革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2018.10.31

グリーンとピンクのショルダーバッグ 85

「このバッグが気に入ってるんですが

そろそろダメかな、という感じなので

新たに作っていただきたいんです。」

 

変わったバッグを

お持ち込みいただきました。

なるほどこういう

製作アプローチも、確かにあるなあ、

という珍しい構造でした。

 

なぜクライアントが

このバッグの使い勝手に満足しているのか、

容易に納得できる

使い勝手のいい、優れたバッグです。

 

 

バッグの製作者として

お持ち込みいただいたバッグを見るとき

まずは構造的な内容に注目します。

どんな考え方で構築されたものなのか?

 

そうして製作トレースしていきますと、

なぜここがこうなって、

どういう根拠からそうしたのか、

ほとんどすべての部分において

謎解きができます。

 

バッグの製作というものは、

それほどまでに論理的です。

 

 

いつもお書きしていますが、

昔のバッグの方が、格段に

おもしろい推理ゲームになります。

 

こういう作り方をここに使うか!

といったことがあると、

わくわくして、嬉しくなります。

 

 

ですから、その会社のデザイナーが

紙の上でデザインしたバッグを、

技術者が苦労して

なんとか形にしたバッグなのか、

 

それとも、作り手が関わりつつ

形になっていったバッグなのか、

 

はたまた、技術者が新しい角度の

技術の使い方にトライしたものなのか、

なんとなくわかります。

 

 

「なぜフルオーダーで

バッグを作るお店がないんですか?」

よく訊かれる質問ですが、

 

その答えのひとつは、

まずフルオーダーの場合、

無限というほどの数の

技術の組み合わせが必要だからです。

 

また、技術の組み合わせ以前に

その基礎になる技術も

相当数あります。

 

ひとつひとつの形の

それぞれにノウハウがある、

と言っても過言ではありません。

複雑極まりない作業になりがちです。

 

 

最近の量産品の構造は

とても単純になってきた気がします。

複雑な構造のものは、多分ほとんどが

ハイブランドの製品でしょう。

 

そう考えていきますと、

工場が量産品に対応する技術も

限られたものになってくるでしょう。

 

単純に、価格を抑えるため、あえて

面倒なことをしないのかもしれませんが…

 

今回、クライアントの

このバッグへのこだわりは、

色にもありました。

 

型押しのグリーンをご希望で、

内側はきれいなピンクか赤を

ご希望いただきました。

 

たまたま見つけた裏地が

このきれいなピンクで、

とても喜んでいただきました。

嬉しいですね!

 

 

まず最初に「色」に目を留める方が

多いかと思います。

 

そして、「もっとこうだったらいいのに」

というご希望も出ることでしょう。

 

見本の形があるバッグでしたら、

それが最も適した構造なはずですが、

さらに当店の知識と技術を駆使して

 

あなたにとっての最高のものに

仕立て上げます。

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