実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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復刻したミニ財布タイプの小銭入れ 30506
2023/09/22先日ご紹介した大小写真立ての
ご注文者が、当店を探してくださった
きっかけとなった財布、
四つ折り札の入る小銭入れをご紹介します。
30年以上経つオーダー品です。
下のお写真右が、該当オーダー品。
さすがにこれだけ年月が経ち
お使いいただかなくなりますと、
革も風化してきます。
店頭にも
30年以上のバッグがいくつもありますが、
モノは使わなくなることで
劣化が早くなると感じます。
こちらは、たくさんのご注文者から
さまざまなオーダー品のその後を
お見せいただきますが、
その中でも最古の方です。
42年の歴史ある当店ですが、
それは、みなさまが
使っていたお品物を
見せてくださる機会が多い、ということ、
使っていったご感想をくださること、
リピートしてくださる方がいること、
などから
「つねにより良いモノづくりができる歴史」
であります、ありがとうございます。
もし量産品を作る会社であれば、
流れ作業で一回作りきって
売り切ってしまったら、
その製品の真価はわからないままです。
量産品を売る、
ということはそういうことで、売ってから
何らかの不具合が起こったとしても、
その内容が鑑みられることは
ほとんどありません。
時代による変遷で、
ある方向性での技術革新はあると思いますが、
1:多に対する製品製造は
私どもの1:1の注文品生産とは全く違います。
一期一会と言いますが、
ご注文者の好みや生活形態を知ることで
完成されるオーダー品デザインは、
この仕事には不可欠です。
それだからこそ、
生涯でたった一度お会いするだけでも
お互いを知りあうことができ、
お互いを印象深く捉えられるこの仕事は、
何とステキな仕事でしょう。
ですからリピートしてくださる方には、
用途をお聞きすれば
頭の中にデザインができ上って行きます。
みなさまとのコラボレーションに感謝!

プレゼントのショルダーバッグ 30711
2023/09/19「パートナーに
プレゼントでショルダーバッグを
作ってあげたいです。」
メールで、相手の方のお写真と
この靴に合わせたい、という
靴のお写真を送ってくださいました。
とてもおしゃれな方で、
靴の色は、当店のヌメと同じキャメルです。
ご来店時に
「黒のクロコダイルを入れたいです。」
と絵を描いてきてくださったのですが、
幅が狭いと違和感があったので、
絵のクロコダイルの割合よりも
幅広くして組ませました。
お話し伺いますと、相手の方は
足の長いカッコいい方なうえ、
たくさんの人に
その人が良くなることもしてあげる方で、
ご注文者もその例にもれず。
それでこの方は、次のお誕生日には
オーダーでバッグを作ってあげよう、
とずっとお金を貯めていたそうです。
ステキなお話です。
すばらしいお話を聞けたうえに
ご注文をいただき、
なんと嬉しいことでしょう。
このご縁に感謝申し上げます。
中にお入れになるものも詳しく伺って、
大きくなく小さくなく、
必要なものがきちんと入るバッグを
目指してお作りしました。
相手の方をよくご存じですと
持ち物を熟知してらっしゃいますから、
とてもレイアウトしやすくなります。
また、全体の大きさをどうすればいいか、
判断もつけやすくなります。
大切な方へのプレゼントをお考えの方には
オーダーバッグをする時、
ふたつの方法があります。
ひとつは、普段からお相手をよく観察すること、
あるいは
相手の方と一緒にご来店していただくこと、
と、ご一緒にオーダーを愉しむ方法です。
もうひとつは、目録をお送りして、
相手の方のペースにお任せする方法。
どんな方法でも、
お聞きになりたいことは
何でもお尋ねください。

A4サイズの置き型写真立てと、持ち運び型二つ折り写真入れ 30506
2023/09/17大切な方を亡くされたクライアントは、
「パートナーのステキな写真を見つけたので、
大きなサイズにして部屋に飾りたいです。」
拝見しましたら、会心の笑顔のお写真です。
自然な表情で、
よくぞここまで良い写真があったものだと
思わずその笑顔に引き込まれます。
*大小お揃いの革で作った写真立て
「お部屋に飾るサイズは
後から考え付いたんですが、最初は
いつも持ち運べる写真入れが欲しくて
こちらをお訪ねしようと思いました。
あと、旅行先などで
立てて置ける小さな写真立ても欲しいです。」
というご依頼でした。ですが、
「そしたら小さな写真立てはひとつにして、
立てられるタイプにすればよいですよ。」
というデザイナーの案にご賛成くださり、
今回は大小ふたつの写真入れになりました。
*大きいサイズの写真立ては
後ろ姿もきれいで、見ていて楽しい
A4サイズの写真用の写真立ては、
まず普通には売っていません。
この大きさの紙をきっちり挟んで
ピシッと立つようにお作りするのは
大変なことです。
また、これだけ大きな革を使っても
どれだけの数 売れるかわからなければ、
まず量産で作られることはありません。
まさにフルオーダーメイド品です。
*L版の写真サイズが入り、
二つ折りなので机上の立ち姿が美しい
小さい方は、特殊な作り方をして、
二つ折りにするとピタリと閉じ、
パッと開けば
きっちり机に立つようにしました。
この薄さ、軽さなら
小さなバッグでも持ち運べますし、
きれいなお色ですから
持っているだけでワクワクします。
*薄くてデリケートな出来上がりですが、
しっかりした質感です
このブルーはイタリア製の革で、
名前を「トスカーナ」と言います。
お写真の方がブルーが好きだったこと、
そして
お二人で何度かおいでになった場所が
トスカーナだったということで、
革をお見せしたとたん
「あ、こちらでお願いします。」
とのご注文でした。
*特殊な作り方にして、持ち運びも軽やか
随分前に相手の方が
下北沢の当店で作った小銭入れを、
大切にしてずっと使っていた、とのことで
私どもを探してくださいました。
長いことお店をやっていますと
訃報もたびたび頂戴しますが、
長くその方の人生に係るお品になれたことは
すばらしいことと思います。
このたびは、ありがとうございました。

製本されていない台本のための台本カバー 307N
2023/09/15いよいよ「このご依頼が来た」
という感じです。
前回の台本カバーのご紹介で
製本されていない台本が増えているようだ
と書きましたが、
今回ご紹介するのは、まさに
B5の紙の束の台本に対するカバーです。
紙の束台本の場合 紙はタテ使いで、
たいてい
紙の右上をクリップで止めるようです。
厚みはほぼ1センチくらいなので、
製本された台本と同じくらい。
右肩をクリップで留めるということは
おそらく右利きの方で、
右上に向かって用紙をめくっていきます。
ペン挿しが必要なのは普通の台本と同じで、
後はタテに開け閉めするか、
ヨコに開け閉めするかですが、
ナチュラルに考えると、タテ使いでしょうか。
今回のご注文者は、
差し上げる方に使い方をお聞きになって
細かい点に対するご回答をくださいました。
そこからのアプローチですから、
定番の台本カバーとは
まったく違う製品となりました。
こういうリアルな事実が、製品を
より使い勝手の良いものにしてくれます。
ありがたいことです。
実際にB5の紙の束を挟んで
手に持つ様子は、下のお写真のとおり。
サイズもぎりぎりを目指しましたから、
気持ちよく使っていただけると思います。
前回、台本の紙のサイズがどうなるか?
ということを書きましたが、
実際に
こうして使うシミュレーションをしますと、
A4サイズは少し大き過ぎると感じます。
ですから、もしかすると
ずっとB5のままかもしれません。
紙をめくり、ホールドするのも
気持ちよくできます。
初めてお作りしましたが、
きっとうまくお役に立てるのではないか、
という手ごたえを感じます。
お役に立てていることを願っています。
新しい台本カバーを考える
きっかけを作ってくださったクライアントに
感謝申し上げます。
新しい製品は、
新しいご希望とともに生まれます。
まさに
フルオーダーメイドが生んだ製品です。
この度はありがとうございました。

レッドのコードバン、おそろいの名刺入れ 30605
2023/09/13先日ご紹介しました
お持ち込みのコードバンの
おそろい製品、名刺入れをご紹介します。
今回の2点のご注文には
独特のご希望内容をいただきました。
まずひとつ、それは、
コードバンの厚みを薄くしないこと。
幸いに
あまり厚みのないコードバンでしたから
小物を作っても違和感はありませんでした。
もうひとつは、このコードバンの
ナチュラルな柄をきれいに出すこと、です。
前にご紹介したファスナー財布もですが、
原皮のナチュラルな血筋などを
生かした染め方を施していますから、
この魅力的な仕上がりをステキに見せる、
という目的です。
今回の名刺入れのデザインは
「これいいですね、これにしましょう!」
と、店頭の新しい定番名刺入れを
気に入って、内側の色もお決めになりました。
このご注文者の革への愛はすばらしく、
自然の良さを愛でてくださいます。
傷や血筋を良しとしない傾向のある
日本市場では貴重な、
革の美の持ち方をご理解くださっている
クライアントです。
ですから、ファスナー財布の時も、
質感はナチュラルに、と
革以外の材料は一切使わないよう、
ご希望を承っております。
当店の製法のように
革だけでお作りしますと、
革の性質の良い部分=使い勝手に響く部分
が存分に発揮されます。
それがうまく発揮されるよう、
製品によって、革の厚みにも
驚くほど気を使っています。
最初から存在するかのような製品は、
そんな見えない部分での
製作の挑戦への結論です。
ご理解くださるこちらのクライアントには、
感謝申し上げます。