革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2017.10.15

バッグのようなリュックのフルオーダーメイド

このリュックをお作りするのに

三度のご相談を重ねたクライアント。

 

以前小物をお作りしましたから、

当店のことをよくご理解くださっている

クライアントです。

 

ですから、オーダー前には

さまざまな内容を

ご自分で吟味してくださる、

私どもの仕事のすばらしい理解者です。

 

ベージュ色の四角い形のリュック|オーソドキシー銀座

 

なのになぜ

このリュックに至るまで

三回という回数が必要だったか?

 

これはとても興味深いお話で、

きっとオーダーメイドしたいと

お考えになっている方には、

参考にしていただけると思います。

 

マチ付きの内縫いで仕上げている

 

一回目のご来店時にクライアントは、

まず、おおまかなイメージで

トートバッグについて

お尋ねになりました。

 

というのも、今現在は

リュックを使っているので、

今回は少しきちんとしたアイテムを

持ちたいのだ、ということで

オーダーメイドを選択なさったのです。

 

そこで、大体のお見積もりをお出しし、

もう少し検討しましょうか、

ということで、お話は次回へ…

 

二回目ご来店のクライアントは、

今度はご自分でお描きになった

スケッチ画をご持参くださいました。

 

そのアイテムは、前回の続きで

やはりトートバッグです。

なかなかよく考えられています。

 

そこで、スケッチを拝見しつつ

細かい部分の作りについてまで

お話ししていましたが、

デザイナーもクライアントも

なんとなく表情に冴えがありません。

気乗りがしない、と言えばいいのか…

 

背面にはスマホ用ポケット付き|オーソドキシー銀座

 

それは、リクエストの内容に

矛盾する箇所があり、デザイナーは

しばし黙考し、それならばと

その解決方法をお出ししたようですが、

クライアントの方はといえば、

ご自分の当初のリクエストが

矛盾していた内容を自覚され、

mm~という感じになったようです。

 

デザイナーはというと

やはりすっきりしてない感じです。

後から聞くと

「なんかアイテム自体に

どこか違和感があって…」

ということでした。

 

そして、三回目のご来店

となったのですが…

 

肩掛け用ストラップと持ち手付き|オーソドキシー銀座

 

急転直下!

なんとアイテムはトートバッグでなく

結果的に、リュックとなりました。

それは、デザイナーの次のことばが

決め手になったようです。

 

「いつもそのリュックをお持ちですよね、

そして毎回、それが

使いにくくって嫌なんですけど、

とおっしゃっていますが、

同時に

すごく気に入ってる、とも

毎回おっしゃいますよね!

 

それに、荷物が重いから

ほんとはリュックが楽だとも

おっしゃいますよね。」

 

かぶせを開けたところ|オーソドキシー銀座

 

「トートバッグのお話の最中に恐縮です。

そのリュックについて、少し

お尋ねしてもよろしいでしょうか?」

と何だか話は

別方向へ向かっています。

 

いろいろとお話を伺うと

この方は、今お持ちのリュックを

ふたつ買い求めた、という事実が

わかりました。

そこまで気に入ってらっしゃるのです!

 

するとデザイナーは

お持ちのリュックのどこが好きで

どこが嫌いかなのを探って行きます。

 

同じものでも、使う人によって

気に入っている点が、それぞれ

まったく違っていることは

少なくありません。

 

 

内側はナイロン素材で沢山ポケットが付いている|オーソドキシー銀座

 

それをきちんと把握することで、

なぜ当初クライアントが

あえてトートバッグを

オーダーしようとしたのかまで

洗い出すことが出来ます。

 

「そもそもオーダーアイテムが

違っていたのではありませんか?」

出発点に立ち帰り、デザイナーは

そう考えた理由もご説明しました。

ふたりの顔がぱっと輝きました。

 

それがこのフルオーダー品です。

クライアントの思いと

デザイナーの観察眼から生み出された、

持つ方にもっとも適したお品です。

 

絶妙のコンビネーションで

生まれたお品です。

ありがとうございました。

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