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1点ものショルダーバッグの変形オーダー 304N
2023/08/01「御社のウェブショップには
少しずつ新しいバッグが出てくるので
楽しく拝見してます。
今日はずっと気になっていた形の
実物を見に来ました。」
*ご希望いただいた外ポケット付きの「ペレ」
気になったというバッグは、
「自分が持ちたいバッグ」というお題で
技術者の一人が作ったお品です。
ペレとは、イタリア語で革を指します。
技術者は革の柔らかさを表現したくて、
このバッグをデザインしました。
このバッグの不思議なところは、
何も入れない時より
中身を入れて鞄に重さをかけた時の
形の方が、ゆったりとして
きれいに見えること。
そんなところまで
計算しようと思いますと、
モノを詰めた状態をみつつ
何度か型紙を修正しながらの製作になり、
革の素材自体も
目的に適ったものを選ばなくては
狙ったラインを出すことができません。
幸い当店には私どものオリジナル革
「ルバル」がありますから、
このバッグのラインを
狙い通りきれいに出すことができます。
このオーダー品はその「ルバル」製。
ただし、ウェブショップの1点ものは、
お店の革以外で選んだ貴重な素材で
お作りしています。
小サイズのペレも同じ革ですが、
たまたま思うような
イタリア製の革を見つけて作りました。
大・小どちらにも共通しているのは、
寝ころんだ時のハンモックのように、
中身の人(荷物)の重さで
ゆるりと底面がたぐむところです。
そのたぐんだラインが
革の柔らかさを
目いっぱい引き出してくれる、
というアーティスティックなバッグです。
使い倒した結果の型崩れした形ではなく
うまくゆるりとたぐむバッグは、
脇の下に自然に収まってくれます。
そんなイメージを
視覚的にも訴えてくれるこのバッグを
クライアントは気に入ってくれました。
「でも小サイズの方が好きかしら。」
「ただ
サイズをもう少し大きくしたいのと、
スマホと定期入れの入る
外ポケットを付けて欲しいの。
それから、
裏地を革にしたいです。」
というご要望でお作りしました。
同じデザインではありますが、
使い勝手はかなり変わります。
「この前作っていただいたバッグや
これまで作ってもらったものを
使っていると、
市販のバッグは使う気がしません。」
*ポケットには見えないタイプの外ポケット
最高の誉め言葉をありがとうございます。
このバッグもうまく役立ってくれることを
願っております。
このたびもありがとうございました。

留め金具を使わない、ぴったりサイズのベルトループ 30406
2023/07/30まさに「こだわりのひと品」を
ご紹介します。
小さなお品ですが、
見た目以上の
知恵と技術が必要でした。
ご注文者がこだわってらしたのは、
このベルトループに他でもない
「ピストルナスカン」をつけること、
出来ればこの金具の他に
留め具等金具を使わないこと、
それから、ベルトの太さに合わせて
ループサイズができていること、の
みっつでした。
ひとことで申しますと、
無駄な金具のない、ぴったりサイズの
ピストルナスカン付きループ、です。
たったこれだけの意思の疎通が存外に難しく、
メールだけのご相談のはずが
ご来店いただくことになりました。
お忙しい中
ご来店ありがとうございました。
店頭でお話を伺い、質問等して
きちんとした理解に至ったのですが、
それはわずか15分ほどのお時間。
一番のこだわりは、とにかく
「ピストルナスカンを使うこと」と
わかった瞬間、
すべての疑問が氷解しました。
メールでのご相談は、最初に
ボタンの掛け違いが起こると、
いかにズレが続きまくってしまうか、
が顕著に表れた例と思います。
このボタンの掛け違いは
年に一回あるかないか、という感じです。
それはたいてい
どのようにお使いになるのか、
というご説明がない場合が多く、
形の説明だけをいただくことで
起こることかもしれません。
私どもには、同じものに対しても
数え切れないほどの金具がありますし、
それにはそれぞれ特徴があって、
みあんさまのリクエストに対する
条件に合うモノ、合わないモノがあります。
また、同じようなお品でも
作り方も数種類ありますから、
そのたくさん中から
ピタリとはまるひとつを選ぶには、
どういう目的で、どのように使う、
という情報が必要です。
一度も作ったことのない製品が
世界中にあふれている半面、
普通のお店にはない製作経験も
驚くほどたくさんあります。
その中から当てはまる事例や技術を
依り分けていくことで
最適なコンサルティングができるのですが、
最初から個々の細部まで指定されますと、
実際に作る時に矛盾する部分や
辻褄の合わないところが出て、
どうしてこれを指定された?と
戸惑ってしまうことが出てくる場合も
あります。
そんなわけで、ここ数年でも
珍しいくらい内部で紛糾しましたが、
お会いすることで一気に解決し、
さらに良いご提案もできました。
お会いしてお話しする、ということが
どれほどのものか、あらためて
認識しました。すばらしいことです。
出来上がった製品には
ご指定以外の金具は一切使われていません。
ただ一本だけのステッチで仕上げた
珍しい製品です。
この一本だけのステッチで
作り上げるために、
みなさまにはお見せすることのない
ギミックを使っています。
小さいですが
他では決して考え付かない作り方の
ベルトループは、
お受け取り時に合格をいただけて
ホッと安心しました。
このたびはありがとうございました。

コンパクト財布としてのベルトポケット式カード&小銭入れ 2306N
2023/07/28インバウンドでご注文いただいた製品を
ご紹介します。
当店にはあまり
海外の方はいらっしゃいませんが、
久しぶりにご依頼いただきました。
日本語も英語も
話す方は互いに、あまり、なので、
一度お目にかかって概略を伺った後は
メールでやりとりをしました。
*右がベルトポケットのカード入れ本体で
左はその中に入る小銭入れ
ご依頼内容も珍しいタイプで、
左の小銭入れをカード入れ本体に入れ、
腰のベルトに着けて使うお財布です。
札の入らないカード入れですが、
キャッシュレス時代のコンパクト財布
といった様相です。
*後ろ面は取り外しの利くホック2個留め
小銭入れが薄べったく
留めのないタイプなので、
これは大丈夫かな?と思い
デザイナーは試しで使ってみましたが、
そのまま使い続けているところを見ますと
どうやら使いやすいようです。
*中に仕切りがあるので、カード6枚と
一番奥にカード1枚、小銭入れ、と別入れ
「なるべく小さく、薄くしたい。」
というご希望から、
中身からサイズを割り出す方法で
最小サイズでお作りしています。
全部入れたところが上のお写真ですが、
ひとつの部屋に
みっつの仕切りを付けているので、
中身が入ったまま正面から見ると、
一番下のお写真のように
フタの幅が少し広く見えます。
*小銭入れは平らで、留めのない極薄
小銭入れの使い方は、
デザイナーは試しで
バーティに入れて使っていますが、
これが存外に便利、とのこと。
バーティはお札を折らずに持てることが
大きな特長です。
2~3枚のカードなら一緒に持てますし、
そのうえで、なお足りない小銭入れを
この小銭入れで補ったようです。
*中身がすべて入って本体が膨らんだところ
「この小銭入れ、小さいけれど
意外と量も入るし、浅いので見やすいし、
バーティに入れても嵩張らないし…
これなら
お札を折らないで入れられるジーヴズ
っていうイメージで、
札入れやカード入れと小銭入れを
別々に出さなくて済むから、
けっこう良いかも。」
と、嬉しそうに話しています。
このたびは
斬新なアイデアをありがとうございます。
きっとこれをお読みのみなさまの中にも
「うん!これだ。」という方が
いらっしゃるに違いありません。
ありがとうございました。

25年ほどの時を経て新規ご注文いただいた正統派ブリーフケース 30312
2023/07/26「いまこれを使っているのですが、
そろそろ新しく作ろうかと思います。
ここのところ
持ち手部分の緩みが気になってきました。」
*一代目の鞄
お見せいただいたブリーフケースは、
おおおお、当店が代官山にあった時に
ご注文いただいたオーダー品です!
まだまだ健在で、
お調べしたら、25年ほど前にお作りしました。
「この革は、その時1枚だけお入れした革です!」
デザイナーはそのカバンを撫でています。
「大切に使ってくださいましたね、
ありがとうございます。」
*持ち手の付け根が伸びてきた
さすがにそろそろ
伸び縮みできるようにした持ち手の付け根が
伸びてきています。
これを直すのには大手術が必要なので、
金具部分に少しだけついたキズが気になるなら
新しくお作りするのには賛成です。
この古いカバンを
雨の日用にしていただければ、
新しいカバンの保ちも違いますし。
*内側もまだまだきれい
以前と同じお勤め先ということですが、
とても洗練されて
ご自分のスタイルが出来上がった
クライアントです。
正直以前どんな雰囲気の方であったか
デザイナーは覚えていませんでしたが、
お作りしたカバンを見て
どんな方かを理解した、と言っていました。
*右が一代目、左が二代目の鞄
美意識がはっきりしていらっしゃるし、
このシンプルなデザインを見て、
「これは大変!」と
デザイナーは思ったそうです。
シンメトリーで
何の工夫も無さそうなデザインに
見えると思いますが、
フタのかぶさり具合や
角の丸み、マチの見え方に付いてまで
イメージをお持ちで、
それに沿ってお作りしたものです。
*ここからの写真は今回お作りした鞄
こうしたシンプルなデザインこそ
誤魔化しようがなく、
パッと見たひと目の印象で
誰もがものの良し悪しがわかってしまう
恐ろしいタイプです。
現在使っているカバンの
持ち手の緩みが気になって、というのも
なるほど頷けます。
25年前と違うのはおそらくこの方のお立場で、
お召のスーツなども
お好みは出していますが、
作法に則っておしゃれを愉しんでいます。
そのため、
カバンの金具を変えました。
同じ金具がなかったからなのですが、
デザイナーは、この方にお持ちいただくには
もっとアッパーの雰囲気を
お出しする必要があると思ったようです。
出来上がったふたつのカバンを比べますと、
最初のものは金具がまだ普通な感じですが、
新しくお作りしたものは
エグゼクティブの雰囲気を出しています。
ひとりのクライアントに対して、
その方のお立場が
随分変わったと思われる時に、
それに沿った進化を表現することができるのは、
仕事として嬉しい仕事です。
「これから一生使いますから。」
大事なお仕事をしてらっしゃる
こちらのクライアントを支える鞄を
二代に渡ってお作りできたことは
まことに嬉しいことです。
ご活躍を期待しています。
このたびのご注文も
ありがとうございました。

ダークオレンジのヘビ革、車用のファスナーキーケース 30403
2023/07/24以前ご紹介しましたタバコケースには、
一緒にご注文いただいた
車のキーケースもあり、
下のお写真のようなセットになります。
こちらは単品のキーだけが入るのですが、
これまでのご注文からしますと、
ファスナータイプでお持ちになる方は
かなり珍しいかもしれません。
現在お使いのものは
ガバガバのサイズで気持ち悪いとのこと。
たしかに大きなケースの中で何かが動くと、
音も手当たりも
ちょっと嫌な感じがします。
*キーリングに通しての収納なので
これがぴったりサイズです。
外には家の鍵をつけるとのことで、
二重リングをお付けしています。
そうなると、このケーケース自体が
キーホルダー、ということですね!
普通のキーホルダーの使い方とは
逆張りですが、
なるほどこれもあり、です。
少しダークなオレンジは
ヘビの模様がはっきりしていて個性的。
シルバーのファスナーによく合います。
きれいに仕上がっていますが、
こういう小さなものほど
大きくもなく、小さくもなく、
程よい大きさでお作りすることが
難しくなっていきます。
*右は、サイズ確認のためのダミーケース
美しく出来上がったキーケースの
製作に入る前には、
お写真のような「ダミー」を作って
入り具合を確認します。
この「入り具合」というのが曲者で、
人によって多少違う感覚を持っています。
そのため当店では、
必ず製作責任者とデザイナー、
製作者との3者で確認します。
*こちらも右がダミーケース
このように石橋をたたいて渡る的な
作り方をして
感覚的な部分を補うことで、
正しい「気持ちよく感じるゆとり」を
毎回追求しています。
この部分はフルオーダーメイドの
要のひとつ。
初めてなのに、2点同時のご注文を
ありがとうございました。
長~くお使いくださいね。