなぜでしょう?

 

 

 

 

  

 

 

 

定番用の当店オリジナル牛革は

100%シブ鞣し、水染めのヌメ革、

最終的な色調整も

水染め仕上げをしています。

 

同じロットの革であっても

一枚一枚で硬さや厚みが違いますし、

その1枚の中の部位によっても

同様の違いや、多少の色ムラ、

それだけでなく

表面から見えない革組織の緩みがあります。

 

ですから、作業時に目視しながら

品質の良い場所を厳密に選んで

パーツを取り出す必要があります。

 

 

 

  

 

 

 

ナチュラルな製法で作られている革には、

布やプラスチックのような工業製品を

扱う方法では取り扱うことのできない、

物理的な「ゆらぎ」があります。

 

私どもは、

この革だけが、品質の良い部分で

パーツを取ることによって

良い経年変化を産む革となることから、

 

もし当店の革の製法を変えることになれば

プリミティブな製法で作られた

優れた革のポテンシャルを

下げることになってしまう、

と考えています。

 

この当店特製牛革の製作方法は、

いまでは結果的に

革が革らしさを失っていく方向に

製法がどんどん変えられていく昨今、

出来る限り残しておきたい、

ほんとうの経年変化をする

革の作り方だと思っています。

 

 

 

  

 

 

 

いっぽう量産品では

革を細かく見ながら…ということ自体が

ナンセンスな工程になります

(革を見る目のある人員が要りますし

当然、時間がかかります)。

 

ですから、その解決としてまず

革の表面そのものをきれいに整えます。

そしてどこからどのパーツを取っても

表面からは違いが見えないようにします。

 

そして、そのきれいに整えた革から、

機械を使って

なるべくたくさんのパーツを取り、

さらに部分的に薄く漉く等の

加工をマニュアルに沿って機械で行い、

製作の順に則して用意します。

 

私どもでは、切り出したパーツはそれぞれ

革の硬さや厚みにけっこうな誤差があるため、

同じパーツであったとしても、必要に応じて

規定の数値とは違う厚みにすることも

少なくありませんし、

誤差がありすぎる場合は

革裏地自体を変えて調整することまでします。

 

 

 

  

*小物の型紙に書かれた注意事項。
デリケートな私どもの製品は、
注意深いレシピから生まれます。

 

 

 

このように、ひとつの製品パーツを

目的に適ったパーツに仕上げるために

まず革に見合った的確な製作方法を選び、

パーツそのものを

一つひとつ作って行く方法を採っています。

 

これも「革のゆらぎ」があるためで、

同じような質感に仕上げるために、

毎回製作方法を変えなくてはならない

などということは、

工業製品ではまず考えられません。

 

しかし同じヌメ革でも

この「ゆらぎ」をないも同然にできる

製作方法があります。

 

そのひとつが、

革を厚いまま使って裏地をつけない、

昔からこの革にとって主流である製作方法です。

厚さがあれば、

「ゆらぎ」の影響はほとんど受けません。

そのぶん重さと厚みは出ますが。

 

また、革の表面をきれいにすることで

表面問題も解決できます。

それにはたいてい、

多少の顔料を使って仕上げる方法が

使われています。

 

このように

扱いやすい厚みにして

表面がきれいな1枚革で作られた製品は

市場でたくさんご覧になれます。

 

 

 

 

 

 

それとは反対に、私どもの革を使って

私どもの製法できっちり作るには、

たくさんの種類の材料と

驚くほどの時間がかかります。

 

なにより、

今回の革素材はどう扱えばいいか?

何を使えば軽く、

丈夫にできるか等を熟慮し

製法自体を変えながら作ることなど、

誰にもできることではありません。

 

なぜヌメ革製品で

当店でお作りしているような製品が

少ないかは、以上のような点が

ポイントになるかと思われます

(当店ではヌメ革以外の製品も

同様の製作方法を採っていますが)。

 

 

 

 

 

 

要するに

作る人の替えが容易になるように

材料そのものを変えていく方法と、

 

素材も作る人も替えの利かない

革そのものの個性を生かす方法、

技術者の技術に頼る方法、との違いです。

 

今回は革のゆらぎについて

お話ししましたが、具体的に

イメージしていただけたでしょうか?

 

一つひとつの製品が

何を目指して作られているのか、

 

また

あたりまえのような表情で存在する

当店の製品群について、

完成品が出来上がるまでの

さまざまな具体的な工程や、

 

この特別な技術が、毎回

ご依頼者ひとりのためだけに

使われていることを知っていただき、

みなさまに愉しんでいただければ幸いです。

 

 

マイ電卓ケース 40426

マイ電卓ケース 40426

2024/06/19

久しぶりにご注文いただいた

マイ電卓のケースです。

 

ぴったりサイズですから、

出し入れする時の、

高級車のドアを開け閉めする時のような

気持ち良さを

喜んでいただきました。

「ほんとにピッタリなんですね!」

 

 

 

 

 

 

資産コンサルタントの方だと伺い、

その方面の電卓…と納得しました。

 

当店で以前何度かお作りしたものは、

税理士の方のための

特別な傾斜ある電卓でした。

内容も違いますが、形もしっかり異なります。

 

 

 

 

 

 

お仕事になさっている方には

当たり前と思いますが、

それぞれの領分によって

使う電卓のタイプが変わります。

 

また

資産コンサルタントの方であれば

大事な顧客の数字を扱うのですから、

機器を大切にするうえで

こんな気遣いも必要に違いありません。

 

 

 

 

 

 

デザイナーは

ご相談者に合ったデザインを

お薦めするために

クライアントをよく観察しますが、

 

自分が顧客の側に回った時も、

ちょっとしたことから

いまお会いしている人が

どんな人かをチェックして、

この人に任せていいのかしら?と考えて

判断します。

 

それは誰しも同じと思いますから、

大切な資産の相談となったら…

きっとハードなお仕事と存じます。

 

 

 

 

 

 

判断の目安として

何をどこまで気遣いできる人なのかは

大きなポイント。

持ち物や服装だけでなく、

立ち居振る舞いにも目が行くでしょう。

 

今回のクライアントはイケメンで

アナウンサーのような雰囲気の方。

この爽やかさで快刀乱麻のごとく

質問に回答してくださるなら、

きっとお仕事も順調でしょう。

このたびはありがとうございました。

ますますのご発展をお祈りします。

 

 

オーダーの仕方、同じ形のバッグをふたつ持つこと ゾウ革ダークネイビー 40315

オーダーの仕方、同じ形のバッグをふたつ持つこと ゾウ革ダークネイビー 40315

2024/06/17

こちらは一人の方からの

ふたつ目のバッグのご依頼品。

 

色が違えば

イメージはまったく変わります。

それがファッション製品の

おもしろいところです。

 

ゾウ革なので、今回のお写真では

正面、裏面と、柄の違いをお見せします。

ふたつとないこのような違いが、

たとえ同じ形であっても

イメージの違いとおもしろさを生みます。

 

 

 

 

 

 

こちらのクライアントは

使いやすく、

ご自分に合っているという鞄を

ずっと使い続けてきました。

それがこのオーダーメイドに繋がっています。

 

よくここにお書きすることですが、

まったく新しい仕様のバッグは

もしかすると使い勝手が合わない、

ということが出るかもしれません。

 

そこでお奨めしているのが

「過去の使用履歴から、使い勝手が

自分に合ったものを考えていく方法」

です。

 

 

 

 

 

 

「ブログを見ていますと、

最近は見本のあるバッグの注文が

多いようですね。」

と言われることがありますが、

それは、使われない、

無駄なオーダーメイド品に

ならないための知恵です。

 

そして、見本品があるなら製作が楽だろう、

とお思いになる方もいるかもしれませんが、

ではどうして、その製作を

実行に移す人が、他にないのでしょう?

 

それは(やはりここによく書くことですが)、

見本があっても

かなり大変な作業だからです。それは、

 

バッグにはたくさんの製作方法があって、

そのすべての製作方法を会得できる人

(これは一生涯

勉強し続けなければなりません)は

かなり少ない、という現実もありますし

 

 

一点一点のオーダー品に合わせて

まったく違う材料を揃え、

毎回製作方法を考えながら作ることには

けっこうなストレスがあります。

 

 

 

 

 

 

工場での流れ作業では、

大量に作るがために、前もって

その製品に向けたすべての材料を

別注して揃えることができます。

 

そして、製作する人達の替えが利く

製造フローを用意できますから、

その人たちは

全製作の中の一部分を作るだけです。

 

それに引き換え、

フルオーダーで作るということは、

一つひとつに適した材料を選び、揃え、

ひとりの技術者が最初から最後まで

一貫して作る必要がありますから

(一点一点製作方法が違うので

流れ作業に落とし込むことができません)、

 

その技術者が

それぞれの異なった製作技術をすべて

会得していなければなりません。

 

また、見本品と革素材が違うことで

(革素材は、

たとえ同じ種類・ロットであっても

個体差の大きい素材だからです)、

根本的に

まったく違う製作方法になることも

余儀なくさせられます。

 

 

 

 

 

 

そして通常なら、ひとつのバッグを

一人で作ることができる人の持つ技術は

範囲が限られています、例えば、

メンズを作る人には

レディスを作ることは耐えがたく、

バッグを作る人にとって財布を作ることも

やりたくない仕事のひとつです。

 

私どもが「技術力」という時には、

異なる種類の製作物が持つ

製作上の特性を把握し、

どれにでも対応できる力を指しています。

 

それは

技術者たちの持つ技術そのものであり、

製作の肝を見抜くという思索力であり、

足りない部分を補うことのできる力で、

製作しながら想像力も使います。

 

当店では、

こうした高度な技術者をひとり、

ご注文いただくみなさまには

フルタイムで

一定期間雇っていただいています。

ありがたいことです。

 

 

 

 

 

 

そして最後になりましたが、

表題の「同じ鞄をふたつ持つ意味」は

・イメージの違い

=必要なファッションのイメージを作る

また、

・ふたつ持ち=バッグの長保ち

ということに繋がります。

 

ファッションのカジュアル化が進み、

どんな場所へ行っても

カジュアルな服装の方が多いですが、

たとえカジュアルな場であっても

その場の雰囲気に合わせて装うことは

主催者側を重んじることに繋がります。

 

このような気持ちは

同じ気持ちを持った人たちが見ています。

デザイナーは海外へ行くと

特にそのことを強く感じ、

「良い方たちとお知り合いになるなら

きちんとした格好をする方が間違いない。」

と言っています。

 

そんなわけで今回は、

同じ形のバッグをふたつ持つことに

焦点を当ててみました。

このたびのご注文にも感謝申し上げます。

 

 

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