革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2020.03.7

フルオーダーメイド、他社の受注&製作方法と、ベルトの伸長オーダー

当店のクライアントの中には、

エルメスやルイ・ヴィトンなどの

本店オーダールームを

直接、訪ねていた方もいらっしゃいます。

 

先日

長いお付き合いのクライアントから

興味深いお話を伺いました。

 

 

ここで話はいったん変わります。

本日のお写真は、先日お作りした

ベルトを、10センチ長くするというご依頼に

お応えしたものです。

 

プレゼントした方のウエストが

急に10センチ増えたそうです。

おいしいものを召し上がってらっしゃる。

 

作り直してもよかったのですが、

記念のコインをもう一度付け直すことには

問題がありそうだったので、

今回のようなご提案をしました。

 

当店でお作りしたお品に対しては、

いろいろなサポートを行っています。

何でもご相談ください。

 

 

お写真の中で

一枚目は見本品のオリジナル通りに

お作りしたもので、二枚目が今回の直し方。

最後のお写真ですと

はっきり違いがお判りいただけるでしょうか…

 

かえってコイン部分がアクセントになり、

良い感じになったと思います。

 

さて、お話を戻しましょう。

「僕 久しぶりに

エルメス本店のアトリエを

案内してもらったんですよ。

 

そうそう、あそこにも

女性デザイナーがいましてね、

60代くらいかな、

いろいろ話を聞きながら

ささっと絵を描いていくんです。

今野さんと同じですよね。

 

それから

革をたくさん見せてくれるんですがね、

クロコダイルだって、たくさんありましたよ。

 

あらためて考えてみると、

ここと仕事の仕方がそっくりです。」

 

 

この逸話は決して、

うちがエルメスと同じやり方をしている、

という自慢ではありません。

 

フルオーダーという仕事をするなら、

同じ到達点になるはずですから。

 

海外やアパレル業界で

修業したことがなくても、

 

この仕事について

真摯に、理性的に考えていけば

同じ答えが出るはずです。

 

作る人とデザイナーは、分業。

 

デザイナーは、クライアントの話を

よく聞いてからデザインする、という

即興性が必要とされます。

だから、経験が豊富であればあるほどいい。

60代の女性、というのは適役と思います。

 

作る人も同じメゾン(建物)にいて、

常にデザイナーと行き来ができることも重要。

 

そして同じく、そのメゾン内に

革置き場もアトリエも、相談室もあることは

欠かせません。

 

 

やっていることは同じでも、

さすがは歴史ある大店。

 

「ああ、そうですよ、

製品は流れ作業で作られてましたね。

革を切る人は切るだけ、

縫う人も部分によって違ってましたし…

 

そういう、いわゆる”工場”みたいなところも

パリにあるんですよ、びっくりしました。

 

ほんとの職人さん?

数は少ないけれど、いましたね。

ああいう人がきっと、

何でも作れるんだろうな。」

 

当店には、ほんとの職人が4人います。

でもきっと、こうした技術者は

どこのメゾンもそのくらいの数ではないか、

と想像します。

 

この技術ある技術者たちの技術を

どうやって新しい世代に継いでいくか、

どのメゾンでも課題となっていると思います。

 

このお話をしてくださったクライアントは、

その後、毎日ご自分で使うこだわりのお品を

ご注文くださいました。

 

ご注文という支えあっての、フルオーダー店です。

ありがとうございます。

 

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