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カード入れが入るバーティ長財布とお揃い革の小銭入れ 40203
2024/03/29新バーティはデザインを変えて
エレガントな
オーソドキシーラインになりました。
偶然ですが、お札を入れると
紙幣に印刷された人の顔が、ちょうど
きれいに出るラインになりました。
これは
風水的に縁起が良いのだそうです。
さて、それはさておき、
今回のご注文品は、そのバーティを
小銭入れと革を揃えた純白色のセット!
ご自分でもカービングや手縫いで
革製品を作る方が、
このご注文をくださいました。
「こういうのが欲しい、って思っても
自分で作る時間が今はないから…」
「一緒に、長札入れの中にぴったり入る
カード入れも作ってください、
フタの方に入れるようにしたいです。
定番より大きくなってもいいですから、
カード入れを取り出しやすい
ゆとりにして作ってください。
それと、お揃いの小銭入れも
お願いします。」
美意識の高い方です。
お作りした新バーティは
ハイブランドの革なので、真っ白です。
こちらは革の表面に型押しのある
汚れにくい革です。
余談ですが、
きれいなお色の革には型押しが多いですが、
それは色の密着度を増すためと
チープに見えないための加工だと感じます。
鮮やかなお色は、色出しが難しいですし、
色を革に密着させる技術も必要です。
そういう意味で、革を
上からぎゅっと押さえる型押しは、必須。
その型が細かくてキュッとしていて
つるつるであれば、表面はかなり丈夫です。
また型押しがないと、
鮮やかなお色が出ればまだ良いのですが
少しダルな色の革になりますと、
残念なことに、どうしても
チープな印象の革になってしまいます。
ブランドの革はほとんどが型押しですが、
以上のような意味があります。
市販品をお求めになる時も、
ベーシック色以外の色であれば、
型押しをお選びになると
より高級感のある持ち物となります。
さて、上のお写真は、カード入れです。
6枚のカードが個別に入るタイプ。
このタテ仕様のカード入れが、
フタの裏に収まる長札入れの大きさにしています。
上の小銭入れは私どもの定番です。
名前のとおり、手のひらに収まりやすく、
ズボンのポケットにも
小さくパッと入り込みますが、
入れられる小銭の数はとても多いです。
そんなことから、今のところ
一番ご注文の多い小銭入れかもしれません。
お受け取りの時、
とてもきれいにできましたね、と
喜んでくださいましたが、
「端の色をブラックにしても
良かったかもしれませんねえ…
注文の時は気づかなかったけど、
きっと男性的なムードになります。
あらためて出来上がり品を見てみると、
他のまとめ方も浮かびますね。」
「なるほど、おっしゃるとおりですね。
長財布の周り一周だけであれば
たしかにキュッとした印象になります。
そしたら、まずこれで使ってみて、
イメージを変えたくなったら
黒に変えてみるとよろしいのでは?」
デザイナーからの回答です。
このたびはありがとうございました。
端処理の色を変えたい時には
ご相談くださいね。
どのように使ってくださるか、
とても楽しみです。

ナイルというクロコダイルのファスナー長財布 40118
2024/03/27黒のポロサスで作って欲しいです。」
なんとポロサスをご指名です。
遠方の方でご来店いただけませんので
お電話でお話ししたのですが、
話しているうちに
別の掲載品へと話が広がっていき、
どうやら
クロコダイルの柄そのものに
ご希望あることがわかってきました。
掲載品の黒の方は
斑柄が少しVの字のように思う。
しかし緑の方は
斑柄の並び方が、黒よりも平らに感じるので
そっちの斑柄で欲しいです、と。
前者はポロサスという名前を持つ革で、
エルメスがその革を多用することから
有名になって、そのせいか
革自体のお値段はもっとも高価です。
ところがここのところ
革を選びに行きますと、
ご依頼者の言葉をお借りすれば
「平らな柄」の革は少ないように感じます。
後者はナイルと呼ばれる革ですが、
名前が有名でないことから
品質を心配なさる方もいらっしゃいます。
ところが選び方によっては、
ポロサスと同じく小さい斑柄で
水平に整ったのものを見つけられることが
ポロサスより多いような気がします。
クロコダイルは生き物ですから、
各々がいろいろな斑柄を持っています。
そういうものに対して
整った斑柄を選んで欲しい…というご希望は
たまにいただきますが、
どちらにしても、そういう革を見つけるには
お時間がかかります。
待っても暫く出てこないこともあります。
お電話でお話ししたことで
ご依頼者のご希望はよくわかりましたから、
斑柄がご希望に近いものをお選びする
ことを一義として、2種でお探ししました。
革選びも、どんなオーダー品であっても
デザイナー本人が行います。
その結果今回は
ナイルをお薦めすることになりました。
ほぼ無名のナイルの革を勧められて
ご依頼者は心配だったご様子でしたから、
再度
前出の掲載品についての説明をしました。
そして、この2種類は
デザイナーでも見分けがつかないことも
申し上げました。
「グリーンがなぜナイルの革だったか?
それは、特殊な色は売れが遠いので、
高額なポロサスを使って染めるところが
ほとんどないからです。
量産品を作る会社が全部買取するのであれば
ポロサスでも特殊な色を
オーダーで染めますが、
それ以外の理由から
そのような色を染めることは
普通はまずないです。」
お写真で
まるっと一枚のナイルをお見せしたところ、
「グリーンの掲載品の裏面の写真は
ありませんか?」とのお尋ね。
革を一枚続きで作る形なので、
裏面の斑柄のまっすぐさを
確認したい、という理由からでした。
たまたまその写真はなかったのですが、
「1枚の革を見せていただくと、
裏面に当たる方が水平な感じですね。」と
ご感想をくださり、ナイルに決まりました。
その結果、ポロサスよりも安価なのに
気に入った出来上がりになったようです。
お届け後、ご連絡をいただきました。
************
昨日無事晩に届いて
拝見させていただきました。
とても美しい仕上がりで
大変気に入りました!
これから何十年と付き合っていきたいと
思います。
また東京に行く機会でもあれば
是非お店の方に立ち寄りたいと思います。
その時は、よろしくお願いします(^^)
************
このご連絡をいただくまで
デザイナーはドキドキしていました!
「私の理解はあっていると思うし
これ以上の整った水平柄はなかったけども、
それがOKかどうかのハードルは
個人個人の感覚の問題だから…」
というわけで、
お受け取りのご連絡をいただきまして
ほんとにありがとうございました。
ぜひ一度お出かけください。

iPad miniを入れるショルダーバッグ/ボディバッグ 402N
2024/03/25シンプルなショルダーバッグの
オーダー品ですが、
それにもかかわらず、ご希望どおり
きっちりお作りすることが大変だった
お品をご紹介します。
このバッグには合皮製の見本があって、
ご依頼者は
「とても使いやすくて便利なんだけど
この素材でこの感じでは
ちょっと持ち歩くのもはばかられて…」
とご説明くださいました。
聞き取りをして行きますと、
ご依頼者にとっては、全体の
できあがり寸法が一番気になる点で、
かつ、背中側の内ポケットに入れるiPadが
鞄の大きさの基準になるものでしたから、
デザイナーは寸法を測りながら
「う~~~ん」と密かに考えていたようです。
と言いますのは、見本バッグには
iPadがぱっつんぱっつんで
入っていたからです。
使ってしばらくたった合皮製品の
寸法の測り方の微妙さもありますし、
新しくお作りする
当店革製品の革材料と作り方の違いから、
内寸ギリギリに入っているiPadが
当店素材で作った鞄の内ポケットに
うまく収まるかどうかが
ポイントだったからです。
見本は某リーズナブル店の
オリジナル商品だけあって、作り方は
いとも簡単、一筆書きのような作りです。
縫い方も、勢いで縫っているところがあり、
きちんと作るモノづくりの人では
このようにしない、というところもあり。
量産品で、パッと作りきって
何となく形にしてしまう製品は、
きっちりお作りするお店にとって
セオリー外の製品だと思うことがあります。
私どもではその辺りは私たちのセオリーで
きれいに仕上げてしまいます。
とにかくほぼ同じ大きさで、
きちんと中身の入るモノにしなくてはなりません。
こんな当たり前のことを
一つひとつのオーダーで実現していくことは、
なんと難しいことでしょう。
内寸が関係するバッグなので、
内容物についても
ダミーバッグを作って確認しています。
その解釈について
侃侃諤諤の検討がありました。
~~~~~
そんなこんなの紆余曲折ののち
出来上がったお品はきれいな磨き仕上げで、
ストラップ裏には
起毛革の滑り止めもお付けしています。
このすべり止めには
とても喜んでいただけました。
それは置くとして、苦労の後は見えないはず…
お渡ししましたら、
「あ、やっぱりいいですね!
iPadもちょうど良い感じで入りますし。
ショルダーの長さもこれがいいです。
見本とは全然違いますね、良いなあ。」
とおっしゃってくださいました。
このたびはありがとうございました。
革の経年変化のご説明をしましたら
「では、雨の日は見本鞄を使って、
これはエイジングさせていきたいです。」
とのご決意!
何年か経って、偶然にでも
この辺りを歩いている時がありましたら
ぜひお見せくださいね。
楽しみにお待ちしております。

見本のある名刺入れ 402N
2024/03/24このたびご注文いただいた
見本のある名刺入れですが、
当店定番と似ていますが、非なるもの。
同じような作りでも、
さまざまなまとめ方があります。
見本品は、フタの無い2層でした。
こちらの当店定番の名刺入れですと、
これにフタをお付けしているので、
同じタイプの作り方であっても
だいぶ見た目の印象や使い勝手も変わります。
また、こちらの定番では3層にして、
中身が出ないよう、ベルトを付けています。
このように見ていきますと、
「構造的には同じ」に気づくことができます。
ちょっと専門的な説明でしょうか…
今回お作りした名刺入れは
通常の名刺入れより
少し大きめにできているため、
名刺が出っぱらないように収まります。
2層なので、ご自分の名刺
いただいた名刺、と分けられます。
同じ構造であっても
さまざまな仕上がり形がある、
という好例です。
今回は、革の厚みも全体のサイズも
きっちり踏襲しておりますので、
今までと同じ使い勝手でお持ちいだだけます。
ご注文ありがとうございました。

二個目はエアタグ入れを付けた二つ折り財布 31212
2024/03/22「20年ほど前に貴店で作ってもらった
定番の二つ折り財布ですが、
修理していただけないでしょうか?
パートナーにプレゼントしたものですが、
そろそろ作り変えない?と尋ねたら
これがいいから直せない?と言うので。」
長らくのご愛用ありがとうございます。
「直せるものならお直ししますが、
革の状態によっては無理かもしれません。」
とお返事して
現物を持ってご来店いただきました。
結果は、この新しい財布です。
どこまで何を使うかはその方の判断ですが、
そろそろ…という時期はあります。
最近もやはり20年ほど前にお作りした
定番製品を修理しましたが、
それくらい経ちますと、
裏地が革であっても、破けてきます。
外の革がお好きな方なら、裏地を破いて
取り去れば、また暫くお使いいただけます。
なお、縫い直しはこちらでできます。
こちらの方の財布が変わっているのは、
カード入れにお付けした丸い穴。
これは、
お財布がどこにあるのかすぐにわかる
「エアタグ」用の穴です。
これまでに、鞄の底に
仕込めるようにしたこともありますが、
お財布には初めてです。
みなさまのご参考になれば幸いです。
それにしても、20年経っても
変わらず仲が良く、ステキなカップルです。
こういう方々が
大切に長く使ってくださることを思いますと、
作る方も意気に感じます。
*エアタグはカード入れと同じで
上から入れる仕組み。
このたびのご注文、ありがとうございました。
当店のお財布が、また次の20年の間に
楽しい話題になってくれることがあるよう、
心から願っております。