革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2018.08.14

5年もの、ブリーフケースのマチ取り換え 81

5年ほど前にお作りした

メンズブリーフケース。

「毎日使っているんですよ、

それでそろそろ傷んできて…

直していただきたいのですが。」

 

手当たりが良く、軽くて、

どこに何が入っているか

一目瞭然のため、

とても重宝しています、

とおっしゃってくださいました。

ありがとうございます。

 

 

当店の鞄は

軽く軽くお作りしていますが、

 

以前からお書きしているように、

革の鞄の保ちの長さは

革の厚みと重さに比例しますので、

一生もの、というわけには

まいりません。

 

 

重くて、使う時に

気持ちまで重くなってしまうものより、

 

軽く、颯爽とお出かけいただき、

良い仕事をしていただいたり、

嬉しくてうきうきするような気持ちで

外出をしていただきたいと思って

お作りしています。

 

毎日のことですから、

ちょっとしたことが

気分を左右します。

 

 

そんなわけでお作りしたこの鞄、

やはりマチの角部分が

一番最初に破れてきました。

 

この部分は

鞄の中で最も擦れの多い場所なので、

どんな鞄でも

一番最初に擦れて色が白くなったり、

時間が経つと破けたりしていきます。

 

 

ですが、

使った革のこなれたカッコよさがあり、

新品にはありえない魅力が出てきます。

 

それで、このクライアントも

リクエストしてくださったのですが、

「なるべく今の革を使っていただいた

修理をしてください。」

とおっしゃってくださいます。

 

 

この鞄のこなれ感、

じつは、見た目だけのものではありません。

 

手になじみ、

まるで自分の身体の一部のように

感じるほど、

身体と一体化してくれます。

 

ですから、

最近リピートしてくださるクライアントは、

当店のお品を使って、20年ほどの

お時間が経っている方々です。

嬉しいですね、ありがとうございます。

 

 

この一番劣化の激しいマチ部分、

修理するのも

一番大変な箇所です。

 

革製品の修理というのは、

製作手順のビデオがあるとすると、

その修理箇所を作る手順のところまで

きちんと巻き戻してから、

行う必要があります。

 

「マチをつける作業」は

一番最後の方ですが、

全部ばらばらにしないと

修理することができないところが、

難しいのです。

 

なるべく余分な針孔を開けないよう、

なるべく修理によって劣化させないよう、

最新の注意を払ってお直しします。

 

でもこの修理をすることによって、

また同じ年数お持ちいただくことができます。

 

気に入ったものを

修理しながら長くお使いくださる

当店のクライアントのみなさま、

ほんとうにありがとうございます。

感謝感謝です。

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