2020.04.14

気仙沼シャークのとても丈夫なキーケース

今までこのブログでは、過去の

オーダー例ばかりをご紹介してきましたが、

 

今日から少しの間

当店の一点もの製品がどのような考えのもとに

素材と形を選んでお作りしているか、

ご紹介していきたいと思います。

 

一回目はシャーク(サメ)革で

作った6連キーホルダー

 

水生生物の革は

おしなべて牛革より丈夫なので、

もっともヘビーローテーションされる

キーホルダーや小さなお財布などに、

すごく向いています。

 

そしてこのキーホルダーには、

車用のキーでも入るものがあります。

そのために ゆとりある6連にしています。

 

 

まずは、どうして一点ものにするか

という理由からご説明しますが、

直球でお答えすると、

クライアントからご注文いただいた

特別な革は、

全部使いきることがないからです。

 

そのうえ、

小さなものでも2点作れるほどは

残りません。

それで自然と一点ものになってしまいます。

 

大きくてきれいな場所は

ご注文者のためにすべて使いますが、

その他の場所がまだまだ使えますので、

そういった部分でお作りしているのが、

当店の一点もの小物。

だからお得なお値段でお出ししています。

 

そういうことから小さいお品が多いのですが、

却っておもしろい斑柄で、

世界でただ一点だけのものになったりします。

 

革は小さくても稀少で高価ですから、

使えるところはすべて使って、

生きた使い方をするよう心がけています。

 

それでも

使えない場所(伸びてしまうところとか、

穴が開いている場所、

皺だったり、キズがある個所、などなど)が

けっこうあり、

革には、捨てる部分が多いと思います。

 

ナイロンやビニール、布、

顔料仕上げの革、といったような

工業製品の素材には

そういった箇所がほとんどありませんから、

羨ましいことです。

 

そういう捨てなくてはならない場所が、

いままでにもご説明してきた

「見えない材料費」になります。

 

 

さて、話をキーホルダーに戻しますと、

まずこのグリーンの革は、

気仙沼シャーク(サメ)の革。

 

シャークの産地は、

一昨年くらいまでは

気仙沼のものがあったのですが、

 

今は南米産の

ヨシキリザメがほとんど。

 

このお品は、貴重な気仙沼シャークです。

環境や経済状況によって、

革の産地もどんどん変わっています。

 

おもしろい話ですが、

今まで見てきましたら、

気仙沼シャークの柄の方が

ヨシキリザメに比べて

ノーブルな感じの模様です。

 

これは皆で推測している余談ですが、

南米の海流の方がずっときついことから

気仙沼シャークの柄の方が柔らかいのではないか、

という話があるくらい違っています。

 

もちろんこの黒い線は、

自然のサメの身体の模様(斑柄)。

自然とはなんとすばらしいものを

創り上げるのでしょう!

 

 

またこのグリーンのお色を付けた革は、

ほとんど入手することができません。

かなり珍しいお色のサメ革です。

 

これが使って行くとどうなるかというと、

下のお写真をご覧ください。

 

こちらは当店の技術者が気に入って作った

一枚入れの定期入れで、

もう3年ほど使った同じ色の革。

 

最初の、マットな感じで

起毛したような革の表面は

既にすっかり変化して

ツルツルの表面になり、

お色はほとんど黒のように見えます。

 

 

革のおもしろさは、経年変化にあります。

色がどんどん変わっていきます。

 

そして革の良さは

長持ちして、手触りが良くなること。

 

最初の起毛感も気持ちよいですが、

使って行ってここまでツルツルになると

まるでこれはもう、別の革!

 

究極の革の楽しさは、

革は育てるのに時間がかかり、

自分の手で育てていくしかない、ということ。

 

店頭にある使用見本を見て

「これを売ってくれませんか?」という

人もお出でになるほど、

使い込んだお品は、それぞれ素敵です。

 

当店では、

そんな魅力ある革ばかりを扱っています。

ぜひ10年単位でお試しください。