革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2021.01.3

持ち込みバックルでお作りしたジャストサイズのベルト 205

 

お持込みバックルを使った、

ウエストサイズに合わせたベルトのご注文は

しばしばいただきますが、

恰幅の良い方か、ほっそりした方の場合が

多くなります。

 

本日ご紹介するベルトは

恰幅の良い方にお作りしたもの。

 

サイズを合わせることはクライアントにとって

もちろんメイン目的ですが、

ビシッと締められるようにと

いつもより厚手にお作りしました。

 

 

 

 

今までお使いのベルトはかなり厚手でしたが、

それが十分に柔らかくなっていたため、

そのベルトを何年お使いになったかを

お尋ねしてから、お出しした結論です。

 

今回のクライアントは

「できれば面倒なく欲しい物を手に入れたい」

というタイプの方でしたから、

特にそのご説明はしませんでしたが、

 

使う人それぞれのお好みに合わせて

こちらで出来上がり品の質感を選択する場合、

使う方の体格も鑑みて、アプローチします。

 

 

 

このバックルを使ったベルトを作る

ワールドブランドは、

オーダーメイドを受け付けなくなりました。

 

それでそのブランドのバックルをお持ちの方が

良いバックルで気に入っているから、

という理由でオーダーくださることが

増えてきました。

 

各ブランドがベルトのオーダーメイドを

お受けできなくなった理由はおそらく、

全般的な革の品質の低下

(一枚の革の中に良い部分が少なくなってきた)と

それに追い打ちをかけるような

革価格の高騰にあると思います。

 

 

 

それをもっと詳しくご説明しましょう。

 

長保ちして、

フィット感のあるベルトにするためには、

革のどの部分で

どういう方向でパーツを取ると良いか

というセオリーがあります。

他のアイテムにもあることですが…

 

また、ベルトには長い革が必要ですから、

一枚の大きな革のど真ん中部分を

タテでまっぷたつにして切り出し、

ズバッと取ることになります。

 

大きなサイズの方用でしたら、

小さめの革では

長さが足りないことも出てきます。

 

その結果、

革として大きなサイズのものであっても、

「一番高品質であるど真ん中部分から

たった一本のベルトしか作れなくなってしまう」

という、高品質の革を扱う製作者からすると、

恐ろしい結果になってしまうことが

起こりうるわけです。

そして実際にその確率は高い、と申せましょう。

 

 

 

これがもし

ベルトだけを作る専門業者であれば、

伸びてしまうような部分や

キズのある部分がわからなくなるように

ベルト用の表面加工をした一枚の革から

まるまる一枚をタテに切り出して、

何十本ものベルトを作って売りますから、

まったく無駄がありません。

これが低価格ベルトの作り方です。

 

でも、高品質の革を扱う

オーダーメイドの製作者ですと、

一枚の革からできるだけ良いパーツを

できるだけ多く取りたいですから、

なかなか英断を必要とするアイテムになります。

 

そういうわけで、ベルトのオーダーは、

やっていないところが、ほとんど。

 

ベルト専門業者に

サイズを合わせることはできると思いますが、

持ち込みバックルを使える厚みと構造にして、

良質なバックルに見合った

高級品のコバ処理をすることはできません。

 

当店では、お受けできる限りお受けします。

 

このたび製作したベルトの厚みと

コバ処理は、とても勉強になりました。

ご注文、ありがとうございました。

 

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