実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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25年ほど前のibookショルダーバッグの改造 30110
2023/03/31クライアントの中には
昔の革質を使ってみたい、と
オークションなどでごくたまに出品される
当店製品をお求めくださる方も
いらっしゃいます。
ありがたいことです。
「このバッグは
ショルダー紐が1本でしたけど…」
とお持ち込みくださったのは、
なんと懐かしい、
1999年発売のibook用にお作りした
リュックにもなるショルダーバッグです。
ファスナーの付け方を工夫して、
こんなに薄くても
ibook本体がピタリと入るようにしました。
下のお写真にある外ポケットには
付属の小物が入るような仕組みです。
後ろ面の外ポケットには
今ではスマホや定期入れが入ります。
そしてリュックにする時には
後ろポケットの下方に付いている
Dカンも使って
肩紐になるようにしていました。
なかなか愛らしい形のバッグです。
「こんなに時間が経っているのに、
革がすごく良いとわかりました。
この手触りはなんとも言えませんね。
それで
ショルダーバッグとして使ったのですが、
バッグの厚みがないので
容量が少なくて…
マチをつけて容量を増やせませんか?」
ご依頼に合わせて変身させたバッグが、
上のお写真のバッグです。
オレンジのハイブランドの革を
ミスマッチさせて、
新鮮な表情に変わりました!
ヌメ革のベージュと異素材の組み合わせが
おもしろい雰囲気を出しています。
ファスナーはそのままにして
マチ部分をうまくくっつけましたから、
アクセントのあるイメージです。
容量はかなり増えましたので、
きっと今頃は
日常的に使ってくださっていると思います。
外側の後ろポケットの下に付けていたDカンは
うまく取り去ることができました。
これでショルダーバッグとして持つ時に
身体に当たることもないと思います。
「手持ちの御社のショルダーを
使ってみようと思います。」
同じタイプの革質なので、
違和感なくお持ちいただけることでしょう。
こんなに大事にしてくださって、
ありがたいことです。
そのうちまた、お見せくださいね。

夫君へのプレゼント、100万円入る長財布 30302
2023/03/28
「夫が欲しいと思っているものを
オーダーできた嬉しさで、
出来上がるまでまだ日にちがあるのに
ついついプレゼントのことを
話してしまったんです!
そしたら彼が
御社のウェブページを見始めて…
珍しく長い時間見てから
『好きな絵を入れられるんだ。
ネームも入れて欲しいなあ…』
と言い始めて。
すごく気になったみたいです。
もう一度夫と一緒に行きますから、
どんな風にネームを入れられるか、
絵を入れられるか、
ご説明いただけますか?」
ご注文いただいた後、嬉しそうに
更なるご依頼をいただきました。
二度目のご来店では、
ご主人様の欲しいお財布について
ご本人からお話しいただきました。
奥様は
「彼がこんなに
楽しそうに買い物をするのを
初めて見ました。
こんなにテンション高いのは
ほんとに珍しいですよ。」
とおっしゃいますし、
ご主人様は
「いやあ、楽しかったですよ。
まさか自分が思ったようにできるとは
思いませんでした。」
と応えてくださいました。
お二人で一緒に、
楽しいお買い物体験をしていただけて
良かったです!
100枚のお札が入る長財布への
ご主人様からの特別なご要望は、
生まれ年の干支の絵を描くこと、
そしてお名前も
同じタイプの文字で入れたい、でした。
その他
「長く使っていっても型崩れしない、
硬い感じにして欲しいです。」
という、手触りについてのお好みも
頂戴しました。
こちらは珍しいご要望なので、
当初の財布とは加工の仕方を変えました。
やはりご本人様からお話を伺うことは
大切なことと思います。
お入れした絵は上のお写真のものです。
だいたいの図柄の説明をいただき、
あとはビッカさんが
いくつか下絵を描いて
デザイナーがその中からひとつを選び、
本番では、描きながら
ご依頼者のお好きそうな感じに
修正していきます。
今回の革の色がワインですから、
それに似合うようなお色を
ビッカさんが入れていきます。
ビッカさんが絵を描く時は
アトリエに何日か詰めて、
デザイナーと相談しながら仕上げます。
「あっ、これはいいなあ!」
嬉しそうなご主人様のお顔を見て
にこにこしている奥様がいます。
ステキなプレゼントです。
私たちも、こんなに喜んだ表情は
何度拝見しても良いものです。
ありがとうございます。
末永くお楽しみいただくことを
願っています。

コンパクト財布、上品パープルのクロコダイル札ばさみ 30106
2023/03/262010年から、2年に一度
お財布をご注文くださる
クライアントがいらっしゃいます。
長いお付き合いをありがとうございます。
その方をイメージさせるシックなパープルが、
最初のご訪問から
干支が一回りとちょっとしたところで、
入荷することができました。
しかもクロコダイルです!
長い長い革の探訪でした。
2010年ころといいますと、
きれいな色の革は
退色が避けられない状態でした。
ですから、ブルーやイエロー、ピンクなどを
ご希望いただきますと、
お探しすることが苦痛ですらありました。
当時そういう革は
せっかく苦労してお作りしても、
何年かすると恐ろしいほど
色が変わってしまいましたから、
そのことをご説明し、なるべく
他のお色に変えていただいておりました。
あらためて長い目で見てみますと、
現在では
海外のハイクラスの革が
入ってくるようになったこともありますが、
日本の革づくり自体もかなり変わり、
色の安定はすっかり改善されました。
喜ばしいことです。
本日のシックなパープルのお財布は、
このクライアントにお会いしてからずっと、
この方にもっともお似合いのお色だと
デザイナーが思っていたそのもののお色です。
やっとお作りすることができました。
色だけでなく、仕様に関しても
この13年の間に
キャッシュレスになったことで
お財布事情はずいぶんと変わりましたが、
それはこちらのクライアントにも
だんだんと影響してきました。
当初は驚くほどたくさんの
カードなどが入る長財布を
お作りしてきましたが、
ここ数回は、
どんどんコンパクトになっています。
今回の札ばさみには
珍しいご要望が入っています。
それは、
3枚目のお写真にあるレシートばさみ。
全体の大きさをなるべく小さくしたまま
どうやったら
うまくレシートが挟めるようになるか
よく考え、試作して確認しました。
この方のように
リピートオーダーしてくださる方は、
たいていほとんど、日常生活の中で
現在お使いのアイテムについて、
深く考えてくださいます。
もっと快適にするには?
もっと気持ち良い毎日を過ごすには?
と使う側からのアプローチを
話してくださいます。
そしてそれが
ひとつの形に定まる方もいれば、
毎回楽しみながら
新しい試みに挑戦する方もいらっしゃいます。
デザイナーはそういう方の中に
自分にはない考え方の道筋や
興味深い行動や
新鮮な解決策への道に触れ、
クライアントのみなさまを
深く尊敬するに至ります。
どんな難しいリクエストが出ても
ぱっと、できない、とお断りするのでなく、
まずとにかく
深く考えてから結論を出していくのは、
そういうことがあるからです。
長いお付き合いのみなさまに
心からの感謝を申し上げます。
今度のお財布がさらに福を呼びますよう。

バッグの複数使いまわしについて
2023/03/24気に入ったバッグを
ほぼ同時にいくつかお作りくださった
クライアントが、
最初にお作りしたバッグをお持ちくださいました。
あまりにきれいなので
「どれくらい使ってくださいましたか?」
とお尋ねしますと、
「あの時、同時に、毎日使うバッグも
ふたつ作っていただきましたから、
普段はそちらを使いまわして、
これは大好きなバッグなので
大事に大事に使っています。」
「この丸い形で、お入れになるものは
すべて入りますか?」
「もちろん大丈夫です。
でも私は荷物が多いので、
あまり消耗させないように、と
これを大事に使っていたわけです。
とても軽いので、
きっとずっと長く
持つことができると思いますから。」
複数個を使いまわしていただくことで、
一つひとつのバッグの寿命は、
比べものにならないくらい長くなります。
中身のお写真を撮らせていただきましたが、
たしかにみっちりとお荷物が入っています。
これだけ荷物が入るバッグでも
見かけからは程遠い軽さですから、
相当な年齢までお持ちいただけると思います。
でも、どうぞお若い今のうちから
どんどんお使いくださいね。
お会いするたび
目指すゴールに近づいていくクライアント。
生き生きとした瞳と表情に
お会いすると、
私どもももう少し頑張ろう、と思います。
それにしても、このように
以前お作りしたものを見せていただくと、
みなさまがご自分の分身のように
思ってくださる、
製品自体の幸せにも気づきます。
ありがとうございます。

複雑ながま口小銭入れ付き二つ折り財布 30107
2023/03/22「このキャッシュレス時代に
がま口財布を探さなくてはならないって、
まったくどうした話でしょう?」
と言いつつ
「別のタイプもいくつか買いましたが、
やっぱりこの財布が良いのです。
他のを使うと、ストレスを感じます。」
クライアントが
説明のためにお持ちくださったのは、
下のお写真の右側にある
黒い紙で作った試作品。
「現在の見本財布に
もっと機能が欲しいと思ったのですが、
どうやって説明して良いかわからなくて
紙で作ってきました。」
すばらしい発想で、ありがたいことです。
おかげさまで
ご相談はあっという間に進みます。
また、ご来店前に
メールでお問い合わせくださったので、
「がま口財布は希望の寸法金具を探すのが
第一関門で、
もしなければお作りできない場合も
あります。」
とお書きしましたら、
ご自分で金具を探し、お買い求めくださり、
持ち込んでくださいました。
それを愉しんでやってらっしゃるのも
わかりまして、感謝感謝です。
この方のご職業が
ものを作る仕事に関係しておりますから、
金具だけでなく、いろいろな説明も
あっという間にご理解くださいました。
見本財布と同じ幅の金具が
よくぞあったものだと思いますが、
やはり少しサイズの違うところがあり、
そのために
全体サイズは少し大きくなりそうです。
それを快く受け入れていただき、
今回の製作に至っています。
お受け取り時に
「いやあ、
どこまで思ったとおりできるかな、
と、多少は思う気持ちがありましたが、
完璧に作ってくれましたね!」
とおっしゃってくださったのは、
ほんとに嬉しい反応でした。
出来立てで、まだピンシャンしていて
硬い革の感じですが、
使っていくことで
どんどん柔らかく馴染んで行きます。
そうすると、サイズも小さくなってきます。
「そうですか、小さくなるんですか。」
嬉しそうなお顔が忘れられません。
がま口財布の製作には
さまざまな落とし穴が必ずありますが、
これも例外ではありませんでした。
納期は少し過ぎてしまいましたが、
こういうストレートな
嬉しい反応をいただけますと、
心から「良かった…」と思えるのが
技術者です。
お礼のメールまで頂戴し、
ありがとうございました。
何かあったらいつでもご相談ください。