革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.03.22

薄くてシンプルな定番、長財布 112

 

当店の、古くからの大学教授のクライアントから

ご紹介いただいた教え子のクライアントには

当時卒業したばかりの頃から

長くお付き合いしていただいております。

 

もちろん革が好きなことでご縁ができたのですが、

卒業したばかりでお持ちくださったお財布を気に入り

さらに鞄もご注文いただき、と今日に至っております。

ありがたいことです。

 

 

 

 

10年以上のお時間が経っている今回

ご注文いただいたのは、定番長財布の変形。

昔は二つ折り財布をお持ちいただきましたが、

そろそろ長財布に移行なさることになりました。

 

長くお付き合いをさせていただいておりますと、

どうかするとまだ顔に幼さの残る青年だったのが、

頼りがいがあり、良い仕事をなさっていることが伺える

立派な青年になったお顔に折々再会することが出来て、

感慨深いものがあります。

 

若い方でも、ある程度の熟年の方であっても

その成長を目の当たりにすることは

滅多に出来ない素晴らしい経験です。

そのような方々にお会いできる仕事をしておりますと、

他の仕事に就くことなど想像できないくらいです。

ありがとうございます。

 

 

 

 

このように

店頭でずっとみなさまとお会いしてますと、

人の生活が

年を経ることでどのように変化していくかも、

客観的に知ることが出来ます。

 

デザイナーは年を重ねるごとに

「ああ、ここまでの年齢の道のりは

何となくわかりました。」と言っています。

 

たとえば、

何歳くらいで徹夜ができなくなるか、から始まって

対社会でのそれぞれの年齢での役割(マナー)、

身体の大きな変化は、

どのあたりの年齢でどんなことで起こるか、

それによって何がどうストレスに変わるか、など。

 

デザイナーは自分自身を観察しながら、

自省もあり、おもに健康を踏まえて

オーソドキシーのすべての製品を発信しています。

 

「私はずっと、すばらしいお客様方以外に

ビジネス的には

タテのつながりもヨコのつながりもなく、

後ろ盾もなく、自己流でお店を続けてましたから、

技術を追求することでいっぱいいっぱいで、

社会的な常識もなくここまで来てしまいました。

そういうところはやはり本来は技術者ですね。

 

ですから、オーダー品を作ること以外、

あとからこのお客様の節目には

このようにお祝いをすべきだった、などと

反省することばかり思い出します。

きっと今でもそういう意味では

みなさまに驚かれることがあると思います。

 

でも、ひとつだけ、最初から

絶対に護り続けていることがあります。

それは

”どの案件にも全力で、最上を追求すること”です。

命かけて作る、と言っているのはそういうことです。」

 

たしかに製作現場では

細かいやり直しや足踏みが少なくありません。

あるパーツでのたった1ミリ、1gのことが、

結果を大きく左右するからです。

 

 

 

 

革製品の軽さについては、すでに

25年以上前から追求しています。

この店の製作方法は常にブラッシュアップしつづけ、

さまざまな成功や失敗をもとにして

現在の制作方法に、だいたい落ち着きました。

 

「だいたい」と書いたのは、

たとえ製作物が前と同じものであっても、

みなさまがお選びになる革が変わることで

素材の特徴が大きく変わり、

場合によっては同じ革であっても

ロットによって性質ががらりと変わりますから、

それぞれに合わせて

製作方法も変えなくてはならなくなるからです。

 

定まらない要素の多い素材を使った

一点ものの製作に、

どれほど頭脳と技術を駆使する必要があるか、

他に比較できる

ものづくりの仕事を思いつかないくらいです。

 

革製品であっても、量産で、ひとつの安定した素材、

ひとつの製作方法で作ることがいかに簡単で、

私どもにはうらやましく感じることか。

 

 

 

 

折々にお目にかかるクライアントのみなさまの

成長した姿に遭遇するたび、

つねに全力を尽くして生きている同胞に

お会いしているような気がします。

 

そのようなみなさまから

日常のストレスを取り除くだけでなく、

 

当店のお品をお持ちいただく時、

襟を正し、誇っていただける製作物を作るには

それ相当の技術と、

チームで考える思考準備、

何よりも、これを一流品にする、という気持ちが

必要です。

 

当店のフルオーダーメイドは、

まごうかたなきブランド品。

 

オーソドキシーブランドは、

オーダーする人ひとりひとりとのオリジナルです。

 

このブランド名は

みなさまとのコラボレーションブランド

とも言うべきもので、

お互いの協力で成り立っています。

皆様から当店へのご依頼には、

大きな化学変化を起こすことができます。

 

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