2015.04.28
ベルトどめの二つ折り財布 フルオーダーメイド
「パートナーが
もうぼろぼろになったお財布を使っているので、
新しいものをプレゼントしたいと思います。
こんなお財布を作れますか?」
とお写真をお送りくださったお客様。
拝見したお写真からは、
間違いなくお作りすることができると分かりました。
「しかし、人によってどこが気に入っているのか
このポイントが違いますので、
一度拝見できると嬉しいのですが。。」
とお願いしたところ、
「とにかくこれしか使わないんですよ。
他のものにしようと提案しても、絶対ダメです。
すごいこだわりがあるようなので、
では一度、お店をお訪ねしましょう。」
と、ご来店頂きました。
「じつはこれ、随分前に気に入って
かなり使ってます。
新しいのを買いに行ったら、もう作ってないと。
それでどうしようかと・・・」
厚い1枚革で作ったラフな雰囲気の財布ですが、
ノリと勢いで作った、イキのいいお財布です。
おそらく若い人が作った一点ものに違いありません。
再現しようとすると
まだ拙いところがあって、そこを再現するのが
返って難しい仕上げ方になっています。
当店の若い頃もそうでしたが、
まだ論理的に成長期にある製作者は、しばしば
成熟してないがための斬新な方法で作ります。
そういう勢いを感じるお品を作る時代を経て、
成熟した製作者は
美しく、矛盾のないものを作るようになります。
今日は、そんな若い勢いを思い出した一日でした。