2022.04.10
30年来お付き合いいただいているクライアントのバッグと財布
つい先日、あるクライアントが
「私の書いた本が出ました。
一生を通じての
ライフスタイルの内容で、
オーソドキシーさんをご紹介しています。」
と、本をくださいました。
ありがとうございます!
しばしば当オーダー例にも
ご出場いただいている方ですが、
もう30年ほど前
IBM社のThink Pad230をご縁に、
長いこと
お付き合いいただいております。
ビジネスバッグは
30年の間に、6個を
目的別、荷物量別にご注文くださり、
鞄の自重の関係から、いま現在は
お写真にある3個を使ってくださっています。
思えば、この方の変化する年代と
社会的なお立場に合わせて、
ビジネスバッグの在り方を考えていった
気がします。
いつもお題をいただき、
「あとはお任せします。」
というご注文でしたから、
それはそれは責任重大です。
もちろんその間、何しろ30年ですから
自分たちの加齢も経験しながらです。
この方を通して、リアルに「人の生活の変化」を
長いスパンで捉えることができました。
こう考えますと、
すばらしい経験をいただいたものです。
もちろん、バッグにお入れになる小物も、
すべて当店製品で揃えてくださっています。
長財布、小銭入れ&キーホルダー、
名刺入れ、スマホケース、などなどです。
一度、これ、と決めれば
長い期間それについて考えなくても良くなる、
ということも
生活をシンプルにしてくれる要素と思います。
鞄については、一番最初と二番目は、
当時Think Pad販売の
総指揮をお取りの方でしたから、
そのプレスリリースでお持ちいただくものを
ご注文いただいています。
どちらも思い出深い鞄です。
お見せするお写真がないのが残念です。
最初のその二つは、
なるべく軽く作ろうとしていた
当店の最初の方針に従っていましたが、
当時はまだ今ほど軽量化する製作方法が
確立されていなかったので、
多少重めのアプローチとなりました。
それには当時の
ビジネスバッグというカテゴリーの持つ
デザイン性が関わっていました。
思えば、ビジネスバッグに対する感覚は
この30年で驚くほど変わっています。
ですからクライアントの年齢が増し、
「もう少し軽いと良いですねえ。」
というリクエストをいただき、
それが元となり、
もっと軽く、軽く、と、さらに
深く考えていくようになりました。
その早い段階で
デザイナーも腰痛を患い、自分がもう既に
重いバッグは
持ちたくなくなっていましたから、
より真剣に取り組んだ次第です。
「自分が持ちたくないものは
人に薦められないでしょう?」
というのがデザイナーの口癖です。
お写真に写っている3個のバッグは
相当軽いですが、
容量はかなり多く取れます。
これらがこの方のご希望にお応えした
30年の集大成となりました。
最近では、同じクライアントから
これからの年代を活動的に生きるために
黒のバッグをリュックにできるよう、
加工するリクエスト頂きました。
*こちらは作業が終わりましたら、
後ほどご紹介させていただきます。
この方は最初の注文を出してくださった時から
ずっと、サステナブル指向をお持ちですが、
ビジネスのからみで
荷物量の多いバッグ、少ないバッグを
つねに使い分けていらっしゃいました。
いまは
それを統合する時になったのかもしれません。
荷物量に合わせて
長い期間、ふたつの鞄を使い回しているお姿は、
身体を楽にして自分が活動的であるための
重要なライフスタイルの一部と映ります。
そしてそれは
当店が目指してきた目的と同じ方向性です。
不思議なことに今まで、この方と
そのようなお話をしたことはありませんから、
誠にありがたいご理解の体現です。
ビジネスだけを考えますと、
この方のように
2つのバッグをお持ちいただけば、
ほとんどのTPOと荷物量を
カバーしてくれます。
まさにそれを地で行っていらっしゃいます。
お書きになった本の中で、当店が
掲載されたページのお写真をアップしました。
この本は、ライフスタイルの本だと
おっしゃいましたが、
何より興味深く拝読できる部分は、
IBM社のThink Pad総指揮者として
当時を振り返ったリアルな仕事の仕方です。
この方独自のアイデアで
道を切り開いてきたことがわかります。
IBM社のパームパッド隆盛の時代まで
ケースやら何やらでお世話になり、
ずっと並走しているつもりでしたが、
さすがに初めて伺うビジネスの内情です。
もしかすると、むしろビジネス本として
価値ある読み物とお見受けしました。
ある程度の年齢になって(リタイアしてから)
確固たる自分の生活スタイルや
ライフワークが出来上がっていくことは、
やはり人それぞれのそれまでの生き方の
積み重ねの結果なのだと思います。
大事なのは、「今、この一瞬」を
大切に感じて、生きることでしょうか。
ご興味ありましたら、お読みください。
とくに意味のあるわけではない
「してはいけないこと」に縛られるのでなく、
新しい発想にどんどんチャレンジしてみたくなる
のではないかと思います。