実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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最後のトスカーナ革、フランスブルーのトートバッグ 403N
2024/06/05革の品ぞろえも
さまざまな理由からどんどん変わって行きます。
以前お書きしたように
イタリアのトスカーナ地方で作られている
その名も「トスカーナ」というこの革も、
もう廃版になってしまいました。
本日ご紹介するのは、
最後のトスカーナでお作りした
キレイ色のトートバッグです。
たくさんの当店製品をご愛用くださっている
クライアントから、ご連絡を頂戴しました。
今までは当店のオリジナル革を
おもにご愛用いただいているのですが、
「最近は大好きなネイビーから
明るいブルーに変えたいと思うように
なりました。」との内容です。
長いお付き合いをくださっている方で
いくつもの当店製品をお持ちくださっていると
ベーシックな製品はほとんど揃いますから、
だんだんと色革製品に目が行くようになります。
そんな時、
色革でも品質が良い革をお薦めできるよう、
デザイナーはいつでも
革に対してアンテナを張っています。
色革の良しあしは
次のような点で測って行きます。
1.きれいな色が出ている
2.革に対して色の定着が良い
3.使っていくとツヤが出る革か
使っても変わらない革か、
デザイナー自身が変化を知っている
ヴィヴィッドな色の載せ方は
女性のファンデーションと同じで、
より平らできれいな下地を作ってから
良い色のファンデーションを密着させる、
というイメージです。
だから色の密着度と耐久性も大事。
この革トスカーナは
使っていくと革の表面にツヤが出てきます。
変化していくヴィヴィッドカラーを作るのが
イタリアの製法。
あくまでも経年変化を良しとし、
そのようになる革を作っています。
それに比べてハイブランドの革は、
おもにフランスやスイスで作られています。
ツヤも出ませんし、変化もありません。
変わらないことを良しとしている革です。
どちらが良い、とか正しい、
といったことでなく、
これがそれぞれの特徴というだけのこと。
この、それぞれの特徴を持った革ですが、
自分はどちらが好きなのか?と
当店でお選びいただく際には、
クライアントのみなさまにご説明します。
革は奥が深い素材です。
このたびのご注文もありがとうございました。
これから夏に向かって
たくさんの楽しい機会があり、
このバッグで気持ちをアップしてくださることを
心より願っております。

ベルト穴に工夫ある時計ベルト 40411
2024/06/03久しぶりにお目にかかった
クライアントは、
むかしに買って気に入っているという
麻ジャケットをお召しになって、
ご来店くださいました。
どおりで今は
なかなか見当たらない
凝った作りのジャケットでステキです。
この方は、お持ちになるものを厳選して
長くお使いになる方なので、
当店の革製品を
たくさん使ってくださっています。
ありがとうございます。
そういう方からの今回のご注文品は、
お気に入りの腕時計に付ける時計ベルト。
お写真でお分かりのように、
ベルト穴はひとつにして
その穴にハトメをつけたい、という
ご希望です。
なるほど時計ベルトで一番傷むのは
ベルト穴の部分。
こうすることで、快適に長く使えます。
またそれだけでなく、デザイン的にも
とてもおもしろい発想です。
出来上がって、ハトメ穴が
とても現代に合ったデザインに見えるのは、
シンプルな文字盤に
ぴったりのデザインになったから、
ということもあるでしょう。
しかし、このように、使い勝手から来る
変わったデザインが
デザインとしてステキに生きるのは、
「必要から生まれたデザイン」
だからかと思います。
こちらもどうぞ、長くお使いください。

ゾウ革、ダークネイビーの定番3枚定期入れ 40409
2024/06/01技術者もデザイナーも使っている
使いやすいひと品です。
今回、旅行で使うための
交通系カードをお入れになる方から
ご注文いただきました。
パートナーにプレゼントで作った
ゾウ革のお財布を見ていたら、
「私も欲しくなったんです。」とのこと。
ありがとうございます。
たしかに一度見たら忘れられないほど
ゾウ革は魅力的で、存在感があります。
ましてや隣で使っている人を
毎日見ていたら…
そのお気持ちは想像に難くありません。
旅行が趣味のクライアントは
台湾旅行で、このカード入れを
デビューさせてくださるそうです。
使い方を伺ったにもかかわらず
いまひとつよく理解できないデザイナーは、
「今度どのようにお使いになったのか、
お時間ある時にお教えくださいね。」
などと言っています。
「使うのが楽しみです!」
はい、私どももどんな風にデビューしたのか
とても興味があります。
このカード入れは
薄く、柔らかくお作りしています。
中にカードが3枚入ることで、
しっかりと形が取れますから
こんなに軽くできるのです。
当店製品をたくさんお使いいただき、
よく育てていただき、
ほんとにありがとうございます。
どうぞ台湾旅行をお楽しみください!

トルティエールのビジネスハンドバッグ 40319
2024/05/30ご自分でお描きになった
ご希望バッグの絵をお持ちくださった
クライアント。
その絵からは、どんなバッグが欲しいか、
ひしひしと伝わってきます。
たくさんの言葉を駆使するよりも
たくさんの内容と、
細部までのイメージを
ダイレクトに伝えられるものは、
絵のほかにありません。
オーダーのご相談に来ようかという時、
簡単なもので構いませんから、
「ちょっと描いてみようか」という感じで
ぜひお描きになってみてください。
*もちろんなくても大丈夫ですが。
出来上がりのお写真のオーダー品は、
まさにお描きくださった絵そのものです。
いろいろ検討した結果、
ほぼ絵の通りに作っても問題ないことがわかり、
その最終形へ向かって
ひたすら作り続けました。
いつも感じることですが、
最終形が出て、製作方法が決まった後からが
本番製作ですが、それにとても長くかかるのが、
フルオーダー品の製作です。
*マチのドットボタンをはずした後ろ姿
このバッグはA4がすっぽり入るサイズで
横幅は38センチです。
マチの厚みは18センチありますが、
とてもバランスよく仕上げられました。
PCが入るストッカーた奥にありますから、
持ち物の多いクライアントでも
きれいに中を分けて持つことができます。
裏地は、ご要望によって
フューシャピンクで起毛した布素材です。
この布は、下手な革より高価なものでした。
そのおかげで外側の革の存在に負けぬ、
きれいなお色で
格の合った組み合わせとなりました。
高価だから良い素材、ということではなく
デザイナーが良い素材を選んだら
高価だった、ということですが、
素材の格が合っていると気持ちよく決まります。
後ろポケットには携帯などが入りますが、
横幅全体を外ポケットにするタイプなので、
厚みのあるマグネットをつけています。
この方は
新しく会社を起ち上げたところだそうで、
その新しい会社で持ち歩くバッグを
当店でオーダーしてくださいました。
永くひとつの会社においでになって、
たまたまその会社について
客観的に見つめる機会を得て、
このたびの起業となったとのことです。
お客様のいるお仕事なので、
もっとその方々にとって良い仕事をしたい、
と思ったことがきっかけになったと
おっしゃっていました。
すばらしいことです。
まだ若く、勢いのあるクライアントと
お目にかかりますと、
前途洋々とした明るい未来が見えます。
私どもでお作りしたバッグが
お仕事をうまく補佐して、
ますますご発展なさることを願っております。
このたびはありがとうございました。

コードバン、バーガンディのハードカバー本カバー 40309
2024/05/28「コードバンで
この本のカバーを作りたいです。」
はっきりしたご依頼内容です。
「以前関西にいた時
オーダーでカバーを作ったのですが、
それがとても良いと思いました。
こちらに越してきてしばらく経ちましたが
今度はこの本のカバーが欲しくなって。
ネットで探したのですが、
こういうカバーを作ってくれるところは
他にほとんどないですね。」
コードバンには2種類あることをお知らせし、
あまりお手入れの面倒の無い
こちらのタイプをお選びいただきました。
革自体の厚みがしっかりあれば
裏のすべすべとした
コードバンの特徴を出すべく、
裏地なしでお作りすることができます。
ハードタイプの本は表紙が厚いので、
少し大きめに作らざるを得ません。
でも革本体にきっちり厚みがあれば
丈夫で長くお使いいただくことが
出来ます。
これくらいの量の革であれば、
革の厚みがあっても
さほどの重さもありません。
ましてやご注文者はお若い方ですから、
重さを気にする必要はないでしょう。
しかし、ここのコードバンの
バーガンディカラーはほんとにきれいです。
店頭で
窓のブラインドを開けてお見せしますと、
思わず歓声が出ます。
誰が見ても美しいカバーです。
本の大きさは、
ご注文者がご自宅の本を調べて
これが一番多いサイズだというものを
お持ちくださいました。
ですから、使いまわすことができます。
最初に、
本をホールドする見返しについて
革を折り返すタイプはどうか、
というお尋ねがあったのですが、
実際折り返すタイプの革の見返しを、
厚みによって
サイズを変えて使っているという方には、
ほとんどお会いしたことがありません。
それは
革は折り曲げにくい素材だから、
ということがまずありますし、
このくらいの大きさの違いであれば
多少の差はさほど気にならず、
厚み分を変えなくても変に感じなかった、
ということもあるようです。
当店では
そんなことなどお話ししながら、
お選びいただいた革素材にとって
もっとも良いと思われる形の
ご提案もします。
使ったことが無いものはとくに、
経験者のアドバイスが
時に大事なポイントとなります。
たとえどんな小さなことでも
あれ?と思ったことを
デザイナーにお話ししていただけば、
みなさまの判断材料となる情報が
ご提供されます。
このたびのご相談とご注文を
ありがとうございました。