2022.10.22
身体を楽にする、大きくても軽いビジネスバッグ 20708
「このバッグをずっと使ってきましたが、
残念なことに、少し小さいのです。
今まで使ってきて
これ以上のバッグはありませんでしたから、
同じ形で大きくして作っていただこうと。
ただし、軽くしていただきたいことが
第一条件です。
最高に重くても、
今持っている現物の重さまででできますか?」
*フタはマグネットで留まります。
なんと難しいご依頼でしょうか…
作れるか作れないか、という判断とともに、
現物より大きくしても
現物以上の重さになってはいけない、
という縛りです。
しかも、現物は大きさの割に軽くできています。
構造的な製作可否を考えるとともに、
ある程度正しい重さを
お出ししなくてはなりません。
*マチも見本に準じた割合で作っています。
見本バッグの大きさは
ヨコ355x高さ290x厚み135ミリ。
ご希望サイズは、
ヨコ400x高さ310x厚み200ミリ。
ヨコ幅は別として、厚みは
ビジネス用としては、今までで最高の厚みです。
ということは、とにかく
たくさんモノが入るバッグ、ということ。
一般的には長方形のバッグで、
これ以上の高さサイズはあまり見かけません。
*これが20センチ厚みのある底面。
それで軽く作る、となると
このバッグの構造からしますと、
さまざまなところに補強を入れることになります。
見た目は
シンプルデザインに見えるかもしれませんが、
中にはかなりたくさんの補強が施されています。
このコラムで何度もお書きしているように、
入れる荷物が重ければ重いほど、
保ちをよくするために
バッグの自重を
荷物に合わせて重くする必要があります。
でも当店へのご依頼品は、ほとんどが
そういう単純な方法では製作できませんから、
要所要所をできる限り補強していくことになります。
*内側はシンプルに見えますが、
マチを内側に折れ込ませて形づけています。
また、
ご注文が入るか入らないかという段階で、
ある程度正確な重さまで出す、
というのは、至難の業です。
ご注文が入って、ほんとに良かった。
おもしろいことに
先日ご紹介したメンズトートバッグと
同じような前ポケットの作り方で、
ご注文において、このように
しばしば同時期に起こる
シンクロニシティのおかげで、
とてもいい感じで出来上がりました。
*厚みのあるものも入る前ポケット。
このバッグは
あるブランドがかなり前に作ったバッグですが、
とても変わった構造をしていました。
「とにかく同じに作ってください。」
というリクエストです。
同じように見えながら
もっと丈夫な作り方を、と模索しましたが、
今回も使い勝手と形は連携していることから、
同じ製作方法を採らざるを得ませんでした。
この製作方法は、大変なことに
本体に補強を入れづらいタイプでしたので、
できるだけの手を打ち
重さに耐えるようにしました。
*後ろ面にはポケットもあります。
ご希望いただいた自重は
見本バッグより少し軽いくらいにできました。
お渡しして心配なのは、
このバッグの容量がとても多いことです。
背が高くてもきゃしゃなクライアントでしたから、
このバッグを
満杯にしてお持ちになることを想像しますと、
将来的にだんだんとお荷物が少なくなるよう
願う気持ちが大きくなります。
そしてこれだけのお荷物を入れて
ご自分で持ち運ぶのであれば、
バッグの自重はこれくらい軽くないと
持てないだろう、ということはよくわかりました。
うまくお役に立っていることを祈っています。