2023.01.24
三個目をご注文いただいた究極のビジネスバッグ 212N
とにかく革製品の好きなクライアントで
長いお付き合いをいただいておりますが、
ここへ来て
「私も90歳になりますから、
これをきっちりしたバッグにしたいと
思っています。」
ありがとうございます。
*一代目のバッグ
この方は今まで毎回、どこかから
ご自分の荷物を入れるのにちょうど良さそうな
サイズのバッグを入手しては、
それをしばらく使って、
そのサイズや仕様を基準に
ご注文くださいます。
そこにプラスして、欲しい機能を
ご説明くださいます。
その合間に
ちょいちょい新しい試みを考え付くので、
そこから、この1本手のバッグの
一代目が誕生しました。
最初は、え、この持ち手でいいの?と
思ったのですが、
「狙い通り使いやすいです。」とのことで
三代に渡って踏襲しています。
*二代目のバッグ
この方を見ておりますと、
使いやすさは十人十色だと
あらためて認識します。
また、発想の柔軟なこと。
三代使う中で
変っていったのは、サイズです。
少しずつ変えていき、
今回のサイズが一番大きくなっています。
三代目の大きさのタテの基準は、
後ろのファスナー外ポケットに
ぎりぎりA4サイズが入ること。
生活が少しずつ変わったことが、
目に見えてわかるご注文内容です。
90歳にして未だ現役で
お仕事をしてらっしゃるお姿を拝見しますと、
人は年齢ではないな、と思います。
守るべき人たちがいる方なので、
(ご自分では
そういう言い方はなさいませんが)、
一層しっかりしてらっしゃるのだと感じます。
*二代目と三代目のバッグ
上のお写真をご覧いただきますと、
ヨコ胴の青い部分に
タテにステッチが入っていますが、
この部分、内部に仕切りをお付けしました。
厚みが結構あるバッグなので、
二つに分けた方が使いやすい、と
ご自分で
市販品を使ってシミュレーションをし、
今回のご希望となりました。
*三代目の変更点、仕切り
わかりにくいかもしれませんが、
仕切りにはファスナーポケットもあります。
このポケットの大きさも、
中に入れるものから引き出したサイズです。
使いやすい使いにくいは、
どこに何を入れたいか、
そしてそれを収める場所によって
決まるのだと、あらためて思います。
このように作られた鞄は、
まさにパーソナルなオーダー品です。
他の誰が、使うことができましょう?
*三代目の変更点、後ろ外ポケット
ご希望いただいたサイズだと
ほんとにぎりぎりでA4が入るのですが、
「いつもA4を入れるわけではないので、
ギリギリで良いですよ。」
ということで決めたサイズです。
当店の通常のサイズ決めですと、
少しゆとりを見て、
出し入れしやすいサイズをご提案します。
でも、なるべく小さくしたい、という場合
この方のように事情を伺って
話し合ってからサイズをお決めいただきます。
いずれにせよ、
卒寿のお誕生日までに間に合った製作ですが、
とにかく今までのようにお元気で、
いつまでも使っていただけるよう
心から願っております。
ありがとうございます。