革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2019.04.15

身の回り品を持ち歩く、小さなショルダーバッグ 88

「懸案の、身の回り品を入れる

ショルダーバッグですが、

そろそろ話を詰めたいと思います。」

 

長いお付き合いのクライアントの方々は

たいてい、次に欲しいものの

アウトラインを

メールやご来店などで

一度お話しくださいます。

 

 

今回のクライアントもそんなわけで、

以前のご注文品のお受け取り時に

ご自分の使っている

ショルダーバッグの

良いところと悪いところを

お話くださいました。

 

実際によくお使いだと伺うと、

そのショルダーバッグの

どこが気に入ってらっしゃるのか、

よく理解できます。

 

 

そうなってきますと、

その使ってらっしゃるオリジナルが

もっともよい形だと

よくわかるだけに、

 

その形を抜け出て、

さらに新しいアプローチを

ご提案することは、

ほんとうに苦しく、大変なことです。

 

 

なぜなら

鞄や財布の製作にはセオリーがあり、

みなさまが思っていらっしゃるより

ずっと論理的に

最終形が決定するからです。

 

そのようにして決まっている

最終決定型を

生涯最高の位置づけで使ってらっしゃる方に、

 

原型を崩しつつ変化させていくことは、

現物を目の前にすると

さらに難しいことになります。

 

 

しかし

追い詰められれば追い詰められるほど

熟練の脳細胞は

新しいアプローチを生み出してくれます。

 

そんな紆余曲折を経て出来上がった

このバッグですが、

とても珍しい形をしています。

 

小さい大きさなのですが、

内装も簡単そうに見えるでしょうが、

目的のある

微妙なサイズのポケットばかり。

 

なるべく長く使いたいということで

丈夫さも追及していますから、

内ポケットの口には

カシメを留めています。

 

今回も無事、

すばらしいバッグが出来上がりました。

 

いやはや、毎回

ハラハラすることばかりですが、

喜んでいただけて良かったです。

このたびもありがとうございました。

 

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