2016.12.8
底マチに厚みのあるお財布バッグ フルオーダーメイド
久々、大幅な修正を余儀なくされた
高難易度のお財布バッグをご紹介します。
「黄色い革でお財布が欲しいです。
現在使っているものを元にして、
ほとんど同じに作ってください。」
お出でになったクライアントは
ぶ厚い長財布を見せてくれました。
最初のできあがりのお写真で
お分かりいただけるように、
ほとんどバッグの大きさの長財布です。
現在お使いのものは
縦横の寸法的に一般的な財布と比べて
一回り大きいのですが、
お財布自体がゆがむほど
たくさんの中身が入っておりました。
それで、そっくりとは言わず
底マチの厚みを厚くして
かぶせの側の厚みもかなり足すことに。
ご覧のように、部屋も4部屋、
その他仕切りやファスナーポケットもあり
中身がたくさん入るようになっていますが、
現在入っている状態を拝見して、
当初は下のお写真くらいでお作りしました。
ところが、実際に入れてみると
無理やり入れることはできますが、
何とも見苦しいことになってしまいます。
使っていくうちに革は伸びていきます。
しかしそれにしても、
絶対的に底マチのスペースが足りない。
そこで次に、ここまで厚くしました。
もはや財布というよりは、バッグです。
今までに作ったお財布の中で
もっとも底のスペース分があるお財布です。
黄色のお色にもこだわりをお持ちなので
ずいぶんと革もお探ししました。
珍しい
タンニンなめしのレモンイエローです。
出来上がった時のサイズを想像しますと、
当初は計画になかった持ち手を
付けた方がいいのではないかと思い、
クライアントにお薦めしました。
この底の厚みでは
手で持つのも大変そうです。
裏面には外ポケットがありますから
これをうまく使っていただこうと思うと、
なおさら持ち手はあった方がいい状況。
この持ち手は
クライアントの手にぴったり合うサイズで
お作りしています。
中身に合わせて
製作物の厚み分を考えるのは
ほんとうに難しいことです。
小物をお作りするうえで、
これがもっとも難しい内容でしょう。
計測数値や一般的な常識からは、
出すことのできない数字だと感じます。