2024.03.7
ゾウ革のエクセレントな「クレセント」ボディバッグ 31211
長くお付き合いいただいている
クライアントご夫妻とお話ししてましたら、
たまたま
ゾウ革で作った製品の話になりました。
その時、最後に少しだけ残った
革の片りんをお見せしたところ、
「すごくステキな革ですね。
何の革かわからないし、
ワイルドな感じもするし、
この色と素材感が何とも言えません。
こんな革で鞄を作って
一生大切に持ちたいですねえ。」
そんなお話から、その時
革屋さんへ見に行って、
とりあえずお借りした
明るめの紺色のゾウ革を
お見せするお話になりました。
いろいろ見ていただくと、
デザイナーがどういう革を「上質」と
言っているのかがわかるからです。
「こちらのお色も良いですが、
こうして見て見ると
やはり濃いネイビーが欲しかったです。
それと、この革の柄は大きくて、
かなりワイルドな感じですね。」
同じ系統で明るめの色の革を見ることで、
ご自分が欲しい色やイメージが
はっきりしたご様子です。
ご夫妻揃って、ご自分が感じたことを
正確な言葉で伝えてくださる方々です。
「わかりました、
そしたら、お好みの色が出るまで
革屋さんへ行くたびに見てみますね。
濃いネイビーをこれまで見たのは
前回入手した1回だけなので、
リクエストしておいても
1~2年かかるかもしれませんけど、
よろしいですか?」
そのお話を懇意にしている
革屋さんにしたところ、
「その大きさのパーツを取るなら、
柄の揃ったところは難しいかもしれないね。
ま、とりあえず心がけておきます。」
という状態になりました。
ところがある日、
「この間の話ですけど、
今たまたま
染める前のいい革が出てきたので、
もしオーソドキシーさんさえよければ
ご希望のお色で染めようと思います。
染めで革の表面がどう出るか
わからないところはありますが、
色はだいたいの線で出せると思います。」
とのオファーをいただきました。
1枚のゾウ革は大きいですが、
斑柄の揃ったきれいなところばかりで
パーツを取ろうと思ったら、
極端な話、正味で使う量に対して
倍の量の革を入手する必要があります。
恐る恐る出来上がりの革を拝見しましたら、
なんと、超一級の仕上がりではありませんか。
デザイナーは思わず小躍りした、と聞きます。
色も思った通りの深いネイビーで、
シックな中に深い柄が刻まれた
何とも表現しがたい革になっていました。
*右はこの鞄の元になった一点もの。
オーダーではショルダー紐の太さを太くして、
長さも体格に合わせています。
お帰り時には
さっそく肩にかけてお持ちくださった
クライアント。
「ちょうどいいサイズです。」
良かったです、安心しました。
大きさ的には、下のお写真になります。
内ポケットの真ん中に付けたDカンに
見合うキーリングを、
帰る途中で見つけてくださった
お二人から、お写真をいただきました。
こんなところでも愉しんでいただけるのは
とても嬉しいです。
どんどんお出かけいただき、
軽さと使いやすさ、デザインを
お愉しみください。
いつもお引き立ていただき
ありがとうございます。
お二人とお話ししますと、毎回
いろいろなことに気づきます。