実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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イタリア革の一枚革のトートバッグ 2302N
2023/08/30お財布をお作りしたクライアントから、
「このバッグがとても使いやすいので、
同じものを作ってほしい。」
というご依頼をいただきました。
典型的な一枚革のイタリア革で作られた、
一見するとシンプルなトートバッグです。
革のお色にはご指定があって、
「このキャメル(見本あり)と、ブラック。」
とのことでした。
イタリア革というのは不思議で、
裏地をつけなくても
製品として成立させられる革があります。
独特の素材です。
革は、ひとくくりに「ヨーロッパ製」
というような言い方はできません。
国によって、素材の特徴が変わるからです。
この方のお好きな革の特徴を持った革は、
なぜか日本には入荷していません。
ですからこのご注文品はまず、
革を探すことから始まりました。
おもしろいことに
似た雰囲気の革に目をつけると、
やはりどれもイタリア製だったりします。
その中から近そうな質感を選びますが、
お色も含めて、おそらく
あまり気に入ってくださりませんでした。
困っておりましたら
「では、これで黒にしましょう。」
と助け船を出してくださいましたので、
こちらからお出しした革見本に
なるべく近い表面イメージの革を取り寄せ、
製作に入りました。
革やさんが意図を組んでくれたので、
革見本としていただいたチップに近い
全体像を持つ革を分けてくれました。
ありがたいことです。
そして見本バッグと
同じにお作りしたわけですが、
見本は、一枚革で作られていても
結構複雑な作り方をしています。
こういう場合、作り方を踏襲しないと
ラインが変わってしまいますから、
ノリで決めたような細部も気にせず
その点までも着実に再現していきます。
とても良い出来でしたが、
ご本人とはお目にかかれないので
どのように感じたかはわかりません。
使った製品は小さくなりますから、
おそらく手に取った新品を
大きく感じたことと思います。
そういうこともお話ししたかったです。
お使いいただいて何か起きましたら
いつでもご相談ください。

頭の中にある理想のファスナー二つ折り財布 2305N
2023/08/28「気に入ったお財布がどこにもないので、
これはもうオーダーしかない、
と思ってやってきました。」
この方は、頭の中にある
ご自分の財布を現実にしようと
ご来店くださいました。
見本になるような財布もなく、
図もありません。
でも間違いなくこの方は、頭の中に
はっきりしたビジョンをお持ちです。
それで
それをどうやって説明しようか、
不安に思っていらしたようです。
こういう場合、私どもの方で
完成品までの地図を作って行きます。
もし「私もそうです。」という方が
いらっしゃるなら、
一度ご相談ください。
さまざまな質問のあと、
お出ししたスケッチ画に
感動してくださりましたが、
「この感じで間違いないですが、
使ったことが無いものなので
ほんとにこれでいいのかがわかりません。
製作に入る前に
ダミーを見せていただけませんか?」
というご依頼をいただきました。
たしかに今回のお財布には
たくさんの要素があります。
カードもたくさん入りますし、
小銭入れと家の鍵も入りますし、
札入れ部分は二か所に分かれています。
この方はレイアウトや使い勝手を
確認したいご様子でしたから、
ダミーを作って、先にお見せしました。
「うん、うん、良い感じでできるんですね。
こんなリアルには想像できませんでした。」
と、ダミーを扱って納得のご様子。
「でも一か所だけ変えられますか?
札入れ部分なんですけど、
片側をこのお財布のように
端が開いているようにできませんか?
ここが開いていれば、きっと札の出し入れが
楽になると思います。」
というわけで、本番では
下のお写真の右側端部分の上
二分の一を切り離しました。
出来上がりはとても気に入ってくださり、
次回のご注文も決めてくださいました。
これほど気に入っていただけて嬉しいです。
ふたつ目ののご注文依頼時には
「いや、ほんとにこのお財布は良いです!
もうずっと使い続けます。良かったです。」
とのご感想。
この調子で
長くお使いいただけることを
願っております。
ありがとうございました。

スマホ&財布用ショルダーバッグ 230601
2023/08/26女性クライアントから
身の回り品用ショルダーバッグを
ご注文いただきました。
長財布、それと同じ大きさの小物と
スマホ、車のキーだけをパッと持って、
車のセンターコンソールに
パッとおけるようなバッグを、と
リクエストいただいたお品です。
柔らかい素材を使って
軽くふっくらと仕上げましたから、
薄く見えてもたっぷり入ります。
センターコンソールにサッと乗せるため、
横幅はとくに、入れるモノに合わせて
最小サイズで仕上げています。
どこかにアクセントを、ということで
ベルト部分にご指定の赤をお入れしました。
バッグ本体の形はお任せでしたが、
ショルダーベルトの付け方は
クライアントのご指示に従っています。
バッグの口に違え違えにお付けする
ショルダーベルトは、
実際にどう使うかで、左右を
お決めいただいています。
小さいのにこれだけ入るバッグは
なかなかありません。
「うわあ、小さく見えますが、
全部ちゃんと入りますね。
どこを探しても
もっと小さなサイズしかないから、
このサイズはほんとに助かります。」
とはピックアップ時のご感想です。
どこに何が入っているか
一目瞭然のこのバッグには、
ふたつの外ポケットがあります。
ひとつはスマホ用で、
この位置のポケットに入れると、
センターコンソールに載せた時に
スマホが出てしまうかもしれませんから、
留めベルトはこのポケットの口まで
留められるようにしています。
こういうことが案外
市販品では見落とされているような
気がします。
こちらの一番小さいポケットには
車のキーが入ります。
車のキーは厚手なので、
それがうまく入って出ないように
ポケットの大きさには工夫がされています。
まさに、これをお持ちになる
この方のためのバッグです。
喜んでいただけて良かったです。
長くご愛用頂けることを願っております。

バッファローカーフの三角ポーチ式クラッチバッグ 230309
2023/08/24「カーフレザーで作った
こういうポーチが欲しいです。」
お見せくださったのは、
やわやわな質感のビニールポーチ。
昔懐かしい形で、私どもが
30年ほど前まで定番としていた形です。
カーフでオーダーしたい、
というご希望が一番だったのですが、
カーフ革のことは
よくご存じないとのことで、
とりあえずお店にある端革をお見せして、
表面スムースのものを
お探しすることにしました。
*カーフとは
生後6か月以内の子牛皮から作られた
総じてしなやかな革ですが、
さまざまな質感があります。
お探ししますと、
牛もですが、バッファローもありました。
牛は少し頼りなさそうですが、
バッファローカーフは
少し荒々しい感じで、丈夫そうで、
カッコいいイメージです。
ご依頼内容と違うので迷いましたが、
バッファローもお見せすることに。
お見せしたところ
バッファローカーフの方を気に入り、
ご注文いただきました。
全体の質感は
現在お持ちのビニール製のように
やわやわな質感にしたいというご希望で、
作りながら「ほんとにこれでいいの?」
と思うほどの柔らかさです。
このタイプのデザインは、通常
かっちりとした硬い革で作る形が多いため、
ここまで柔らかいと
逆に作りにくい感じがあります。
おそらくセオリー通りのモノづくりには
言葉どおりの「理」があるのだと
あらためて感じます。
当店でお受けするフルオーダーメイド品は、
ほとんどが
製作セオリーから逸脱した製品です。
クライアントのご希望内容に
可能な限りお応えしますと
結局はそのような製品になることが多く、
したがって作り方もイレギュラーになります。
開店から43年目を迎えた当店ですが、
どんな素材で、どんな形のご注文が来ても
ハイレベルでお作りしています。
技術の研鑽は一生行いますが、
ここまで来るのにかかった時間を考えますと、
あらためて感慨深い思いがします。
何も知らずオーダーしにいらっしゃる
クライアントのみなさまに、
ご満足いく製品をお届けできるまでに
育ててくださった顧客のみなさまには
感謝申し上げます。
今回のご注文者の方も、
ピックアップ時に喜んでくださって
嬉しかったです。
ありがとうございました。

チケットホルダーのプレゼント品 230606
2023/08/22同じ職場で長く一緒に働いた方へ、
みなさまからの退職プレゼントとして
チケットホルダーのご注文を頂戴しました。
今までにチケット専門のカバーは
お作りしたことがありません。
どんな形にしようか思案しましたが、
たまたまデザイナーが使っていた
おまけでいただいたマスクホルダーの形が、
さまざまなサイズのあるチケットに対して
使いやすいのではないか、
とご提案することになりました。
デザイナーは何をするにもいつも、
好奇心を持って行います。
そういう行動が、
使える引き出しの数
=経験を踏まえたアドバイスの数
を増やしてくれます。
それなら良さそうですね、と
ご賛同いただきましたので、
サイズ等はお任せいただくことに。
チケットサイズをお調べしてみますと、
大きく分けて3種類ほどあります。
一番大きなものもホールドできて、
一番小さなものでも取り出しやすいよう
サイズと仕様を定めてお作りしたのが、
今回ご紹介のチケットホルダーです。
出来上がりをお渡ししましたら、
「しっかりしてますから、
ペラペラのチケットを
きっちりホールドできそうですね。
すごく良い感じの質感です。
それにチケットって、そう、たしかに
一番大きいのはこれくらいありますね。」
とご感想をいただきました。
当店の革はしっかりしていながら、
使っていくと
ちょうど良い柔らかさになります。
使いこなしていただいた時が楽しみです。
初めておいでくださったクライアントですが、
店頭の製品を見て信用してくださり、
色をお決めになる以外は
すべてお任せくださいました。
ご相談者の中には、
とても細かいところまで
ご指定くださる方もいらっしゃいますが、
とくに変わった内容でなければ
ご注文時にも楽をしたいと思う方は、
このように大雑把なご相談方法でも
良いかもしれません。
これまでを通じて
一番たくさんご注文くださった方はいつも、
「こういう目的で、こういうものが欲しい。
分けて入れるのはこれこれで…」と
必要条件だけおっしゃって
あとはすべてお任せでした。
今回プレゼントされる方は、
舞台を見るだけでなく
日常的に本をお読みになるとのことで、
文庫カバーもお揃いでお作りしました。
長く一緒に働いてきて、
趣味に合わせたプレゼントを
差し上げたいと思う
同僚のいらっしゃる職場は、
大変な時でもきっと
楽しい仕事ができたことでしょう。
相手の方に気に入っていただけることを
願っております。