革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2023.02.16

閑話休題:手編み靴下の毛糸と編み手、モノづくりについて

店頭では、デザイナーの意向で

これは良い!と思ったお品物も

スポット的にご紹介しています。

今日はクリスマスから扱っている

手編み靴下についての情報をお書きします。

ご興味ある方はお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

まずは毛糸の出自について。

おもしろいことに、デザイナーは

これは質のいいものだ、とわかると

材料の出自を確かめ、

猪突猛進的に突っ込んで行きます。

 

今回はお付き合いで買った靴下が

自身で履いてあまりに心地よいため、

「これはいったい何?」となって、

手編み達人に説明を求めました。しかし

達人はすでにこれについては自明

ということなのか、なんなのか

かえって情報が出てきません。

 

そんな折、銀座の某百貨店で

この毛糸の特別展示がある、

と知ったデザイナーは

さっそく行ってきたようです。

「シックな柄があったわよ~~」と

買い入れたのが、1枚目のお写真の毛糸たち。

 

いえいえ、仕入れた材料の話ではなく、

この材料のバックグラウンドが知りたいです。

 

 

 

*毛糸の会社の小冊子

 

 

 

毛糸の会社は「気仙沼KFS」と言い、

この毛糸で編んだ靴下は「平和の靴下」と

名付けられ、その収益は

アフガニスタンなどへ収められているそうです。

 

主催者はドイツ人女性で、東日本大震災の時

「自分が避難所生活をする状況になったら、

一番欲しいものは何だろう?」

と考えたそうで、

その答えが、毛糸でした。

無心に毛糸を編む時、

とても幸せを感じるのだとか。

 

それで気仙沼の避難所に毛糸と編み針を送り、

それがきっかけとなって、気仙沼の

編み物会社の設立に繋がりました。

すばらしいボランティアです。

 

 

 

 

 

 

毛糸の製造元は

「TUTTO社」というドイツの会社。

ウール75%xナイロン25%の

丈夫で温かい比率で作られた毛糸で、

ネットに入れれば

洗濯機でも洗えるのが、嬉しい品質です。

 

売上の一部を熱帯雨林保護活動や

南ドイツの零細牧羊業者支援にも

当てているそうです。

 

その会社が、この気仙沼KFSの活動に、

特別な柄のオリジナル毛糸を提供し、

製造という形で支援しています。

KFSはそれを販売し、手編みを広めています。

 

デザイナーの友人の手編み達人も

編むことに幸せを感じ、

みなさまに使っていただければ、と

無心に編んでいます。

1足編むのに達人でも丸二日かかると聞き、

デザイナーは自分で編むのを止めたのだそう。

 

 

 

*毛糸ひとカセ、それから
かかと、口、つま先用の別糸を使っても、
Mサイズ23センチを2足しか編めない。
Lサイズ27センチなら、1足だけ。

 

 

 

話が少しそれましたが、

みなさまが購入してくださることで、

この気仙沼KFSの活動や

元々のドイツの糸会社の支援に

つながることになります。

こんな背景だったのですね。

 

 

 

*特別販売の糸は、一人ふたカセまで

 

 

デザイナーはこんなことも言いました。

「たいていの素材は量産できるから

特別な素材には光が当たるけど、

それを手作業で加工する人たちには

なかなか光が当たらないでしょう?

 

製造業界で(うちの業界もそうだけど)

製作する人たちの技術に2種類あることは

誰も言及してくれないですよね。

 

部分的に機械も使って

流れ作業で量産する人たちの技術と、

 

もともと流れ作業が出来ない製品で

熟練者の手で作るしかないものを、

一点一点作る人たちの技術。

 

後者の場合だと

熟練者になるのも、熟練者を育てるのも、

ほんと大変。みんなも体験してるでしょう。

 

編み物達人も、

たくさんの人に教えてるけど

自分と同じように編める人が

今のところいなくて…

どうしてなのかわからない、と言ってますが、

ひと言で言うと、それだけ難しいの。

 

1つのアイテムだけでも、

まるまるひとつを

売り物になるレベルで

必ず作ることのできる人って、

なかなかいないのよ。

 

その仕事への向き不向きもあるし、

ファッションものだとセンスもあるし。

 

そういう人がやっていることの真の価値を

きちんと伝えたいと思うの。

 

売値について聞いたら、最初

達人は『機械編みのものが税込3,000円くらいで

売ってるのよ、だから同じくらいかな。』と。

 

ほんとはずっと大変なんだけども…

と思っていても

何故か機械編みと比べていました。

ぜんぜん違うものなのにね!」

 

 

 

 

*手に入れた機械編みの靴下

 

 

 

「ということで、そこで扱っていた

機械編みの靴下を買ってきました。

明日から履いてみるよ~」

 

 

 

*機械編みを履いたところ

 

 

 

なるほど、これが次のネタか!

なんだかちょっと楽しみな閑話休題です。

「暮らしの手帖」

みたいなことやってますけど、

 

お店で扱う製品に対しては

結局フルオーダー品を作る時と

同じことする、ってことですか。

 

この記事を通じて、市場にある

各々の製品に対する正しい知識と、

それができるまでの

バックグラウンドについて、

少しだけでもご想像いただけると嬉しいです。

 

 

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