2020.02.24

手縫いでかっちりした、大きなサングラス用ケース 98

当店の定番メガネケース

柔らかく、非常にコンパクトサイズで、

ご覧になった誰もが

かなり驚いてくださいます。

それでじつは、密かに売れ行きの良いお品です。

 

メガネ屋さんでくれたり、

売っているタイプのハードケースとは

正反対のコンセプトでお作りしています。

 

それは、革の性質を考えると、

当店のご提案のタイプの方が自然で、

無理せず作れるから、という理由と

 

 

デザイナーとしては、

大きなハードケースを持ち歩くのはイヤ、

根本的に、持ち歩くものは小さなケースにしたい、

という自分の希望から導き出した

定番だからです。

 

本日ご紹介するのは、

圧倒的に男性からの支持を得て

ご注文に至る、ハードケース。

ローランドさまにも複数お作りしています。

 

それはたいてい、

中にお入れになるサングラスの

こめかみ部分の立ち上がりが

かなり高いサングラス用だからです。

 

こういうサングラスをソフトケースに入れるのは

さすがにお薦めできません。

 

 

こういう時には

どこから押されてもびくともしないよう、

硬く、かっちりと仕上げます。

ですから、こういった作りの場合

ミシンでの製作は不可能なので、

手縫いで仕上げることになります。

 

 

手縫いと言えば、

世の中には「手縫い」であることに

大きな価値を置いている革製品があります。

 

そして

そういう製品を作っている人たちは

たいてい

「手縫いはミシン縫いより丈夫です。」

と一様に同じ謳い文句を掲げていますが、

 

 

これは間違いなく、単なる「誤解」です。

 

なぜそんなことを言えるかというと、

38年の歴史を持つ当店が、

長い間続けてきたからこそ可能であった

たくさんの自社オーダー品の追跡と、

たくさんの来客から見せていただいた

某有名ブランドの手縫い製品などから、

自然に導き出された

単なる「検証結果」だからです。

 

 

デザイナーは

手縫いについてこう言います。

「手縫いの針目は、すごいプロのものあれば、

ほんとうに美しくて、ため息が出るくらい。

どうあってもミシン製作ではかないません。

厚い革もきれいに縫えるし…

 

でも、うちで注文が入るような

複雑な注文品に対してだと、

まったくナンセンスな縫い方になってしまう。

こんな複雑なものは

手縫いで作れるものではありません。」

 

それではなぜ、いまだに

「手縫い」が存続しているか?

 

それはミシンがなかった時代の技術ですから、

ミシンや漉き器がなくても作れる、という

大きな利点があるからかも知れません。

また、

誰もが比較的簡単に始められます。

 

縫う前の材料を揃える時にも

ミシン製作に対する時ほど

スペースが要りませんから、

勉強机の前にいながら

椅子の上で編み物をする感じ、とでも言えば

イメージがお分かりいただけるでしょうか。

 

そんなわけで、手縫いだけで作られている

品々の仕様は基本、単純です。

 

某有名ブランドのお品でも

少々複雑な仕様になってくると、

ミシン縫いを使っている部分もあるくらいです。

 

 

当店には4人の技術者がいますが、

製作物は手のひらよりも小さい小物から、

 

一人が支え、

もう一人が縫う必要のある大物まで

千差万別、さまざまなアイテムがありますから、

ミシン5台、漉き器2台、

90×180センチの作業台が

技術者の人数分で、4台あります。

 

クライアントのみなさまには、

大きな作業台一台を担当している

各オーダー製作を受け持つ専属技術者を

ひとり、一定期間

(型紙作り、革のカット、組み立て製作、

仕上げまで、すべての工程が終わるまで)

キープしていただくことになります。

 

こんなところからも、

たとえ一点だけを作るにせよ、

ほんとうのフルオーダーを可能にするには

広いスペースは必須なのだ、と

お分かりいただけることと思います。