革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.06.3

トートバッグタイプのビジネスバッグ 202

 

お写真で見ていただくと

これ以上ないくらいシンプルデザインの

このバッグは、

汗と涙の結晶です!

 

美意識の高いクライアントと

長時間お話しして、この形になりました。

 

お話の最初では

欲しいと思っている形は茫洋としていましたが、

だんだんとそれが焦点を結んでいく感じで、

それをとても愉しんでくださいました。

 

 

 

 

お友達がご一緒だったので、要所要所で

クライアント自身が客観的に見られない部分を

うまく補ってくださり、

「ああ、それはあなたの好きなタイプですね。」

というジャッジをしてくださいました。

 

誰しも

なかなか自分のことは見えなくなるので、

ボヤ~っとして姿の見えない買い物の場合、

あなたのことをよく知る人を

お連れくださるのは、大きな助けになります。

 

 

 

 

聞き取りしつつデザイン画を描きながら

デザイナーは、

「そういえばこの形って、

昔はハンドポーチによくある形でした。

 

でも、そのポーチをこんなに大きくして

まさかブリーフケースにしようなんて

考えたこともありませんでした。

このタイプは、今まで見たことありません。」

 

といいつつ、製作に問題なし、と

技術者との打ち合わせで

答えをお出ししましたが、これには

大きな落とし穴がありました…

 

 

 

 

今回の革は、エルメス社で使っている

フランスの革です。

格の高い革ですから、

多少カジュアルなデザインであっても

きっちりとした印象を出してくれます。

ましてや、黒。

 

金具は最小限にして、

バッグの口を覆うファスナーは、

外側からは

あまり見えない作りにしています。

 

 

 

 

デザインのポイントは「持ち手の金具」です。

漆黒の四角いラインから

シルバーカラーの四角い金具が

きちっと見えてくれるようにしています。

 

が、これが問題でした。

型紙を作り

サイズを確認しながら本番に進んでいくと、

当初の予定通りのファスナーの付け方にすると、

持ち手を付けることで

ファスナーが開けにくくなってしまいます。

 

クライアントは

ファスナーの付け方にこだわりがあったので、

それを尊重する形で

違う作り方にして、開けやすくするご提案を

しました。

 

こういう場合、

ご注文者のこだわりがどこにあるか?

によって、ご提案内容が変わります。

 

今回は、持ち手の間隔と長さを

本番製品を途中まで作ったところで

お見せして、決めていただく、

という念の入れようなので、

イメージが変わらないよう、

再度ご覧いただきました。

 

 

 

 

そして実際に触っていただくことで、

このような変更をしないことには

使い勝手が悪いこと、

変更をしたとしても

イメージに変わりなくできること、を

ご確認いただきました。

 

まさにご注文者との二人三脚の

コラボレーションです。

 

きりっとしたクライアントに

とてもお似合いの

ビジネスバッグになりました。

 

何度もおいでいただき大変だったと思いますが、

おかげさまで

とてもきれいなバッグに仕上がりました。

長くお使いいただけますよう、願っております。

このたびはありがとうございました。

 

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