革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.09.25

お気に入りのメガネケース を革で… 203

気に入っている形を

革素材で作りたい、という方も

たびたびおいでです。

 

ビニールや合皮で作られたアイテムでも

使い勝手が気に入っていれば、

良い手触りや

長く使えることを求めて、

革でオーダーする方が少なくありません。

市販品も、よく考えられていますから。

 

たまたま本日おいでになったクライアントに、

量産品がどんな努力をどれだけしているか

というお話をしたところ、

とてもおもしろがってくださったので、

これからそれをちょっとお書きしてみましょう。

 

 

当店の革製品ですと、

ビニールや合皮に負けなくらい軽量で

コンパクトですが、

 

一般的な作り方の革製品になると、

雑材(ビニールや合皮などの意)の方が

革よりも嵩張らなくて軽い傾向にあります。

 

ただ仕様に関しては、市販品の革製品には

よく考えられたものが多い、と感じます。

そこで今日は、そうした市販品の

優れたところをお話します。

 

 

ともかくそれは、「お値段」に集約されます。

凝っているにもかかわらず、

こなれているなあ、と感じます。

 

市販品も、当店フルオーダーメイドで

一点だけ作るものに対すると同じように、

デザイン→試作→型紙づくり→本番製作

という手順を踏みますが、

 

たくさんの数量を作るため、

その手順にかかった手間暇(金額)を

その数で割ることが出来ます。

それはかなり大きなメリットです。

 

また、材料もまとめてたくさん買えますし

(まとめることで安価に作れる革があります)

何といっても、たった一日で

驚くほどたくさんの製品を作れることが、

わたしたちフルオーダーメイドからすると、

まさに驚きの事実です。

 

その革材料の均一な表面加工も、

パーツの大きさも、どうやって

より効率よく取ることが出来るようにするか、

も常に課題になっているはずです。

 

 

製作面では、工程数を少なめにするよう

考えに考えた製品も、

市販品には増えています。

 

作り方の簡略化の手段として

比較的単純なやり方は、

裏地を付けなかったり、

縫う部分を極端に減らしたり、

一筆書きのように組み立てられるパーツに

したり…と、枚挙に暇がありません。

 

そういった製品を見せていただくたびに、

「みんなよく考えてる!」と

思わずヒザを打ってしまいます。

 

それから量産品の良いところは、

デザイナーと製作者が

一体化してないところです。

 

それによってデザイナーは、

「デザインすること」だけに力を絞れます。

 

フルオーダーメイドであれば、

デザインする人と作る人が違っていても、

双方が、互いの立場を理解しなくては

製作することが出来ません。

 

ということは、なかなか

人の替えが効かない、というリスクが

大きい、ということです。

 

 

それはさておき今回ご紹介する

ご注文いただいたこのメガネケースも、

そうした優れた市販品の

革版レプリカ、です。

 

「とても気に入っていて

使いやすいので、そっくりに作ってください。

特に大きさと容量を…」という

リクエストでした。

 

シンプルな作りですが、

容量を同じくらいにする、ということが

ほんとに難しいご希望です。

 

毎回毎回、そういったリクエストには

薄氷を踏む思いでお応えしています。

 

さいわいその甲斐あって、

お客様には気に入っていただけましたが、

こうして毎日、

命かけてお作りしているのです。

ご注文、ありがとうございました。

 

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