実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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ウェブショップの「重さ表記」を想像しやすいように変えています。
2023/12/08ウェブショップの中で
「重さ」はなかなかイメージしていただけない、
と先日この欄でお書きしました。
すると技術者の一人が、
「ここの製品は軽いですから、
果物とかペットボトルの飲み物とかで
表現したらいいんじゃないですか?
え、それくらいなの、
ってきっと想像できると思いますよ。」
ナイスな助言です。
*リンゴ1コ+レモン1コがこのバッグの重さ
当店技術者たちは作ることが大好きで、
革製品を見ることも大大好きなので、
いろいろなアイデアが出ます。
そんな彼らの最近のつぶやきを
ご紹介しましょう。
「一つ一つの製品を、こんなに
きっちり作るところなんて、
他にないですよ。」
と、彼らは製作中にいつも言います。
*津軽産のおいしそうなリンゴです
「確かに定番と呼ばれるものには
革の厚みもパーツの形も
ちゃんとデータはあるけど、
けっきょくご依頼者によって
少しずつ変えてるじゃないですか。
若い人なら少し重くても保ちを良くしてあげる、
とか、ご高齢だったら
ヌメ製品をルバルで作ってあげよう、とか…
厚めに作るのでも、
革が変わるのでも、作る技術が変わるんですよ。」
*撮影中に黄色く色が変わって行ったレモン
「それに、長い歴史のある定番になると
なんか違うものになっちゃったね、の一言で
細かい変更がたまたまいろいろ出ますし。
単に同じ形でヌメの定番製品を作るにしても
一枚一枚革のキメは違いますし、
そのまるっと一枚の中の厚みも均一でない。
このタイプの革を均一に作ること自体が不可能、
とはもちろんわかってますけど、
こんなに毎回扱いの違う革は
定番作るだけでも、すごく難しいんですよ。
それをフルオーダーで、
毎回違うものをこの精度で仕上げるって…」
*リンゴ1コ+ミカン2コがこのバッグの重さ
ああああ、ごめんなさい、
皆さんにはほんとに大変な作業を
してもらってます、それは重々わかってます。
とはデザイナーの言ですが、
「でもだからね、特上で喜んでもらえるの。
マニアックすぎるけど、
長く自分の生活に沿って使ってもらうものだから
気持ちよく持って欲しいじゃない?
それに私たちも
その難儀な課題をスパッとクリアできると、
すっごく気持ちいいじゃない?」
という言葉には
製作者の全員がうんうんとうなづきます。
「ほんとにすばらしい仕事ですよね。
お客さんが注文してくれるのが嬉しい。」
*これはSサイズ
ミカンのサイズはいろいろあります
話は戻りますが、
現在ウェブショップにお出ししている製品は、
考えに考えた製品ばかり。
また一点ものは、必ず前段階の試作を経て
製品にしたものです。
でもそこにご依頼者がいないので、
安価にお出ししています。
もし気に入ったものがあればラッキーな
お品ばかり。
*500ミリ+300ミリの水のペットボトルと
レモン1コが、このバッグの重さ
ただいまウェブショップの製品は、
重さをわかりやすく表記する作業を
始めたところですから、
まずは1点ものでご覧いただけます。
製品説明の重さの前に、
ペットボトル1本+バナナ1本
350mlビール缶1本+サバ缶1コ
という感じで説明をお入れしてます。
あまりおいしそうでない組み合わせは
避けるつもりですが…
「くすっ」と笑いながら
ウインドーショッピングしていただけると
嬉しいです。
撮っていてどんどん楽しくなりました…
技術者たちは
美や楽しみの表現者でもあります。
続きはInstagramでお出ししますね。

白サコッシュを元にしたオーダーサコッシュ(小さなボディバッグ)
2023/12/07製作の難しい製品が出来上がりますと、
すべてが終わった気になってしまい
写真を撮り忘れてしまうことがあります。
今回のサコッシュはその一点で、
お送りする準備でバタバタしていて
後からお写真がないことに気づきました…
今回ご紹介するのは
ご依頼者のご厚意を頼って
撮っていただいたお写真と、ご感想です。
ありがとうございます。
オーダー記録としても残しますから、
とても助かりました。
*フタの長さを少し長く感じると思います。
このポケットには厚みのあるスマホケースが
入るからです。中にスマホが入った時に
白サコッシュと同じイメージになります。
前回ご紹介したサコッシュと
どこが違うの?
と言われるであろうくらい
オリジナルに似たオーダー品ですが、
どっこい、製作方法としては
ずっと難易度の高い難しいお品です。
それについて、届いた直後と
少しお使いいただいた時、と
ふたつのご感想を頂戴しましたので、
ご紹介させていただきます。
*フタ裏と引手だけを白にしました。
お受け取り時のご感想です。
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昨日、バッグとメガネケースが届きました。
サコッシュのほう、
私が最初に大好きになった白サコッシュを
すこーしふっくらさせた感じで、
雰囲気は
ほんとうにそっくりでうれしいです。
このようにつくるのには
型紙から大変なご苦労をされて
出来上がるとのことですが、
出来上がったものを見るだけでは
そんな過程があるなんて、
申しわけないですが
うかがい知ることは難しいです。
ありがとうございました。
デザインも、提案いただいた
ふたの裏の色が白、
一部のステッチだけが白というのも
どこにもないデザインで、
このデザインにして
よかったなと思っています。
マイバッグという感じの愛着が湧きますね。
これから大いに使おうと思っております。
両方ともですが、どこにもない、
自分だけのものとして着用できるというのは
うれしさも格別なものだなと感じました。
************
*ファスナーのしっぽが
邪魔にならないよう、ストラップに
うまくくっつけています。
こちらは
お使いいただいてからのご感想。
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このごろサコッシュを持つことが
予想に反して多く、
手触りについて改めて感動しています。
リュックもルバルでしたので、
手でなでれば十分気持ちのいい感触を
感じることはできていました。
ところが、
同じルバルでつくっていただいた
サコッシュに手を触れたときの感じが、
正直、リュックのときよりも数段、
気持ちいいのです。
サコッシュの場合、小さいので、
掌で包むように触れることができるので、
そういう触れ方?による違いかなと
思っております。
同じことがメガネケースにも言えまして、
これも掌の中にスッポリとおさまり
サコッシュと同じような
気持ちよさを感じることができます。
到着の連絡の際に、メガネケースについて
記載をせずご心配をおかけしました。
高さを7ミリ低くしていただいて
よりコンパクトになり、
よかったと思っています。
この微調整も
オーソドキシーさんならではですね。
ありがとうございました。
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遠方のご依頼者なので、
複数お持ちのうちの大きいメガネを
送っていただき、
無駄の無い微調整をしました。
オーダー品のサイズを
なるべく小さくしたい、
というご要望がある方には、
このような対応もしています。
今回は、サコッシュ自体をなるべく小さく、
というご要望に応じるため、
同時にご依頼いただいたメガネケースを
なるべく小さくするよう、
中身から考えました。
*後ろポケットに入るのが
小さくお作りしたメガネケース。
続報も頂戴しております。
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サコッシュについて
もう一つ感想がありました。
仕切りの流動性ということが
書かれていましたが、
きっとそのことと関係していると思います。
家にあるバッグで
今回のサコッシュより少し大きめのものが
あるのですが、
財布とエコバッグをメインの場所に、
スマホを外付けのポケットに入れる
使い方をしていたのですが、
どちらもギチギチで
全く余裕がないのです。
正確には、
使っていて余裕がないように感じます、
と言ったほうがいいかもしれません。
メガネケースなんてとんでもないです。
メイン収納部の出し入れ、
ファスナーの開閉時ともに
もちろん支障なくできるんですけれども、
ゆとりがないといいましょうか、
動作がスムーズではない、
動きが流れるようにきれいではない
と言いましょうか。
今回いただいたサコッシュを使ってみて、
何と使い勝手が違うのかと驚いています。
しかも大きさ的には
今回のサコッシュのほうが小さいのです。
こんなに小さくても、
必要十分な中身が取り出しやすく、
ゆったりと扱えることに感動しました。
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このサコッシュには外ポケットを含めて
3か所のものの入れ場所があるのですが、
その3か所をぴっちりとは仕切らず、
中に入れるものが変われば
内部の厚みが変化してくれるよう
流動性を持たせた作りにしています。
それがご依頼者の使い方に必要だと
コンサルティングで判断したからです。
その効果を
お分かりいただけるエピソードを
お知らせいただき、とても嬉しかったです。
当店のフルオーダーメイドは
技術的にとても高く、
一人ひとりのご依頼者に対して、
それが必要だと感じましたら
考え得る限りのアイデアをお出しし、
それを現実にします。
当店フルオーダーメイドを
「愉しい」とおっしゃってくださる方が
たくさんいらっしゃいます。
あなたにとって必要なバッグや革製品は、
一緒に考え、一緒に作り上げていきましょう!

ウェブショップにお出しした白サコッシュ(ボディバッグ)
2023/12/04*ご紹介品の前段階の試作品
3パターン作って複数人で試しました
今日は題名とは違う色の黒のサコッシュを
お見せするところから始まりますが、
私どもが一点もの製品をお出しする時には、
デザイナーや技術者などが
まず最初のアイデアで作った製品を使ってから
本番製品に仕上げていることを、
あらためてみなさまにお知らせします。
さて本編に入ります。
だんだんと年齢が上がってきますと、
どんどん持ち物を少なくする方と
なんでも持ち歩きたくなる方と
極端に分かれます。
デザイナーは「私はずぼらだし…」
と言って、どんどん物を減らしています。
そんな人が実生活で欲しいものは、
「最近はサコッシュです。」
*これだけのものが入ります
バッグの自重は、Mサイズ卵3コくらい
ちょうどウェブショップにお出しした
試作としては完成度の高い製品です。
フランスブルーのファスナーが
印象的なデザインで、
汚れにくい白の革を使っています。
フタのついた外ポケットにスマホを入れ、
ファスナーの外ポケットを財布代わりに使う。
財布代わりに使うポケットを付けることで、
本体部分の収納力が増してくれます。
外ポケットは
スマホと交通系カードを入れると、
都市部ではさっさと行動できます。
サコッシュというくらいですから、
コンパクトサイズで
身体に沿うように持ちます。
これがこのアイテムが
あるとき一気に広まった原因でしょうか。
先にお書きしたように
財布代わりのファスナーポケットには
カードポケットもお付けしていますから、
中のものがカオスにならずに使えます。
上の2枚のお写真は、このタイプのバッグを
ご検討中のクライアントにお送りした、
持った時のサイズ感のお写真です。
身長157センチ、7~9号サイズの女性です。
そのクライアントの方から
いろいろなお考えを聞かせていただいたので
さらにブラッシュアップさせることにして、
今回のショップの製品紹介では
破格のお値段でお出ししています。
ご笑覧ください。
*前段階試作品の容量
これ以上の容量を同じ大きさで増やすのは
難しいかもしれません
さて、みなさまはどのようなバッグを
お持ちになりたいでしょう?
ある程度構想がまとまってきましたら、
あとは
プロの製作技術とコンサルティング力のある
私どもにご相談ください。

2014年6月にお作りした長財布の修理前後
2023/12/01「そろそろ長財布の端が傷んできたので、
お任せしますから
丈夫になるよう修理してもらえますか?」と
久しぶりにおいでくださったクライアント。
拝見しますと、もっとも傷む箇所が
当然傷んでいます。
上下のお写真やみなさまの経験から
きっとお分かりになると思いますが、
お財布で一番消耗するのは
折り畳まれる真ん中の上下の部分。
ここがもっとも使われる場所ですが、
革が厚すぎると
うまく折れまがりませんから
ある程度の厚みで抑えられています。
こんな風に傷んだ長財布をどう直すか…
お任せで大胆にお直ししても良ければ、
今回のようなお直しの仕方が
もっとも丈夫に再使用していただけます。
また今までと同じ年数使えることでしょう。
本体外側の傷んだ部分を取り去って
その部分を新しい革で繋ぎます。
いろいろな繋ぎ目のデザインがありますが、
今回は優美なオーソドキシーラインで
お直ししています。
「なんだか新しいお財布みたいですね。」
お受け取り時のクライアントのご感想です。
内側にも同じ形で裏地を当てていますから、
ヘリ部分はきっちり丈夫になります。
また、上のお写真のとおり
裏面の仕上げも美しいので、
違和感を感じることなく
気持ち良く使うことができます。
自社で製作した製品ならば、
革の替えもありますし、
直し方も最上の方法でお直しできます。
みなさま、どうぞ長くお使いください。
良い製品であれば
愛着がどんどん増していきます。
みなさまの長のご愛顧に感謝申し上げます。

最終キャリアのための革鞄は、リセ風リュック 2309N
2023/11/30「そろそろ手提げの鞄を
重く感じるようになってきました。」
30年以上
お手持ちのすべての革製品を
当店でご注文くださった
76歳のクライアントがおっしゃいました。
最初にこのタイプでお作りしたのは2010年、
この容量と仕様では
最高に軽量で使いやすい鞄になったと思います。
この時のこの方は63歳でした。
このタイプ、と表現したのは、
出張の多いクライアントが
PCを含むすべてのお荷物を入れられる
出張用カバンとして、
(結局は毎日ご愛用くださいました)
当店で初めてデザインし、
その後形を変えてお作りしたからです。
次にお作りしたのは、2016年
(クライアントは69歳)。
この時は、「この鞄はとても使いやすいので
手放せないのだが、
もう少し軽くならないだろうか?」
というご依頼をいただきました。
入れるお荷物の総重量や
革素材であるという事実から考えますと、
もっと軽くできるかどうかは
何とも言えませんでしたが、
結果として、200gの軽量化に成功しました。
このようにクライアントの年齢を
書かせていただくのは、
「年齢の変化によって変わって行く
体力と革鞄の在り方」を
みなさまにお知らせしたいと
思ったからです。
この方は、ちょうどこのシリーズの鞄の
一代目をお作りしたあたりから、
一般社団法人 熱中学園を起ち上げ、
それを現在、「食の熱中小学校」に発展させて
地方と東京を結びつける
動きをしていらっしゃいます。
年齢に関係なく、やりたいことがあれば
ますます発展できる、という
すばらしい例と存じます。
そういう方からずっとご依頼いただけるのは、
まことにありがたいご縁です。
そのおかげで、
この職業をしていても考えもしなかったこと、
=「人の加齢と革鞄の在り方」を
リアルに体験することができます。
それは、私どもに、
人の一生のどの段階であっても、
それに適した革製品を作ることができる
観察眼と技術をもたらしてくださった、
と思います。
ありがとうございます。
もちろん性別によっても、
個人個人によっても違いはあります。
しかし、全般的にどのように
体力が下がって行くか、
それはどんな生活の人ならどうか、
といった一人ひとりの生活習慣にも
関係していることが、
このクライアントへのインタビューから
よくわかります
(お出しになった本に書かれています)。
話が逸れましたが、
二代目は、少し前に拝見した時には
くたっと急に疲れていました。
お尋ねしますと、
「ここのところの雨続きで、
4~5回びっしょり濡らしてしまいました。」
二代目には
ワックス加工をしっかりしましたが、
さすがに6~7年 毎日お使いいただき、
仕上げに
4~5回びっしょりと濡れてしまいますと、
霊力も落ちてしまったようです。
この1年ほどは、
「もっと軽くしたい。」と
一代目をリュックにしたりしましたが、
それもがっつりとした事故で
壊れてしまいました。
革製品には、普段多用している方に
しばらくそれを使わない時期が訪れますと、
急に劣化してしまう、という特徴があります。
それもあって、この回の加工部分は
事故に抗えなかったのですが、
どなたさまも
この事実をぜひ、頭の隅に置いてください。
そんな経過がありまして、
「やはりリュックが欲しい。」というお話に
なりました。
軽くするのであれば
リュックはタテ型がお奨めですが、
「ジャケットに合うデザインで、
ヨコ型がいいです。」というリクエストが
ずっと変わらなかったため、
お似合いになりそうで
少し懐かしい感じもする「リセ風リュック」
に仕上げることにしました。
下のお写真は、
ジャケットxジーンズのクライアントです。
こちらは、リセ風そのものにしてしまうと
おしゃれなことはおしゃれですが、
使い勝手が面倒になってしまいます。
そこで、ワンタッチで開け閉めでき、
スマホは本体を触らずに取れるよう
外ポケットにお入れいただくことに。
これ以上の内容のリクエストもありましたが
(例えばペットボトルを
外ポケットに入れる、など)、
それは、デザインを崩さないために
ある程度我慢していただくことにしました。
このリュックは外縫いですが、
外縫いを選んだのは、
こちらのクライアントの今までの
鞄の使い方やクセなどから、です。
肩紐の付け方も
体格に合うよう、お作りしています。
長いお付き合いをいただきますと、
そんな細かい対応をすることもできます。
「前のバッグより少し重いですが、
背負ってしまうと気にならないです。」
大変すみませんが、この形ですと
どうしても重くなってしまいます。
それでも全重量1,450gです。
一代目をリュックにした時と同じくらい。
リュックとしてお作りしましたら、
多少荒い使い方であっても
バランスを保ちながらお持ちいただけます。
リュックはリュックとしての、
手持ち鞄は手持ち鞄としての
力のかかり方がありますから、
それぞれの使い方に応じて
それに耐えられるように作る必要があります。
「これが自分にとって
最後の革の鞄になるかもしれません。」
いえいえ、おいくつになっても
きっとあまり変わらずにお過ごしと思います。
ますますのご発展をお祈り申します。