革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.10.26

5年物のオーバーナイトバッグ

5年ぶりに訪れてくださった

クライアントは、

「これ、重宝して

たくさん使っています。

自立しますしね、

革の手触りも良いですし…」

 

 

とてもお似合いの

当店定番「オーバーナイトバッグ」ですが、

こちらの鞄の表面が白っぽいのには、

理由があります。

 

雨を気にせず使いたい、

というご要望があったため、

ワックス掛けの特別加工をしています。

 

 

5年お使いいただいて

これくらいのワックスの革に入りようですが、

 

すでにツヤツヤとして、

硬かった革が柔らかい手触りに

変わって、気持良い触り心地です。

 

こうしたワックスは

もっと早く取ろうと思ったら、

ブラッシングする、という手もありますが

この方はナチュラルに

要らない分が取れて行くのを

待ってくださっています。

 

 

上のお写真は、今回の

ご来店時に実際に使ってくださっていた時の

ものですが、

 

中身がたっぷり入っていても、

ご指摘いただいたように、

こうして自立しています。

 

自立する鞄、

というのは案外少なく、

当店鞄のこうした特長を知る方からは

「立たない鞄は

持ちたくないんですよね。」

とも言われます。

 

 

さて、こちらが

出来立てほやほや時の

オーバーナイトバッグ。

 

ワックスをかけた革は、知らない方からは

「カビかしら?」と

驚かれることもありますし、

 

革をよくご存じの通人からは

「ちゃんと機能しているワックスですね。」

と看破されることもあります。

 

 

それはどういう意味かと申しますと、

最近のワックス通しの牛革の中には、

革の表面にガラス加工を施していて

ファッション的に表面にだけ

ワックスを載せているものも

あるからです。

 

そういった革は

ワックスがただただ取れていくだけで

あまり経年変化しませんので、

後々、これとはちょっと雰囲気が違います。

 

どんな革が欲しいか、

それを考える時には、

本物がどうなっているかを知ることが

大切です。

 

当店が後加工で

ワックスを深く滲み込ませる革は、

樽に浸ける方法とは異なりますが、

経年変化は

本物のワックス掛けだということを

語ってくれます。

 

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