2021.06.5
バッグや鞄のもっとも単純な使い分けについて
バッグや鞄などの革製品を
扱っておりますと、
日本では、日常的に
鞄を取り換えて持つ人が少ないことに
気づきます。
靴を毎日取り替え
熱心に磨く人は少なくないのに、
同様に、バッグや鞄を扱う人の話は
あまりお聞きしません。
なぜ鞄を持ち替える人は少ないか?
それは
「中身を入れ替えるのが大変だから。」
という理由をよくお聞きします。
*ワックスをかけた当店レザー「ルバル」
持ち歩く持ち物がこまごまとして
沢山ある、ということと思いますが、
もしお持ちになっているバッグが
革製でしたら、雨の日だけは
別のバッグをお持ちになる習慣を
作ってみませんか?
そうすることで
バッグの寿命がぐっと延びるだけでなく、
おもしろいほど革が変わることに
喜びを感じていただくことが出来ます。
これが、伝統的な製法の革製品を持つ
深い楽しみ方のひとつです。
とにかく雨は、革にとって
百害あって一利なし。
表面をコーティングした革であっても
劣化を早める原因になりますから、
当店のベア・スキン・レザーのような
すっぴんのお肌の革にとっては、
さらに厄介です。
鞄を取り替えるのが面倒であれば、
表面をコーティングした革を選ぶか、
ベア・スキン・レザーであれば
全体にワックスをかけるか、にすれば
心配はぐっと減ります
(当店では、ご希望くだされば、
そのようにお受けします)。
フルオーダーメイドは高価ですが、
それは、カッコよく見えるだけでなく
便利に使えるように、
持ち主のために
ひとつだけ製作するからであって、
高価なものだから長保ちする、
ということではありません。
革の鞄は第一に、
デザインや素材によって
きちんとした装いの一部になります。
ですから、お仕事やおしゃれなお出かけで
お使いになる方が多いと思います。
格のある革カバンを使うことで、
ご自分の見た目を、
その場にふさわしく
演出することができます。
それが相手やその場所に対するマナー、
ご自分の仕事への思いや
場を愉しみたい心情も、表してくれます。
最近は仕事であってもどんどん
カジュアルな服装になっていますし、
あまり雰囲気にそぐわない服装の方が
品格あるレストランにいらっしゃることも
少なくありません。
革のバッグと靴は、
ハレの気分を演出できる持ち物です。
少し気をつけていただくだけで
美しく成長し、
長保ちするように育つだけでなく、
持ち始めの頃よりずっとステキな
見てくれになります。
ちょっとダラッとしたい時でも、
良い靴を履き、手入れの行き届いた
革鞄を持つことだけで、
外からはそうとわからないように
見せてくれます。
革のバッグや鞄は、
うまく付き合えば効果絶大!
頭の片隅にちょこっとだけ、
こんな使い方のコツを留めてください。