革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2018.03.16

当店特製牛革、オレンジカラーのリーガルパッドカバー

栃木レザー(株)による

当店の特製牛革の色揃えは、

ベーシック系で6色ですが、

たまにブラウンがかったグレーとか

本日ご紹介するオレンジを

作っていただく時があります。

 

そんな時は

他社で大量に作るものに

便乗させていただき、

色の調整をしていただきます。

 

 

色を染める素材にはみな、

1ロットと呼ばれる製作単位があります。

 

糸も毛糸も、革も、布も…

IT技術が発達してきたことで

プリント柄などは昔の1ロットとは

違う単位で製作できるようになりましたが、

基本、染料を使い、

水などで溶くタイプの染色の場合には

最小単位があります。

 

それは、同時に複数染めないと、

同じ色で染めが出来ないからです。

あと、ものすごい手間がかかるのに、

一枚一枚染めていたら…

手の出ないほど高価になってしまいます。

 

ロットによって色が違う、というのは

ここからきています。

 

同じレシピで作っても、

太陽光や気温や湿度、水温という

ほんのちょっとした加減で、

同じ色目でも

明るくなったり暗くなったりします。

 

ほんの1%、染料を作る時に

風で舞ったり、こぼしたりしても、

強く出る色が変わることもあります。

 

 

栃木レザー(株)の牛革は

一色で15枚ほどが1ロットですが、

当店のものはもう少し少なめで

作ってくださっています。

そういう意味でも特別製です。

 

それはなぜかと言いますと…

 

栃木レザー(株)で

個別に製作している革は、

当店以外のものは

量産品の製作会社用がほとんどですから、

最終的な染色加工は

顔料で仕上げることになるからです。

 

 

良い悪いの問題ではなく、

量産品というのは

一枚の革から出来るだけたくさんの

パーツを取りたいですから、

顔料を使って

表面をお化粧することで

効率が良くなります。

 

それだけでなく、

量産品は機械がパーツを取りますから、

革の表面に

当確のはっきりしない傷があると

仕事が止まってしまいます。

 

パーツを冷徹に無駄なくたくさん取る

と考えたら、革の表面を

顔料できれいに整えておかないと

それが出来なくなってしまうのですね、

だからきちんと加工するんです。

 

 

それともうひとつ、

量産品のコバの処理の仕方、

これも、

量産品の製作方法は

当店と同じ革を使えない方法です。

 

逆に申しますと、

一点一点製作している当店では

量産品と同じタイプの革素材を

使うことが出来ない、ということ。

 

これは高価にしようとして

行っていることではなく、

量産品には製作できないものを

作るために必要な素材作りで、

まさに適材適所なのです。

 

 

量産品は、材料や製作方法を工夫し

なるべく手間を掛けずにたくさん作って、

たくさんの人に

リーズナブルな価格で提供することを

目指しているお品です。

 

当店フルオーダーメイドは、

ひとりひとりに見合った

美しく使い勝手の良いものをお作りして

長くお使いいただくもの。

 

当店のお品は、技術的には、

小物に使う技術から

バッグ類に使う技術までのすべてを、

たったひとつのオーダー品に

詰め込むことで成立する作業です。

 

みなさまには、量産品とオーダー品の

両者をうまく使うことで、

無駄な出費のない

便利で快適な毎日を

お過ごしいただくことが出来ます。

 

本日ご紹介のリーガルパッドは、

奥様から旦那様への贈り物でした。

旦那様はたいへん喜んで、

毎日使ってくださっているそうです。

 

上の写真にある紺色のものは

ご注文の際、奥様がお持ちくださった

旦那様の使っている現行品。

それが、奥様の観察とコンサルを通じて

オレンジのお品のように

メタモルフォーゼしました。

ありがとうございました。

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