革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2023.09.9

「ミッションインポッシブル」なウエストポーチのバッグ 30701

本日ご紹介するのは、

極めた技術を使ったウエストポーチです。

 

お受け取りの際、クライアントは

おっしゃいました。

「いや、、ちゃんとできたのですね。

完璧な、すばらしい出来上がりです。

(とおっしゃりながら

ベルト部分を強力に引っ張って

パンパン、と丈夫さを確認しています)

 

じつは、オーダーをする、というお店

数軒に、この見本を持って行って

私の変更希望を話したんですよ。」

 

 

 

 

 

 

「行ってみてなぜかがわかりましたが、

どこからも断られました。

どこも同じ理由です。

『これこれこうだから(←ここでは省きます)

そういうバッグは作れないんですよ、

それは絶対に無理。』。

でも、こうしてできるんですね!

ここでお願いして良かった。

 

ベルトも、これなら丈夫ですし

(ホッとするデザイナーでした)。」

 

 

 

 

 

 

このオーダー品は、

ご注文者が他所で断られたほど

大変な作りでお見積もりも高く、

心から欲しい、と思わない人でない限り

お断りされるくらいの超特注品です。

 

パスポートもお入れになるというお話と

それを収める場所からしますと、

きっと海外で頻繁にお使いになるのだと

想像しています。

もしかすると、少し危ない場所でしょうか。

 

こちらのクライアントからは

ご注文をいただき、

お渡しの段になったところで、初めて

この経験談が明かされました。

 

 

 

 

 

 

上のお写真は

真横から撮ったところですが、

まさにこれが

『絶対に無理』と言われた部分。

下のお写真でも、みっつの

くっついたお部屋はご確認いただけます。

 

 

 

 

 

 

技術の話になりますが、

こういう柔らかい形は「内縫い」と言い、

裏返しで中身を作ってから、

最後にひっくり返す製法で作られています。

 

薄い厚みで、

しかもどれも同じ厚みの部屋である場合、

どうやってそれぞれ、外側に

部屋よりも厚いパーツをくっつけたものを

ひっくり返すのでしょうか?

 

これを最初に考えますと、普通は

まずお断りする案件です。

 

 

 

 

 

 

上のお写真でご覧いただけるように、

見本品はもちろん、部屋はふたつ、

ひとつの部屋には

がっつりと厚みがあります。

これがセオリー通りの作り方です。

 

*なお、サイズは同じサイズです。

何度も書きましたように、

使用中の革製品は、小さく見えます。

 

 

 

 

 

 

デザイナーはそれを考えて、最初は

やはりお断りしようと思ったそうですが、

かつて技術責任者が

「魔法のような技術」で

数々の不可能を可能にしてきたことを

実際に目で見ていますし、

 

何より

クライアントのご希望をかなえられるなら、

と技術責任者と相談しました。

 

 

 

 

 

 

そのような経緯でお受けしたご注文ですが、

結果として

この奇跡のような製作物ができました。

こうしてあらためて、技術責任者の

技術のすごみを確認したわけです。

 

当店は、今回のような

「ミッションインポッシブル」を

お受けする技術のお店です。

それも、美しく、気持ちよいサイズで。

 

どこからもお断りされた内容のお品を、

信頼してご注文くださった

クライアントに、感謝申し上げます。

 

 

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