革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.10.1

ダレスバッグタイプのリュック 20709

今回ご希望いただいたのは、

ダレスバッグ型のリュックです。

 

他店で既にオーダーした、ご希望タイプの

リュックでご来店くださいましたが、

「これがどうにもうまく使えないので、

何とか自分の欲しい形で、

使えるリュックを作っていただきたくて。」

とのお話です。

 

たしかに留め金具はぱちぱち取れてしまいますし、

開け閉めもかなりやりにくそうです。

スリーウェイにしてもらったそうですが、

結局リュックとしては使うことができず、

ショルダーバッグとしてお持ちでした。

 

 

 

 

リュックというアイテムは、バッグの中で

作るうえでの規制がもっとも多く、

使えるバッグにすることが難しいタイプ。

 

それは、一番力のかかる場所が一点であること、

それから全体のバッグの形が

その力のかかる点から吊られることで

四角く作ると角がだらっとダレてしまうこと、

などが大きな原因となって、普通に考えると

デザインはかなり制限されてしまいます。

 

そんな理由から、

市販のたいていのリュックはタテ型で、

角を丸く取ったタイプのデザインになっています。

背中側から外側に向かって

マチ部分にテーパーがかかっているものが多いのは、

やはり同じ理由からです。

この作り方が一番理に適っていて、

問題の起こらないリュックにすることができる方法です。

 

 

 

 

今回のダレス型のリュックで一番考えやすい形は

口金金具からショルダーベルトを付ける形ですが

(実際にそういうものは存在していました)、

それも容量によります。

大きなサイズで容量があれば、

口金金具に重さがかかり過ぎて

口の部分の金具の重なりが開いてきてしまいますから。

 

今回の大きさであれば、しっかり背中に留めたいので、

バッグ本体にショルダーを付けることにしました。

付け位置は、体格によって変わることから、

本番製作前に

ダミーバッグを作って背負っていただいています。

 

ですから、こういうアイテム時のご来店は

2回お願いすることが少なくありません。

 

 

 

 

背中面はしっかりさせるために

ぱっちりと平たくしていますから、

今回のショルダーベルトの付け方は

ベルトをクロスさせることにしました。

 

そのため、1枚目のお写真のように

背中になるべく沿う形で背負うことができます。

 

 

 

 

また、元の形がダレスバッグの場合

口金金具部分のマチの収め方が幾通りかあって、

そのどれが今回のご希望に合っているかも

判断が難しいところです。

 

見た目がご希望の形になっていても、

使えない製品になってしまうことは

当店の目指すところではありません。

 

「どこにもない製品であっても

使える製品にすること」

これが当店フルオーダーメイドの大きな特長です。

 

 

 

 

バッグのフルオーダーメイドで難しいことは、

存在しない製品には

何かしら不都合がある場合が多いからです。

それは製作上でのこともありますし、

誰も使ったことのない形であれば

使った時、予期せぬ出来事が起こる可能性も

少なくないからです。

 

 

 

 

クライアントのお荷物を入れていただきますと、

上のお写真のような感じになりました。

中身のポーチの大きさに流動性がありましたので、

一番大きなものがザクッと入るようにしています。

 

お渡ししてから少ししてご来店くださいました。

「あんまりステキにできたので、

今まで飾って眺めていました。

今日が本格的に使う一日目です。

背負いやすいし、内ポケットもぱっと使えるし、

すごく使いやすいですよ。」

ありがとうございます!

末永くお楽しみくださることを願っております。

 

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